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どうも、こんにちは。
今年(2021年、令和3年)の『霊場魔所の梅花』シリーズ、あと1回だけ記事を書きます。
その最終記事、第6回目は、菅原道真が太宰府に流された時に、主を追って太宰府まで飛んだという伝承のある「飛梅(とびうめ)」を紹介します。
この管大臣社の飛梅、私のお気に入り梅スポットのひとつであり、ほぼ毎年『霊場魔所の梅花』シリーズで記事にしています(※シリーズ第399回や第681回など)。
今年もどうしても観たくなり、またどうしても外したくなかったので、訪れました。
まずはいつもの通り交通アクセスの案内から。
最寄りの交通機関は、西門に面した西洞院(にしのとういん)通りにある京都市営バス「西洞院仏光寺」停留所ですが。
また、ここは京都市の中心部、四条烏丸の近くなので、この他にも阪急電車「烏丸」駅、京都市営地下鉄「四条」駅や「五条」駅、京都市営バス
「四条烏丸」停留所などがあります。
さらにこの周辺には、今まで本シリーズでも紹介してきた霊場魔所が幾つもあります。
祇園祭の山鉾のひとつ「郭去山(かっきょやま)」(※シリーズ第365回参照)がある会所とか。
怪死を遂げた女性の伝承が残る班女塚と繁昌神社(※シリーズ第347回を参照)とか。
かつて平将門が首を晒されたという神田明神、膏薬図子(こうやくずし)とか(※シリーズ第114回参照)。
四条烏丸は多くのオフィスビルや商業施設などが並ぶ京都市の中心街ともいうべき地域ですが、このような霊場魔所が他にも幾つもあったりして、非常に面白い場所です。
前置きが長くなってしまいましたが、今回は西洞院通りに面した西門から入ります。
西門脇には白い椿の花も。
まっすぐ本殿へのびる参道の脇にも梅の花が。
ここ管大臣社は、創建年代は不明だそうですが、菅原道真・生誕の地ともされ、境内奥には「道真・産湯の井戸」というものもあります。
もっとも、道真・生誕の地とされる場所は、他にも「菅原院天満宮(※シリーズ第38回など参照)」や、「吉祥院天満宮(※シリーズ第541回参照」などがありますが、一体どれが本当の生誕地なのか、今ではわからなくなっています。
もっとも、わからないならば、それはそれで面白いかとも思いますが(笑)。
本殿へ。
向かって左側の狛犬の後ろに立つのが、伝説の「飛梅」です。
向かって右側の唐獅子は咲くのも散るのも早く、特に今年は飛梅が咲く前にはほぼ散ってしまいました。
その為、この梅の写真は、飛梅がまだ咲ききらない頃にも訪れて撮りました。
この時はまだ満開にはなっていませんでしたが、予想したとおり散るのも早く、その次に訪れた頃にはほぼ散っていました・・・。
この唐獅子の辺りには、梅以外の花も。
本殿へ礼拝。
本殿前にも梅の花が。
本堂横の境内社には猫の姿も。
この辺りをねぐらにしている猫でしょうか。
だいぶ以前、神社関係の動画で「境内で動物に出会う」というのは、そこの神社の神様に歓迎されているサインだという話を聴いたことがあります。
昨年訪れた時と同じく、「これはきっと、ここの神様が私を歓迎してくださっている印に違いない」という、自分に都合良すぎる解釈をしています(笑)。
本殿に礼拝後は、鳥居の横に立つ「飛梅」の木を観ます。
「区民誇りの木」という札も付いています。
ここで過去記事のおさらいになりますが、この「飛梅」の伝説についての話をします。
菅原道真が藤原時平らの謀略によって太宰府へ飛ばされる時のこと。
屋敷の庭木のうち、日頃から特に愛でてきた梅の木・桜の木・松の木との別れを惜しみました。
そのときに梅の木について、次のような歌を読みました。
「東風(こち)吹かば にほひをこせよ 梅花(うめのはな) 主なしとて 春な忘るな」
あるいは、
「東風ふかば にほひをこせよ 梅の花 あるじなしとて 春なわすれそ
現代語に訳すますと「梅の木よ。主(私)がいなくなっても、春が来るたび忘れること無く、芳しい花を咲かせておくれ」という意味になるそうです。
3本の木のうち、桜の木は悲しみのあまりみるみるうちに葉を落とし、ついに枯れてしまいました。
松の木は、道真の後を追おうと空を飛びましたが、摂津国八部郡板宿(現在の兵庫県神戸市須磨区板宿町)辺りで力尽きて、その地に根を降ろします。その地は後に「飛松岡」と呼ばれるようになります。
梅の木は、その日のうちに道真の居る太宰府へ降り立ち、その地に根を下ろしたと伝えられています。
その梅が、ここ「菅大臣社」にあるこの梅の木だそうです。
太宰府天満宮に、飛んでいった方の梅が御神木として祀られているそうです。
こんな美しくも不思議な伝説に語られている梅の木は、本シリーズの「霊場魔所の梅花」でとりあげるにふさわしい梅だと思います。
さらにいろんな角度から飛梅を眺めてみます。
鳥居の表に回って眺めてみます。
この飛梅の花と、鳥居や石灯籠との組み合わせが私は大好きで、それを観て、撮る為に私は毎年この古社を訪れているのです。
さすがに一本の梅の木が千年以上も生き続けているなどということは無いでしょうが。
その子孫の木が、かつて「私がいなくなっても、春が来るたび忘れること無く、芳しい花を咲かせておくれ」という主の言いつけを今もなお忠実に守り、毎年花を咲かせ続けいる。
そう考えると、非常に感慨深いものがあります。
また来年も。
今回はここまで。
また次回。
*京都・管大臣社へのアクセス、及び周辺地図はこちら。
*『京都妖怪探訪』シリーズ
https://kyotoyokai.jp/
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