ワイドショーがTVで始まったばかり頃のことです。
近所のご隠居さんが銀行で下したお金を、取られてしまったのです。
擦られたか、ひったくられたか、TVは大騒ぎでご隠居さんのお宅に来たり
近所に来たりしていました。我が家を始めみんな案外しーんとしていました。
まるでご隠居さんが、一人暮らしで不自由な生活をしているように報道されていました。
近所は職人さんや、近くの小さな会社に勤めている人が多かったのです。
ご隠居さんは、息子さんが一流の会社に勤めていましたし、銀行員の息子さんも
いました。私が育った土地では、恵まれたお宅でした。
ご隠居さんもTVの取材の迫力に戸惑っていつもの威厳が無くなっていました。
まるで生活費がなくなって困るんじゃないかと言うような、報道でした。
そのころ近所はみんな郵便局にお金を預けていました。銀行に行く人は
私の知る限りいませんでした。
変だねおかしいね、で終わりましたが引きずり出されたご隠居さんは御気の毒でした。
いま私たちは、ワイドショーをみて作りもんだ、しゃべり過ぎの発見者は怪しいな
なんて何十年も見ていると年の功で分かってしまいます。
顔にシーツが掛けてあった、殺人事件犯人は身内だ!なんてね。
TVががお友達の時代はもうとっくに終わりました。
私はTVに向かって、うるさいな、大切なことを話し合わないでつまらんことで
時間をつぶすなっ!と叫んでいます。
でも結婚したばかりは、お料理番組で、江上トミ先生、田村魚菜先生、柳原先生、土井先生
の番組でお世話になりました。柳原先生はお米の研ぎ方を丁寧に教えてくださって
有難かったです。