Keep Your Stick on the Ice!

カナダで出会った生きている英語

I want to come!

2007年04月11日 | Weblog
 今週の金曜日、親しい仲間8人が日本料理屋の一室に集まって僕の送別会をやってくれるという話になっているが、Julieが行かれなくなったということで、Christianが怒っていた。2人の会話を聞いていたら、Julieは"I want to come!"と言っていた。そのお座敷は僕らの職場からはるかかなたにあるというのに、なぜ"I want to go!"じゃなくて"I want to come!"なのか。単純に"come"は「来る」で"go"は「行く」と思っているから、その会話が不思議に思えるだけで、実は英語の"come"と"go"は奥が深いのだ。そんなことを再認識された。「ある目的地に行く」ことは"come"で言い表される。僕の辞書を見てみると、目的に向かって動くことを意味し、"go"よりも到達の意志が強いというような説明が添えられていた。Julieは単に僕の送別会に顔を出してくれるわけではなく、別れを惜しんでくれているのだ。"I may show up."とも言っていたが、"I want to come!"でも、じゅうぶん嬉しい言葉である。

Is that for here or to go?

2007年04月10日 | Weblog
 Winnipeg、Saskatoon、ReginaとPrairiesの主要都市を車で回ってからはるか東へ、Thunder Bayまでやって来た。Superior湖畔に位置し、米国と対峙するここは、カナダ国民の英雄ともいわれるTerry Foxが、カナダ横断マラソンを断念せざるをえなくなった地としても知られている。例によってそこのMcDonald'sに入り、オーダーを済ませると、カウンターのお姉さんは"Is that for here or to go?"と聞いてくる。今日はその一語一語が妙にクリアに耳に入ってきた。カナダに来たばかりの頃は"here"と"go"以外は何を言っているのか分からなかったが、意味は推測できるので何の問題もなかった。いつの間にか、こういう表現まで聴き取れるようになっていたということは、僕の聞き取り能力が上がったということを示しているのだろうか。もしそうならば、全く嬉しいことである。なぜ聴き取れなかったかというと、この英文は日本で教えられる正しい英語からはちょっとずれているからかもしれない。前置詞の後には必ず名詞か代名詞がくるとESLでJeanが耳にたこができるほど強調していたが、"for here"はいかがなものか。"here"は確かに副詞だけでなく、名詞としても使われるらしいが、この場合はどちらだろう。英文法に疎いChristianに聞いてみると、もちろん「そんなことは知らん」との回答だった。彼にとってもこの表現はまともな英語に聞こえないようだが、そうとはいえ、広く一般に使われる表現であることは事実らしい。"Is that to go?"は、"Is that for takeout?"の方が日本人には分かり易いが、聞いたことがない。"Is that for here or to go?"はMcDonald'sのマニュアルにでも書かれているのだろう。

Arrive alive.

2007年04月09日 | Weblog
 きのう一昨日とManitoba州からSaskatchewan州を独りでドライブした。Canadian Prairiesと呼ばれるこの辺りはカナダの大穀倉地帯である。みんなが口を揃えて「何もない」と言うが、そんなことはない。天気に恵まれ、地平線から昇る太陽など、感動の連続だった。今日はWinnipegから東へ、Ontario州のThunder Bayまでやって来たが、州境に近づくと風景ががらりと変わる。Ontario州側はLake of the Woodsと呼ばれる無数の湖が点在する、道を敷くのが大変でかつてはカヌーで行き来していたような一帯である。そこで"Arrive alive."と書かれた標識を見つけた。例によってrhymeであるが、alliterationでもある。いやいやそれどころか、これは日本人をばかにしたようななかなか楽しい標語だ。カタカナで表記すれば「アライヴ・アライヴ」で全く同じ。僕は読んだから区別できたが、言われていたら、全く何のことだか理解できなかったことだろう。"l"と"r"は発音する時に区別はできても、聴き取るのは僕には事実上不可能だ。それで困ったことなどないが、これはいい例外になるかもしれない。

You're getting on my nerves!

