小関順二公式ブログ

プロ野球、アマチュア野球、野球史

清宮幸太郎(早稲田実・3年)が史上最多、高校通算107号ホームラン

2017-07-30 11:24:05 | 2017年高校野球

728日(金)早稲田実41八王子

 

 清宮幸太郎(早実)が高校通算本塁打の最多記録、107本に残り1本に迫った試合、と言ったほうが通りはよさそうだ。八王子の存在は忘れられがちだが、昨年夏の西東京大会準々決勝では64で早実を破っている。このときは走者がいれば敬遠、走者がいないときは極端に外野陣を右側に寄せるシフトを取って清宮の強打を封じ、その後の準決勝、決勝を勝ち上がって甲子園に出場している。いわば〝同格″と言っていい八王子だが、試合前の評判は「早実有利」が圧倒的だった。

 昨年夏の甲子園でストレートが最速141キロを計測した八王子の先発、米原大地(3年)は1回表、3四球、1死球を出す乱調で1点を献上し、3回は清宮を四球で歩かせたあと、4番野村大樹(2年)に左中間を破る二塁打を打たれ、序盤で2失点を失った。それが4回以降はストレートが速くなり(最速142キロ)、スライダー、チェンジアップなどの変化球もキレを増し、攻略が難しくなった。3回裏には八王子が早実・雪山幹太投手(2年)の暴投で1点を返し、6回を終わって早実21八王子のスコア。この状況で飛び出したのが清宮の高校通算107号ホームランだった。

 昨年同様、八王子の外野陣は右側に極端に寄る〝清宮シフト″を敷き、米原は慎重に低めを突き、ホームランだけは打たれないような配球に徹する。清宮の頭の中を推理すればストライクゾーンを広くし、打てると判断した球はすべて振っていくということだろう。

 第1打席は初球を二塁ゴロ、第2打席はストレートの四球、第3打席は2ボールから1球ストライクを見逃し、4球目をキャッチャーフライ、そしてこの第4打席は2ボールからの3球目、外角低めのチェンジアップを左中間スタンドにソロホームランという流れだった。

 履正社の安田尚憲(3年)も1回戦の常翔啓光学園戦ではボール先行の配球をかいくぐって高校通算60号ホームランを打っているが、このときも6球目の低めチェンジアップを打って両翼97mの外野フェンスを超えている。強打者に共通する合言葉は「失投を見逃さない」だが、清宮、安田の1本は失投とは言えない、難しい球を捉えての節目の1本となった。

 この八王子戦を41で乗り越え、決勝の相手は準々決勝で優勝候補の日大三を05で下した東海大菅生。東海大菅生から見れば3年連続準優勝という悔しい思いがあり、15年は早実に68で敗れているのでこの決勝戦が2年越しの雪辱戦になる。早実有利の前評判だが、先は読めない。


最新の画像もっと見る