あわら病院ブログ

国立病院機構あわら病院のブログです。
重症心身障がい、神経・血液・免疫等の難病、老年を専門として頑張っています。

さくらと秋

2019-10-31 17:56:54 | <きたがたレポート>
 
当地では時雨の季節が始まり、急に晩秋の雰囲気が出てきました。たくさんの桜の木が植えられているあわら病院でも、紅葉がみられ、すでにほとんど散ってしまった木もみられます。「桜紅葉」は秋の季語にもなっているそうですが、単色のカエデやイチョウと違い、桜の紅葉は赤~オレンジ~黄色のグラデーションを示すため印象が薄く、主役になるには力不足かもしれません。しかし、1枚1枚の葉が違った色彩の個性を出しているので、秋の桜並木の観察は目を楽しませてくれます。
 
 
 
さて、冷たい雨により濡れそぼちた桜の落ち葉の上を歩くと、「クマリンの匂い」がします。クマリンとは何かというところですが、桜の葉に多く含まれている香り成分の一種です。桜餅の匂いといった方がよいでしょうか。あの塩漬けにした葉っぱの匂いです。匂いは記憶と直結しますが、私の中では、この匂いはもともと早春ー屋内に結び付く記憶でしたが、今では晩秋ー屋外での体験が加わっています。晩秋を感じさせる香りで、そして秋に春を思い出させる匂いでもあります。
 
 
時雨にて香る桜の落ち葉、晩秋もまた楽しい季節です。
 
(院長)#春夏秋冬