2007年04月08日 | Weblog
 僕の職場でChristianとAndrewは席を並べ、どっちが先にちょっかいを出すのか知らないが、二人はしばしば仲良くやり合っている。このちょっかいを出すことを二人は"bug"すると言い表しているが、"pick on"とも言える。英語を勉強する上で、"pick on"されることは僕にとっては非常にありがたいことなのだが、ここに来た第一の目的は、カナダ人と親交を深めるためではなく、英語を勉強するためでもなく、生物学の研究者として仕事をすることにある。突然、椅子を蹴られたりすれば、"Don't bug me."とか"Don't pick on me."と返すのだが、本当に迷惑な時はAnneに教えてもらった"You're getting on my nerves!"を使う。日本語の「神経に障る」となんか似ていて不思議に思える。Christian本人に教えてもらった"Beat it!"も使える。交換に教えてあげた「来るな!」は彼のお気に入りの日本語の一つなのだが、こういった類いの表現は使える状況がほとんどなくてかわいそうだ。そこで逆に考えると、彼は僕にこういう喧嘩じみた表現を使うチャンスをも提供してくれているのかもしれない、などとも思わされる。

I get a kick out of paddling.

2007年04月07日 | Weblog
 ボートなどのoarはrowするが、カヌーなどのpaddleにはrowという動詞は使われず、paddleするという。かつてはインディアンたちが行き来していたカナダの森の中の湖で、このカヌーを漕ぐという体験は、カナダならではの興奮があり、カナダ人の多くにとっても短い夏の楽しみの一つである。僕も何度となくカヌーを漕ぎ、去年の夏の終わりにAlgonquin州立公園で5日を過ごし、70km以上も旅をしたカヌー・キャンプは忘れられない思い出である。そんなことは"I get a kick out of paddling."と表現される。Anneが教えてくれた「ぞくぞくする」という表現であるが、普通、動詞として使われるkickには口語で「興奮」という意味がある。"blast"と同様、不定冠詞がつく。似た表現で"I got kicked out of the team."としてしまうと、「追い出された」という意味になるので、使う際には、また聴き取る際にはちょっと注意が必要である。

He struck him out.

2007年04月06日 | Weblog
 ついにRed Sox松坂のMLB初登板である。Christianは約US$80を払って、今シーズン全ての試合をインターネットで観戦できるようにしているから、午後2時の試合開始でも全く問題ない。しかも僕らの職場はそんなことをしていても怒られるようなこともないからすごい。僕は途中からのぞかせてもらったが、"Get a strikeout!"と言うと、彼は"Strike him out!"と言っていた。そして見事、三振に打ち取った。次に彼が言ったのは"He struck him out!"である。これが「三振にとる」という意味の表現らしい。松坂は1発のホームランを含め、6本のヒットを許したものの7回を1失点に抑えた。そして10奪三振というなかなかのできだ。野球用語は意外と日本語との相違が多くて戸惑うことしばしばである。Christianが"One run."と言っていたが、これは松坂の1失点を指している。そんなわけで、英語が得意だからといっても野球となればまた話が別である。ソフトボールをやっていて、"on deck"とか"in the hole"など、「なんだそれは?」というような言葉も飛び交い、けっこう覚えたりしたが、シーズンオフを経てすっかり忘れてしまっていることに気が付いた。僕もUS$80をMLBに払って契約しようかなと思わされる。

I'm peachy.

2007年04月05日 | Weblog
 そろそろカナダに来て3年になるが、人と顔を合わせれば"How are you?"などといった表現が考えもせずに口から出てくる。これから日本で暮らすと、こんな習慣もすぐに忘れ去ってしまうのだろうか。それとも習慣が抜けずに、挨拶の度に人の様子をうかがう口うるさいおじさんと思われてしまうだろうか。英会話学校なんかでは"How are you?"の後には、気の利いた、もっとバラエティーに富む表現を使うよう促されるが、実際には決まり切った挨拶しか交わされないが普通である。しかし先日、Richardが"I'm peachy."なんて言っていた。"peachy"なんて日本人からすると若い女の子をイメージするような単語で、40歳ほどと思われるRichardが使ったことに日本人である僕は違和感を感じたが、これは単に「元気だ」程度の意味であると思われる。いろいろ調べてみると、「すこぶる調子がいい」ような状態から「まあまあいい」程度まで使えるようだが、ちょっと風邪気味の時にChristianに"I'm peachy."と答えてみたら、同意してくれなかったので、"I'm fine."よりも元気な時に使うべき表現なのだろう。

I am terribly sorry about the inconvenience.

