京都の闇に魅せられて(新館)

“東山聖天”香雪院 @ 京都妖怪探訪(577)





(記事中の写真はクリックで拡大します。プライバシー保護等の為、人の顔部分に修正を加えていることがあります)


 どうも、こんにちは。
 もう10月になってしまいましたが、京都の妖怪伝道師・葛城氏が主催された、京都東山魔界巡りツアーのネタや写真等も残っておりますので。
 シリーズ前回と同じく今回も、公式サイトも無く、京都観光のガイドブック等にもなかなか掲載されない名所を案内していただきました。
 京都・東山の住宅地の中にひっそりと建つ「東山聖天(ひがしやましょうてん)」とも呼ばれる「香雪院(こうせついん)」です。


 シリーズ前回で紹介しました、“ウナギ神社”三嶋神社へと続居たる交差点から。










 そこから府道116号線を挟んだ反対側、京都女子大学の建物の間の道を南へ。






 少し歩けば、道の西側に山門が見えます。








 当日、葛城氏に案内していただくまで、こういう寺院の存在すら全く知らなかったので、以下は後で調べたことになりますが。
 ここが、「東山聖天(ひがしやましょうてん)」とも言われる、「香雪院(こうせついん)」です。
 元々は天台宗の大寺院・妙法院の塔頭寺院として、寛保年間の頃に、第112代天皇・霊元天皇(れいげんてんのう)の第18皇子である尭恭親王(ぎょうきょうしんのう)によって創建されました。
 尼寺三十六所霊場の第十一番札所。
 当日葛城氏には、「歓喜天の寺」「歓喜団をもらえるお寺」との触れ込みで案内していただいたので、予備知識は全く無い状態で訪れたのですが。
 それにしても、京都女子大学の建物が並ぶ中に尼寺とは……っと思っていたら、平成18年(2006年)に逝去された前のご住職・中島湛海(なかじま・たんかい)さんも京都女子大学の卒業生だったそうです。


 山門から中へ。









 境内の一角に象の像が。





 えー。
 勿論これは、単なる駄洒落で置いてあるわけではありません。
 ここの本尊である「聖天(しょうてん)」「歓喜天(かんぎてん)」は象の頭をしているという仏様なのです。
 仏教は、特に天台宗・真言宗といった密教は、外来や他宗教の神様も数多く取り込んでおり、ヒンドゥー教のガネーシャ神が元になっている「歓喜天」もそのうちの一柱なのです。
 開基した尭恭親王(ぎょうきょうしんのう)が、妙法院の鬼門(丑寅、北東の方向)を守護する為に、持仏の歓喜天を祀ったとも考えられますが……。


 境内には弁財天堂も。





 弁財天だけでなく、弁財天に仕えるという「弁財天十五童子」というものもあったとは、ここで初めて知りましたよ。








 しかも解説を読むと、本地仏は「如来」や「菩薩」級の仏様もいるという、なかなかに凄い存在のようです。





 この弁財天も、元々はヒンドゥー教の女神・サラスヴァティー
 仏教に取り込まれた、元異境(異教)の神様の一人です。
 しかし女子大に囲まれた地に尼寺、さらにその中に女神様とは。
 この地はよほど女性に縁ある場所のようです。
 因みに、ここを訪れている私自身は、とことん女性には縁が無いようですが……まあ、それはどうでもいいことでしょうね(笑)。


 本堂にて、ご本尊に礼拝します。





 ところでご本尊・歓喜天の大好きなものが2つあるそうです。
 ひとつは大根です。





 山門などにはこのように、大根が描かれたものが。
 歓喜天の大好物のひとつが大根。より正しく言えば、歓喜天の住んでいるという「象鼻山」に生えている「蘿蔔根(らふくこん)」というものだそうです。
 「大根を絶って祈願すると願い事が叶う」とも伝えられているそうです。


 もうひとつ、歓喜天が大好きなものとして伝えられているのが、「歓喜団」「清浄歓喜団」と呼ばれるこのお菓子です。








 元は奈良時代に遣唐使が仏教と共に日本へと持ち帰ったものから始まったとされています。
 7種類のお香(白檀、桂皮、竜脳、薄荷、丁子、肉桂、胡椒)を練り込んだ餡を袋状に包んで、油で揚げた菓子です。
 歓喜天が持っているという、砂金の入った袋を象(かたど)っているからこういう袋の形になっているそうです。
 確かに、食べて見ると普通の餡菓子とはまた違う、変わった味がしました。
 ただ残念ながら、この歓喜団。
 現在でもこの製法は「問題不出の秘伝」とされ、「亀屋清水」という和菓子店でしか製造されていないので、入手が難しいのです。
 今回私が手に入れたのは、ご本尊のお下がりです。つまり、お供え物だったのを特別のご厚意で分けていただいたのです。
 勿論、感謝しながら食しましたよ。


 歓喜天に歓喜団。
 そしてあとひとつ。
 この古刹の見所がありました。
 ここはちょっとした蓮の名所でもあったのです。
 今年の蓮の開花は少し早い目だったようで、7月がちょうど境内の蓮の花が見頃だったようです。

















 来年の蓮の季節も楽しみですね。
 また、紅葉の季節はどんな光景が観られるのでしょうか。
 まだまだ京都には、このように、あまり目立たなくても面白い霊場魔所があるものだな。またひとつ、こういう名所を知って、楽しい気持ちでこの古刹を後にしました。






 今回はここまで。
 また次回。




*京都東山・香雪院へのアクセス・周辺地図についてはこちらを参照。




*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm




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