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どうも、こんにちは。
今年の『霊場魔所の紅葉』シリーズ、第13弾。
今回は、大蛇伝説、蟹の恩返し伝説が遺る、京都・宇治の古刹・三室戸寺の雨と紅葉の光景をお届けします。
まずはいつもの通りアクセスから。
京阪電車「三室戸」駅から。
そこから住宅街の中を突っ切って行きます。
しばらく歩くと、入り口が見えてきます。
入り口にある「蛇体橋」。
橋のかかっている川の名前が「戦川」。凄い名前ですが……。
さて、この「蛇体橋」には、大蛇と、「蟹の恩返し」の伝説が遺されています。
シリーズ第503回のおさらいになりますが、その伝説のあらすじは以下の通り。
昔、山城の綺田(かばた)村に、三室戸の観音さまを信仰している心のやさしい娘が居ました。
ある時娘は、村人が蟹を殺そうとしているところに出くわし、「持っている魚の干物を差し上げますので」と蟹を助けてもらいます。
またある日のこと、その娘の父親は、蛇が蛙を呑み込もうとしているところに出くわし、「私の娘をやるから蛙を放してあげなさい」と言って、蛙を助けてもらいます
(ここで思うのですが……この父親は、蛙一匹助けてもらう為に自分の娘を差し出す約束をするとは、この父親は何を考えているのだ、と突っ込みたくなりますが)。
その夜、その時の蛇が美男子に姿を変えて父娘のところに現れ、「約束通り娘をもらいに来た」と言いました。父親は「3日後に来て欲しい」と言い逃れをします。
3日後、娘は戸を完全に閉め切って、三室戸の観音さまに必死に祈り続けていました。蛇は待ちきれずに怒り狂い、人の姿から元の姿に戻ると、戸を破って中へ入ろうとします。娘は観音さまに助けを求めると、どこからか無数の蟹が現れ、はさみをたてて蛇を退治してしまいました。
翌日、娘は三室戸寺の観音さまにお礼参りに行きますが、途中で雨が降り出し、三室戸寺に着く頃には土砂降りになっていました。
そして参道の橋の上に、あの蛇が横たわっていました。が、蛇は娘を悲しそうな表情で見つめただけで、橋の裏側へと姿を消しました。
それ以来、雨の日には蛇の影が見えるようになり、この橋は「蛇体橋」と呼ばれるようになったという話です。
三室戸寺の観音様の功徳を伝えた話だと思いますが、私はむしろ蛇がかわいそうに思えてくるのですが。
そもそもこの親父さん、なんで「娘をやる」などという無茶苦茶な約束をするんや、とか突っ込みを入れたくなりますが。
それはそうと、今回あえて雨の日に訪れたのが、この言い伝えの通り「蛇体橋」に蛇の影が見えるかどうかを確かめたかったからです。
で、橋の周りを探してみます。
おーい、蛇さーん。居られますか?
おーい。蛇さーん。
居られましたら、お姿を見せてくださーい。
うーん。
蛇さんの姿が見当たりません。
伝説は伝説に過ぎなかったのか。
或いは蛇さん、あんな酷い騙され方をして、完全な人間不信になって隠れてしまったか、引きこもってしまったのでしょうか。
今回は仕方がありませんので、先へと進みます。
いつかお姿を見せていただきたいものです。
入り口受付で拝観料を支払って中へ。
山門からさらに中へ。
本堂へと続く石段を上がります。
石段の途中からも紅葉風景を振り返ってみます。
石段を上がって本堂の方へ。
この人面蛇体の姿をしたのは、「宇賀神」の像です。
先述の「大蛇」と「蟹の恩返し」の伝説には後日談があります。
大蛇の霊を供養するために娘は、宇賀神の木象を奉納しました。
その象は非公開だそうですが、寺ではその象に似せた大きな石像を新設したそうです。
それが、この像です。
蛇の尾には金運、翁のひげには健康長寿の御利益があるそうです。
今回は宇賀神像の周辺も紅葉に彩られています。
今回はここまで。
また次回、引き続き三室戸寺の雨と紅葉の光景をお届けします。
*三室戸寺へのアクセス・周辺地図はこちら。
*三室戸寺のHP
http://www.mimurotoji.com/index.php
*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
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