2007年04月04日 | Weblog
 Beverlyに渡したDNAのサンプルが、装置の何らかの問題でうまく処理されなかったらしく、再度そのサンプルを用意してくれるよう彼女から電子メールが届いた。そこに書かれていた一文が"I am terribly sorry about the inconvenience."で、この"terribly"なんていう副詞を使うと、謝る際の表現をちょっとばかり強調できたり、ヴァリエーションを持たせたりできそうである。では他にどのような副詞が使えるのか。こういう場合、検索エンジンのサポートしているワイルドカードが便利である。検索エンジンの仕様にも依るが、例えばdouble quotesを含めて"I am * sorry"で検索してみると、so, very, really, dreadfully, sincerely, deeply, truly, heartfully, horribly, awfully, profoundly, desperately, heartily, exceedingly, genuinelyなどなどいくらでも出てくる。これらがネイティヴにより使われる自然な英語であるか、使用頻度はどれほどかなど、もっと丁寧に調べる必要はあるが。それから、"I am soooo sorry."などという言い方がたくさん出てきた。"so"の後に続く"o"の数はまちまちであり、こんな単語はもちろん辞書に出ていないが、言い方次第でこちらの申し訳なさを伝えることができるのだろう。

It’s truly wonderful, n’est-ce pas?

2007年04月03日 | Weblog
 Adamから送られて来た電子メールの中に、見慣れぬ綴りがあったので、近くにいたLarsに聞いてみたら、それはフランス語で"Right?"という意味だと教えてくれた。多少でもフランス語を知っているとこんなことも分かるのかと羨ましくも思う。大学ではドイツ語を2年間、そこそこまじめに勉強したつもりであるが、カナダに来るんだったらフランス語を勉強しておいたら良かったかもしれない。周りにいるカナダ人は、フランス語を全くしゃべれないが、学校で習うからけっこう知っているし、それに読める。日本人の英語とどうも同じである。さて、その"N'est-ce pas?"は僕の英語の辞書にも出ているので、もはや英語である。僕は聞いたことがないが、まれに使う人もいるとChristianは言っていた。カナダ人がよく、話している最中に相手の同意を求める時の"Right?"の代わりに使えるわけで、日本語読みで「ネスパ?」と言えばいい。当のAdamはそのメールの中ではスペリングを間違えており、英語と比べかなり不規則な綴りをとるフランス語が垣間見える。

He's crazy as a loon.

2007年04月02日 | Weblog
 米国とカナダが良く似ていることはカナダ人以外の万人の承知するところだが、流通しているコインも、ヨーロッパのように通貨統合されているわけでもないのにそっくりで、愛称まで同じである。1セント硬貨はpenny、5セントはnickel、10セントはdime、25セントはquarter、めったに見かけない50セントはhalfというように。日常生活でもけっこう使われるので、覚えておく必要がある。今では両国でまたしても似たような$1硬貨が出回っているが、いち早く鋳造したカナダは、その愛称を"loonie"とした。日本語に訳せば「頭の変なやつ」である。その硬貨にはloonという、カナダのアウトドアを象徴する鳥、日本語ではアビ、が描かれている。Anneがその鳴き声を真似て、いかにおかしな声を出すかを教えてくれたが、"loonie"とはそこからきているらしく、"He's crazy as a loon."という言い回しさえある。実際、カナダでカヌーを漕いでいるとloonのつがいに遭うことがある。近づくと、潜水の上手な彼らは水中に潜り、1分ぐらいしてちょっと離れたところから姿を現す。夜、焚火の音以外何も聞こえない静かな森の中、彼らはしばしば例の狂ったような声を上げるが、今の僕にはなんとも美しい叫び声である。寝袋に潜ってテントの中でぐっすりと眠っていても、オオカミの遠吠えとともにその美しい響きが聞こえてくる。

You're a hick.

2007年04月01日 | Weblog
 New Yorkで電車に乗っている時、Hicksvilleという駅に着いた。そうしたらChristianが驚いて、かつ子供のように喜んで「写真を撮れ!」と僕に命令する。そのHicksvilleという駅名をカメラに収めろということだ。すでに列車は動き出していて、あまりいい写真が撮れなかったのが残念だが、"hicksville"とは「田舎」を表す俗語らしい。そして実際にHicksvilleという地名がNew York近郊にあることを突然知り、彼は無性に受けていたわけだ。これはずいぶんと前の話だが、最近彼は「田舎者」という日本語を覚えて、日本人に会う度に"Anata wa inaka-mono!"と言いまくっている。おかしいことに、多くの日本人がこの"inaka-mono"という単語に敏感に反応する。これに対応する英語として"hick"という北米の俗語があるが、辞書を見ると形容詞と名詞となっている。どう使ってもいいのかと思って、"You're hick."と彼に言ったら、"You're a hick."と直された。こういう場合、彼らは不定冠詞"a"を「エイ」と発音する。つまり"hick"は名詞らしい。英文法を全く理解していない彼にいろいろ聞いてみると、どうも人が主語の場合は名詞として使われ、行動が主語の場合は形容詞として使われるようだ。そんなことまでは辞書に書かれていない。

Are you in line?

