ひょいひょいと下りて行ったら、道端に白いランクルが止まっていて、川でひと組の親子らしきグループが水遊びをしています。
槇尾の集落に入って気づいたことは、明日香と違いトタン屋根が目立つこと。やはり、ここは吉野です。
坂道ばかり走っているので道路の横はたいがい谷川です。梅雨明けしてまだ2日ほど。水量もあって流れの泡が白くきれいです。
脇川という川に沿って下り、出たところが県道48号(洞川下市線)です。右に走ればトンネルを越えて下市町へ。左にとれば黒滝村の中心部や道の駅方面。この道路は前のクルマ(ノア)の時代に一度走っています。クルマの運転にあまり自信のない私は、「向こうからクルマが来たらどうしよう」と思いながら走った、そんな細い道です。
村唯一の信号機があるという黒滝小学校の前のT字路で左に走ってみました。峠越えをして天川村の洞川に向かうのはだいたいこの方面だろうと、例によってテキトーな見当をつけて走ったのです。いつもそうですが、スクーターを停めて地図を確認すればすぐに解決するのに、あてずっぽうで進んでしまう。
河分神社の前で右か左か一瞬迷ったのですが、広いほうの左の道へ進みました。道路に並行している川は黒滝川というらしい。黒滝村の黒滝川。本家筋のような気がしますね。狭い谷の間にコテージ(バンガロー?この区別を私はよく知らない)やテニスコートがあって、たくさんの人たちが夏を楽しんでいる気配。「きららの森」という施設だそうです。この先で峠を越えて天川村の洞川に行けるはず。どんどん上っていくと、ここの字名を赤滝というらしい。黒滝村赤滝。スタンダールみたい。
なんと。ところが後で調べると黒滝村に黒滝という字(あざ)はないらしい。
機嫌よくどんどん上っていったのですが、工事によりここから先には行けないことがわかったのが、石仏と書かれたところ。やはり道を間違えている。ここから洞川には行けない。ここでやっとスマホを取り出したのですが…、電波がない。そしてこの石仏は世界遺産ならぬ日本遺産なのだそうです。
来た道を下って、黒滝小学校の前で左に走ります。道の駅黒滝(名称を道の駅吉野路黒滝という)まで行って、地図で確認しようと考えたのです。アホですね、小学校の近くまで来ればスマホの電波だってあるはず。確認すればよかったのに。おそらく、洞川へ向かう道路の分岐点はまだ下流にあると考えたのでしょう。
脇川と黒滝川が合流して丹生川になります。この川に沿って6kmほど下れば、「道の駅黒滝」。その途中に黒滝・森の物語村というレジャー施設があります。宿泊したりバーベキューをしたり、川で水遊びができる施設だそうです。これがなんと屋外ながら「密」になるのではないかと思われるほどの人たちが水遊びをしています。驚き。みんな、コロナ禍で都会は危険だけれども、田舎は安全と思って来るのでしょうね。村のWebサイトによれば人口は683名(8月1日現在)。この施設で遊んでいる人たちの数のほうが村の人口よりもぜったい多い!と思いながら走ったのでした。
道の駅黒滝に到着してさらにびっくり。なんだこの人の多さは?この道の駅は地の利というのか、町から天川へ向かうにしても、天川から町へ帰るにしてもちょうど一休みしたくなるころに現れる道の駅なのです。広い駐車場は満杯で、臨時駐車場にクルマを停める人も出るほどの混雑です。何を買い求めるのか、並びも入っています。やはり、みんな田舎は安全と思うのでしょう。
さて、大きな看板の道案内を確認して愕然。小南峠を越えて天川村洞川に入る県道48号線(洞川下市線)は、先の河分神社の前の細い方の道、つまり右側の道路だったのでした。赤滝だ、石仏だと言って喜んでいるところではなかった。
このままでは帰れない。また丹生川に沿って上って、川遊びでごった返す黒滝・森の物語村の横を通って河分神社まで戻ったのでした。距離にして往復約12kmのロス。
(つづく)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます