▼妖怪について
で、紹介した冥帝さんの「未知なるものの認識」論だが、たとえばオイラが未知なるものを見たとしよう。その場合、その未知なるものを何と認識するかは、それを見た人間、つまりオイラの関心のありように完全に依存してしまう。
たとえば、こんな絵を描く人がいるとしよう(実際には、歌詞を書いている人なんだが…w)。
きつねにはこの絵がウサギに見え、ねこにはアヒルに見える。実際、この人のファンサイトでは、新譜が出ると、何を歌っているのか?とか、そのPV(プロモーション・ビデオ)はいったい何を表現しているのか?といった話題が出る。
本人に聞いてみるのがいちばんいいんだけれど、この人、とりわけ何か意味ありげなものについては、「語りえぬものには、沈黙せざるをえない」というウィトゲンシュタイン的な対応しかしてくれない。どうも本人は、「私はこう思ってこの詞を書いた」ということを声高に言うのは、オコガマシイことだと思っているようだ。
さて、ここに描かれているモノはいったいなんなのか?―オイラにはこう見えた!という主観を排除してしまうと、「ウサギであるとともにアヒルでもあり、そのどちらでもないもの」としかいえない。
妖怪についても同じことなんじゃないかと…。
人間は自分の知っていることしか認識できないので、未知なるものに何らかの名前をつけなければ、その未知なるものを認識することができない。そのとき、未知なるものにつけられた名前が「妖怪」であり、「怪異」なのである。
で、紹介した冥帝さんの「未知なるものの認識」論だが、たとえばオイラが未知なるものを見たとしよう。その場合、その未知なるものを何と認識するかは、それを見た人間、つまりオイラの関心のありように完全に依存してしまう。
たとえば、こんな絵を描く人がいるとしよう(実際には、歌詞を書いている人なんだが…w)。
γ⌒∩⌒ヽ /ゝ,,,,____,,,,ノヽ ・・・・・ ∧ 从川川川川从 |.ノ (6リ ℃) ℃) リ6) . || リ人"" ~ ""ノリγ⌒⌒ヽ . .(⊂). 川川) (川川.( o ) | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | | /⌒`---' ⌒\ゝノ^ゝノ | . .γ''⌒''ヽ.. | | レ´|/( .α )\|\/ / |⊂ニニ ● ...)..| |__./. |___| \__/ |⊂ニニ .< | ) 。 ( | ゝ ノ....| |. ̄ ̄ ̄.| |_______| .| i | ニニニニニニニニ | ||. | ウサギでつね アヒルだな~ぉ | | ..| | .| | .| .|| | | | | | | | / .| | .| .∧∧ ∧__∧ | |. .| | .| |. . / ./ | .| (゜ ゜ ) ((I)。(I)) | | | | ..| | . ./ ./ | .| ⊂ ∨ ⊃ ⊂ ⊃ | | ..| | ...| | /_/ |_.| | | .| |/ |_| |_| ....|_| . (__) (__) ∪∪> ∪∪ |
きつねにはこの絵がウサギに見え、ねこにはアヒルに見える。実際、この人のファンサイトでは、新譜が出ると、何を歌っているのか?とか、そのPV(プロモーション・ビデオ)はいったい何を表現しているのか?といった話題が出る。
本人に聞いてみるのがいちばんいいんだけれど、この人、とりわけ何か意味ありげなものについては、「語りえぬものには、沈黙せざるをえない」というウィトゲンシュタイン的な対応しかしてくれない。どうも本人は、「私はこう思ってこの詞を書いた」ということを声高に言うのは、オコガマシイことだと思っているようだ。
さて、ここに描かれているモノはいったいなんなのか?―オイラにはこう見えた!という主観を排除してしまうと、「ウサギであるとともにアヒルでもあり、そのどちらでもないもの」としかいえない。
妖怪についても同じことなんじゃないかと…。
ある人がある所で、不思議だ、奇妙だ、と思うような現象に遭遇したとしましょう。その現象は、音だったり、臭いだったり、姿かたちであったり、あるいはその組み合わせであったりです。たとえば、気味の悪い不思議な音がしたとか、生臭い臭いがしてきたとか、グロテスクな姿かたちのものが出現したとき、そうした現象に遭遇した者が、神とか霊といった存在の仕業ではないかと判断したとしましょう。そのとき、私たちはその現象に「怪異・妖怪」現象というラベルを貼ることが可能となります。
そうした現象のなかには、遭遇者あるいは周囲の人びとの知識に照らして、「河童の仕業だ」とか「それは狐火だ」といったいった判断(より正確に言えば「名づけ」)ができるような現象もある一方で、判断ができないような現象、すなわち「その形はかくかくしかじかの異様なものであった」としか説明できない現象もあります。じつは民間伝承のなかの「怪異・妖怪」現象には、後者のたぐいがけっこう多いのです。そこで、私たちは、こうした現象をも幅広く拾い上げるために、「怪異」という語を採用することにしたわけです。
怪異・妖怪とは
人間は自分の知っていることしか認識できないので、未知なるものに何らかの名前をつけなければ、その未知なるものを認識することができない。そのとき、未知なるものにつけられた名前が「妖怪」であり、「怪異」なのである。