2007年03月31日 | Weblog
 現金を引き出そうとATMの前で並んでいると、"Are you in line?"とよく聞かれる。並んでいるのかどうかを尋ねる表現で、もちろん違った場面でも使われる。最後の"line"ははっきりと聞こえるのだが、直前の前置詞は最初はよく聞き取れず、また冠詞があるのかどうかもはっきりしなかったが、今では"in line"と聴き取れるようになった。「整列して」と辞書に出ている。日本でも「並んでいるんですか?」や「最後尾ですか?」と尋ねられることがないわけではないが、頻度は低い。それに関して、2年ほど日本に住んだことのあるJulieが面白いことを言っていた。こっちでは他人との距離をある程度保つが、日本では電車の中でもいろいろな場所で、赤の他人との距離が短いというのだ。日本でATMの前で並んでいると、すぐ後ろにぴたりと人に並ばれて、最初はかなりの不快感を感じたという。カナダでは列がすかすかで、列を成しているのかどうかよく分からない状況があり、"Are you in line?"が飛び交う。3年もカナダに住んでいれば、日本に帰るとそんな逆のculture shockを受けるはずだとJulieに言われたが、果たしてどうだろう。

Of course, said the horse.

2007年03月30日 | Weblog
 背後でJulieがしゃべっているのを聞いていたら、"Of course, said the horse."と言っているのが耳に入った。「もちろん」というような意味で使っていたから、"Of course."の強調であろうか。例によって"course"と"horse"がrhymeになっているのは容易に想像がつくから、特別な言い回しだろう。後で彼女に直接聞いてみたら、"Of course."の代わりに使えるとのこと。しかし、由来はよく分からないと言っていた。これも一種のstylish Englishだろう。僕らの会話を聞いていたChristianは、「そんなのは使ったことがない」と言っていたが。

Are you racking your brains?

2007年03月29日 | Weblog
 火曜日は最後のESLだった。実はまだまだ授業は残っているのだが、これで最後と決めていたので、1年半ほどお世話になったAnneにも挨拶をすませてきた。けっきょく全授業の半分も出席しなかったが、それもESLに出たからといって英語が上達するわけではないことをもうよく分かっているからだ。やはり生活の中で、そして仕事の中で、実際に英語を使って、みんなと積極的に会話をし、訓練を積まなければなかなかスムーズに口から英語が出るようにはならない。それでもAnneの授業からはいろいろなことを教わった。その最後の授業ではこんな文が出てきた。"Yeah, but now I'm racking my brains trying to figure out how I'm going to make ends meet." 最後の部分に出てくる"make ends meet"は受験でよく出題されるイディオムなので、みんな知っているだろう。"rack one's brains"は「脳みそをしぼる」ということ。脳は一つしかないのになぜ複数形なのかと当然のように質問が出たが、Anneは「確かにおかしいように思えるが複数形で使うのが普通」と答えていた。そして翌日、論文を執筆中で頭を抱えていたChristianにさっそく使ってみた。"Are you racking your brains?" 動詞としての"rack"はあまり見かけないが、このまま覚えておくといい。

In honour of their departure we'll be holding ...

2007年03月28日 | Weblog
 年度末の3月は日本では送別会のシーズンだが、こちらでは6月末に相当するだろうか。3月から4月への移り変わりは、北米では特に大きな事はないが、周りの日本人を見ていると、やはりこの時期の移動は多い。そんなわけで、今週だけで3回もの送別会に出席する予定になっている。"In honour of their departure we will be holding 2 events."はJulieが送ってきた送別会に関するお知らせの電子メールで、何かを「祝して」というのは"in honour of"というらしいことが分かる。さすがCanucsのJulieは、"honor"ではなく"honour"と綴っている。見習わねばなるまい。小さい数字や文頭での数字は、特にフォーマルな文章では書き下されるが、ここでは"two"ではなく"2"と書かれていて、必ずしも従う必要はないようだ。それからもう一つ。近い未来の予定や動作を表すのに、このような未来進行形はよく見受けられる。なかなか使う気にはなれないが、これも倣って使いこなしてみたいところだ。