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ちまちま中間手続31

2024-12-17 21:14:41 | 仕事日記
弁理士近藤充紀のちまちま中間手続31

拒絶理由 進歩性
 引用例1には、・・・と、・・・と、・・・と、・・・とからなる・・・装置が記載されている。 
 引用例1に記載の脱硝触媒(引用例1:請求項4-10参照)は、有害有機化合物を分解する機能を有するから(引用例2:実施の形態1,4,引用例3:特許請求の範囲、表1参照)、引用例1に記載の装置を有害有機化合物を含有する排ガスの処理に転用することは、当業者であれば容易に想到し得ることである。

引用例5には、アンモニアを含有するガスにより再生処理することが記載され ている。

補正書 省略

意見書
 引用文献1の発明では、その明細書の第3頁左下欄13~17行に記載されるように、250~500℃の炉(3)に導かれて分解されることが記載されているが、本願発明のように、「アンモニアガスを含む前記排ガスを250~500℃の雰囲気で該触媒と気固接触させ、触媒に吸着した硫黄酸化物を該触媒から脱離させることによって」再生することは全く記載されていない。本願発明では、触媒に吸着した硫黄酸化物(硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム)の脱離を促進し得るアンモニアガスを含む排ガスを用いて触媒の再生をより効率的に行うことができる。このような効果は、単に250~500℃の炉によることが記載されている引用文献1からは想到することができないものである。 
 引用文献2~4には、劣化した触媒の再生についての記載が全くない。 
 引用文献5には、その第1頁右欄第18~19行に、脱硝反応における触媒性能劣化の要因について、「担体アルミナの硫酸塩化による」ことが記載され、さらに、このような要因により性能が劣化した触媒を再生するために、有毒な硫化水素等を発生し得る水素等の還元剤に代えて、NOx還元剤であるアンモニアガスを用い、所定の酸素の共存化に硫酸塩の還元反応を行うと、有毒ガスの発生なしにアルミナ担体を有する触媒を再生することが記載されている。 
 本願発明と引用文献5とを比較すると、Ti-V系粉末触媒を再生している本願発明に対して、引用文献5ではアルミナ担体を有する触媒を再生しており、再生対象となる触媒種が全く異なっている。さらに再生対象となる触媒種が異なることに起因して、触媒に吸着した硫黄酸化物(硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム)の脱離を促進することにより触媒を再生している本願発明に対して、引用文献5では、還元反応によりアルミナ担体を有する触媒を再生しており、触媒再生の作用機序が全く異なっている。しかも、引用文献5の触媒再生方法は、アルミナ担体を有する触媒についてのみ適用されるべきものである。 
 したがって、触媒再生のためにアンモニアガスを用いている点で本願発明と引用文献5とは一致しているものの、両者では触媒種が相違しており、この相違に基づいて、触媒が劣化している要因が両者で全く異なっており、さらには、このような触媒を劣化している要因を除去し触媒を再生する作用機序も両者で全く異なっており、引用文献5の記載に基づいて本願発明のような触媒再生に想到することはできないものである。 
 以上のように、引用文献1~5を組み合わせたとしても、本願発明の構成に想到することは容易ではない。

特許査定

拒絶理由の備考欄は、あっさり記載しているが、相当頑張らないと、難しいかな、という印象だった。

限定する補正を加えているが、やむを得なかった。主張すべき点はすべてやれたので、なんとか権利化は達成できた。

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