大同大学-高森裁判 経過ブログ

「ペンネーム使えますか?」
問い合わせただけで契約を解除された高森が、支援者とともに裁判を闘うドキュメンタリー。

労働組合とレガシーコスト

2009-10-31 04:22:25 | その他
GMが破綻するときに、レガシーコストのことがよく話題になりました。
退職者への年金や医療費がかさんでにっちもさっちもいかなくなり、破綻だったわけです。

GMのときに、なぜ車1台あたり1500ドルものレガシーコストがかかったのか?というのは、『なぜGMは転落したのか?』なんかにはかなり詳しく書いてあります。

 儲かっているときというのは、企業にお金がありますから労働組合側からの要求をのんでしまいがちです。しかも、年金とかいう約束をしたときには発生せず問題を先送りできる解決策は経営側はのみがちだったということがあります。それで債務超過になったとしても、自分の任期は終わっているのです。
 そうやって、全米自動車労組はストライキ権を盾に徹底抗戦して、「画期的な」権利を獲得していったわけです。

 労働組合というものが強大な力を持ち、真面目に権利の拡大をすればするほど、会社がうまく行かない時期の負担が大きくなります。そのときにはかつて年金を約束した人たちは、会社に対する単なる債権者になっていますので、債権の圧縮には抵抗します。老人たちからすると、これは合理的な行動です。
 しかし、それによって後続世代は大変なことになります。労働生産性=0の老人たちが「過去に約束してしまった」給料後払いのツケを払うために、会社は現役世代の賃金をカットしたり、激安勤務の派遣社員を大量導入しなければならなくなるわけです。そうなってくると、先行世代に後続世代は搾取されることになる。そういうときに、「この年金を守ることは、あなたがたの老後を守ることになるんですよ!」といわれても、派遣社員やら契約社員やらには何の関係もない話です。

 労働組合は、労働者の権利拡大を追及するがゆえに、真面目であればあるほど、過激な要求をしてしまうことになる。そうすると経営を圧迫するようになる。こうした機能を労働組合は不可避的にもってしまうのだが、これを解決した国はまだ世界中になさそうだ。


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