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京都の闇に魅せられて(新館)

特別編・大阪歴史博物館『異界彷徨』(後編) @ 京都妖怪探訪(841)

 どうも、こんにちは。

 妖怪や神仏、呪術、怪異譚などなど。

 有史以来の人間は、この世ならざる世界や存在を、異界を想像し表現し続けてきました。

 それらをテーマにした特別展が、今年(2023年、令和5年)の4月28日から6月26日までの期間、大阪歴史博物館で開催されます。

 それが『異界彷徨‐怪異・祈り・生と死‐』です。

 シリーズ前回に引き続いて、この特別展のレポート記事を書きます。

 今回はその展示物うち、日本人の生活の中に馴染んだ呪術、日本人の信仰や死生観などが表現されたものを紹介していきたいと思います。

 なお、やはり全ての展示物について語ることはできませんので、そのうち私の独断と偏見で選んだものだけを紹介していきます。

 

 

 

 呪術に使用されたらしい道具の数々、いわゆる「呪具」や「呪物」。

 

 

 

 

 

 多種多様な呪具や呪物があります。

 

 

 

 文化元年(1804年)に描かれた「丑の刻参り」の絵。

 

 

 

 これらのものを見ると、日本人とは、というより人間とは古来より、このような呪術や呪物に頼り続けてきたのだな、と思えてきます。

 

 

 

 幾つもの蘇民将来符(そみんしょうらいふ)。

 

 

 

 

 蘇民将来の故事(※シリーズ第50回を参照)に基づいた、疫病退散のお守りです。

 

 

 

 こちらはただの張り子の虎かと思ったら・・・。

 

 

 

 これは「神農の虎」だそうです。

 文政5年に大阪でコレラが流行した際、農業と医療の神・神農を祀っていた大阪・少彦名神社で、虎の頭蓋を配合した薬と共に配られていたそうです。

 一種の疫病除け守りでしょうか。

 近年のコロナ禍とアマビエ信仰(?)だけでなく、有史以来人類は何度も何度も疫病の脅威に直面してきて、また同時にそういう呪物や神仏の力にも頼ってきた。

 そんな歴史を思い起こさせます。

 

 

 

 その他多種多様な守り袋。

 

 

 

 こうして見ますと、多くの人が普通に(?)持ち歩いているお守りも、一種の呪具や呪物でしょうね。

 端的に言えば、呪術や呪物って、現代人の生活の中にも結構馴染んでいるのかも。

 かく言う私も、『京都妖怪探訪』などと称して、妖怪伝承地や心霊スポット、曰く付きの場所などを巡っていますから、こういうお守りを常に持ち歩いております。

 

 

 

 ここからは、日本人の仏教信仰や死生観(死後の世界観)に関連したものを幾つか紹介します。

 

 

 明治版の『往生要集』に描かれた地獄・極楽。

 

 

 

 

 

 『往生要集』とは、末法思想が広まった平安時代に記された、極楽へ往生する為にはどうすべきかを記したという仏教書。

 著者は、羅刹谷の鬼女を退けた伝説(※シリーズ第494回を参照)でも有名な、比叡山の高僧・源信。

 現在にまで至る、日本人の抱く地獄・極楽のイメージを形作った書のひとつでもありますが、明治期にもこういうものが出版されていたとは。

 

 

 やはり明治期に描かれた地獄絵。

 

 

 

 

 

 先述の『往生要集』や、『日本霊異記(日本国現報善悪霊異記)』から大きな影響を受けて、日本人の地獄・極楽観は形成され、教化の為(つまり、地獄の様子を見せて、恐怖による脅しで善行や信仰を促す為に)こうした地獄絵も多数創られ、仏教寺院などに引き継がれ続けてきました。

 この地獄絵は、恐ろしい光景を描きつつも、どこかコミカルな感じもします。

 日本人が古くから抱いてきた仏教信仰や、それがもたらした地獄・極楽感は、廃仏毀釈を経てもなお、根絶やしにすることは出来なかったということでしょうか。

 

 

 

 室町時代から江戸時代あたり描かれたらしい『阿弥陀三尊来迎図』。

 

 

 

 来迎(らいごう)とは、善行を積んだ仏教者が、臨終の際に雲に乗った仏様たちに極楽浄土へと迎えられることですが、このうちに阿弥陀三尊(阿弥陀如来、観音菩薩、勢至菩薩)などがお迎えに来た様子を描いたものですね。

 仏教信者の、特に浄土宗や浄土真宗系の信者が念仏を唱え続けている究極の目的とはまさにこの為、死後に極楽浄土に迎え入れられ、六道輪廻の苦しみから解放されることなのです。

 

 

 

 他にも紹介したいものがありますが、さすがにその全てをここに書くのは無理がありますので、これくらいにしておきます。

 

 

 

 最後に。

 会場に「あなたにとっての異界とは何か?」という「異界投稿」のコーナーが。

 

 

 

 多くの来場者さんが残していったいろんな面白い投稿があったのですが、それを私が勝手に紹介していいものかとも思ったので、ここでは私の投稿だけ紹介しておきます。

 

 

 

 『京都妖怪探訪』などと称して、常日頃から「異界」と接している、それどころか常に「異界」を追い求め続けている私のような者からすれば、「異界」とはまさにこういうものです。

 これ以外の言葉は思い浮かびませんでしたね。

 そして、古来から現在に至る日本人の、人間の生活もまた、常に異界と共にあるのかもしれない。

 そんなことを考えさせられた『異界彷徨』でした。

 なお、この特別展は今月(令和5年、2023年の6月)26日まで開催されています。

 

 

 

 

 

 今回はここまで。

 また次回。

 

 

 

 

 

*『異界彷徨‐怪異・祈り・生と死‐』のHP

https://ikai-houkou.com/

 

 

 

*大阪歴史博物館のHP

http://www.mus-his.city.osaka.jp/

 

 

 

*『京都妖怪探訪』シリーズ

https://kyotoyokai.jp/

 

 

 

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