京都の闇に魅せられて(新館)

*“六角堂”頂法寺(中編) @ 京都妖怪探訪(427)





 どうも、こんにちは。
 しばらく間を開けてしまいましたが、ぼちぼちとでも再開していきたいと思います。
 シリーズ前回の続きで、いくつもの伝説が遺されている古刹、“六角堂”こと紫雲山頂法寺の境内を回りながら、面白いスポットを紹介していきます。
 今回は、親鸞堂(しんらんどう)」を中心に。



 太子沐浴の池の跡にご覧のようなお堂が建っています。





 これは2013年の春頃、夜間ライトアップされた時の写真ですが。
 これは「太子堂」または「開山堂」といい、中には聖徳太子2歳の時の姿を模した像が祀られています。
 それにしても、ここの像に限らず、聖徳太子という人は子供の姿で表現されることが多い人物ですが……。
 このため、「聖徳太子怨霊説」なども一部でささやかれています。
 「神や鬼、怨霊となった人物は、子供の姿で表現される」とか、「子供や老人には、鬼や怨霊に対峙する力がある」などの信仰もあったそうですが……。
 その真偽は、私にはわかりません。


 お堂を過ぎたら、こうした池が見えます。








 訪れたのが昨年冬の時期だったので、ご覧の通りの光景ですが、春頃には見事な藤の花が咲きます。
 以下も、2013年の春頃、夜間ライトアップされた時の写真ですが。






 その池には、十六羅漢と邪鬼の像が並んでいます。






 十六羅漢のさらに奥へ。
 「親鸞堂」という、親鸞上人の2体の像が祀られているお堂です。





 ここには、夢想している姿と、六角堂を参詣した時の草鞋(わらじ)姿の親鸞像が安置されています。
 こんな場所に何故、浄土真宗の開祖・親鸞上人の像が?
 元は比叡山の修行僧だった親鸞は29歳の時、密かに比叡山を下り、ここ六角堂で百日参籠しました。その95日目、夢の中で如意輪観音菩薩から「法然の元へ行け」とお告げを受けます。それから六角堂から法然上人の元へ通い、それからさらに2年後、再び如意輪観音から次のようなお告げを受けます。

「行者宿報設女犯・我成玉女身被犯・一生之間能荘厳・臨終引導生極楽」

 これはどういう意味かと言いますと、「あなたが女犯(女性との交わり)をしても、私が女の姿となって肉体の交わりを授けましょう。そしてあなたの一生を立派に飾り、あなたを極楽往生に導きましょう」という意味です。
 それまで僧侶には、妻帯や異性と肉体的に交わることが禁止されていましたが、これはそれをも肯定するというものです。
 「そんな都合の良すぎる教えやお告げがあるか」などという批判や突っ込みもあるかもしれませんが、「人間が本能として持つ欲望や煩悩を完全否定することなく、信仰をし、往生を目指す」という浄土真宗独自の教えをも表しているのです。

 なお、「善人なおもって往生を遂ぐ、いわんや悪人をや(善人でさえ救われるのだから、悪人はなおさら救われる)」という浄土真宗の「悪人正機説」について。
 この説は誤解を受けることも多いのですが、実家が代々浄土真宗の門徒である私から説明させていただきますと、決して積極的に悪を肯定・推奨しているわけではないのです。
 ただ、人間の持つ欲望や煩悩などの悪は、どんなに否定しても、否定しきれるものではない。それを完全に否定できるというのは、人間の持つ一種の傲慢ですらある。ここで言う「悪人」とは、「どんなに頑張っても、自分の中にある悪の部分を否定できない」という自覚と諦観を持ち、それでも救い(往生)を求める人のことです。ここで言う「善人」とは、その自覚のない人のことです。
 さらに同じく誤解を受けることも多い「他力本願」という言葉ですが、これは元々「自分では何もせず、他人任せにする」というものではありません。「人間の悪はどんなに否定しても否定しきれるものではない」のだから、「自力で悪を完全に否定・克服できる」という傲慢さを捨て、自分の悪や罪、許しも救いをも全て阿弥陀仏に委ねる、これを「他力本願」というのです。






 境内散策に話を戻しましょう。
 「親鸞堂」よりさらに奥へと進みます。


 奥にこんな仏像が。





 失礼な言い方かもしれませんが、あまり仏様らしくない顔をした仏像です。
 よく言えば、妙に人間味のあるリアルな、「こういう顔の人って、実際に居そうだな」と思わせる顔立ちと表情をしています。
 どなたか、モデルになった方でもおられるのでしょうか。
 この仏像については……結局、よくわからないままでしたが、気になりましたので、ここにあげておきます。


 そしてさらに奥。
 「日陰稲荷」「祇園社」「天満宮」「唐崎社」といった神様たちが祀られています。





 仏教寺院の境内に神道の神様が祀られているのも、神仏習合の国・日本らしいといえますが、この中に「唐崎社」こと唐崎明神といえば。
 シリーズ前回でも触れましたが、聖徳太子がこの寺を交流しようとした際に老人の姿で現れ、「紫の雲の場所に立つ杉の霊木を使いなさい」と助言したのが、唐崎明神です。
 現在でも、境内に鎮守社として祀られています。


 ……っと。
 もう少し紹介したいスポットがあるのですが、記事がそこそこの長さになりましたので、今回は一旦ここで切ります。
 それでは今回はここまで。
 この続きはまた次回。




*“六角堂頂法寺”へのアクセス・周辺地図はこちら




*頂法寺のHP
http://www.ikenobo.jp/rokkakudo/




*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm





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