暇を見つけては折々の巨木訪問の旅を続けているが、今回は「道明寺天満宮(藤井寺市)」のクスノキをご紹介しようかと思う。巨木の存在は各地にあるが、多くは偏りが見られ、当地では奥河内とも呼ばれる河内長野市に集中している。街中には少ないのが実情だが、その希少例の一つが今回の事例だろう。道明寺天満宮は近鉄南大阪線の道明寺駅から徒歩10分程度、利便性の良い存在だ。ご存じのとおりで、学問の神様とも言われる菅原道真公を祭った神社、いわれの故か七五三でのお参りが多いようだ。
天満宮のクスノキは境内の奥まった隅の位置に有り、注連縄を巻かれてはいるが玉垣の存在は無い。果たしてご神木なのかどうかは不明だが、注連縄付きだから多分そうなんだろうと思われる。存在場所が場所だけに、一般参拝者の目には触れにくく、無視されがちなのは気の毒だ。注目するのは、巨木を訪ね歩くマニアっぽい人種だけかも。
根元に立って見上げてみる。常緑高木樹だからか葉が生い茂って頂部は見えない。幹周りは雄に6メートルから7メートル位はありそう、樹高は20メートルを下らないだろう。樹齢は数百年かと思えるが神社でも不明なのか掲示は無かった。地元の団体が立てたと思える掲示板には「おじいさんの木」なる表示があった。多分、樹齢を勘案して称号を贈ったものと思われる。該当の団体でも樹齢までは解らなかった模様だ。
クスノキの側には不思議な物体が存在した。よくよく見れば古代史に出てくる修羅の模様、そういえば過去に市内で修羅が発掘されたとかの報道があったような気がする。恐らく発掘を記念してレプリカが作られたものと思われる。修羅は大昔に大木や巨石を運んだ運搬道具、いわゆるソリで昔のダンプカーといった存在だろうか。転がり摩擦を利用したかと思うが引っ張るのは人力、大変な作業だったかと思われる。
多くの参拝者は本殿にお参りしてお祓いを受けユータンされるかと思われる。少し足を伸ばして本殿裏の方に回られると、上述のようにクスノキの巨木や修羅の存在があり、叉梅林の開設もあってこれからが楽しめるかと。開花はもう少し後のようです。