もののけの町を滅ぼす一ひらの銀のナイフをわれははなたむ 揺之
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吾が心明かき月夜の野をまよひ去り行く人のおもかげをおふ
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窓辺にて月を浴みつつ君思ひ眠れぬ夜にため息をつむ
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こひに泣く我が身あはれと身を照らす月さへうらむ秋の長き夜
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かたこひの長きうれひをしのびつつ小窓によりて見る夜半の月
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草笛を吹きつつ風にたよりせむ野に君を待つひとりのゆふべ
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浅茅生の野辺にすわりて草をかみ人待ち顔に見る昼の月
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こひにやみ人を恨みてなす歌を破り捨てては闇夜に泣けり
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この空は神のすみかか雲なびき透くほど白きことばを放つ
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この世をばあさき夢とぞいひつつもこの世の花のげに美しき
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あかしあの花をちぎりてかたこひの恨みに泣きしとほき思ひ出
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