「雪崩(なだれ)とは、斜面上に降り積もった雪が重力の作用により、早い速度で移動する自然現象である。」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
G7の後の怒涛のドル安、去年12月から今年の春にかけて続いた急激なNZ安、今年の5月から6月にかけての日経平均株価の3,500円もの暴落・・・。
こんなはずじゃない、いつか反転すると、かすかな期待を胸に耐えに耐えていた人が恐怖の中ついに白旗をあげ、退場を決意してすべてのポジションを手仕舞うと、そこが大底となり、やがて反転する。
相場には血の匂いが付きものだ。
自分は頭がいいとうぬぼれている者ほど危ない。
G7で世界経済の不均衡是正の声明が出ただけで、どうしてこんなにドル高になるんだ、おかしい、すぐ反転するに違いない。
ニュージーランドの経済が多少減速しているにしても、まだ、政策金利が下がっているわけではない。こんなにNZドルが下げ続けるのは、相場が間違っている。
米国が0.25%金利を上げる上げないで、どうしてこんなに日本の株式相場が暴落するんだ。NYダウより下げ幅が大きいなんてふざけている。
理屈を言えば、本当にその通り。でも、雪崩相場に理屈はない。理屈を超えているからこそ、恐怖となる。
FXでいえば、スワップポイントがもらえ、金利が上がると予想される通貨は買いやすい。
株式でいえば、今後、景気回復が見込まれれば、みんな、株を買う。
もちろん、売りをする人もいるけれど、やはり少数派になる。
時間の経過とともに、徐々に雪が積もるように、「買い」のポジションが積もっていく。
そして、買いやすい通貨は本来の実力以上に高くなる。株価も適正水準以上に暴騰していく。
やがて、ある日、何かのきっかけで恐怖の雪崩相場が始まるのだ。
雪崩相場の初期は大したことはない。多くの人はすぐ収まると思って傍観している。
でも、相場感がある人は早々と逃げ出すか、あるいは、雪崩と同じ方向にポジションを立てる。それが雪崩を大きくする。
雪崩が少しずつ大きくなり始めると、逃げ出す人も多くなり、雪崩は加速度を増していく。
やがて、雪崩に巻き込まれた人が損切りでポジションを手仕舞う頃になると、雪崩はもはや手が付けられない状態になる。そして、こんなはずはないと耐えに耐えている人が恐怖ですべてを投げ出すと、そこで雪崩は止まる。
全て崩落すれば、雪崩は止まるものだ。それが自然の理だ。
マスコミは「G7の共同声明で世界の不均衡が取り上げられ、ドル暴落がとりざたされ・・・」などと、もっともらしい理由をあげるが、それは雪崩のきっかけにすぎない。
本当の原因は、積み上がった買いのポジションなのだ。
斜面に降り積もった雪が雪崩を起こすように。
だから、G7の後、雪崩相場が起こっていなかったとしても、おそらく、米国利上げ休止で同じような雪崩相場が起こったのではないかと思う。
雪崩相場が起こる下地があれば、きっかけは何でもいいのだ。
キャリートレードで円安が続けば、いつか、また、恐怖の雪崩相場が起きる日があるはずだ。
その証拠に、ドル円の週足をみるとよい。いくつかの恐怖の雪崩相場がすぐ見つかるだろう。
恐怖の雪崩相場が起きたら、理屈で立ち向かってはいけない。逆張りなどもってのほか。
いち早く逃げて、息をひそめて雪崩が終わるのを待つか、あるいは、勇気を持って、雪崩と同じ方向にポジションを持つか。
短い相場経験の中で私が得た結論。自戒を込めて。
ランキング雪崩が怖いよう~(>_<)