出版物や学者さんも多く混沌(こんとん:色々の物が入り混じって区別のつかない様子chaos)状態の「グローバル化」について簡略に検証してみましょう。「グローバル化」とは地球規模で社会的、経済的な関係を国際的に開放し国境や規制を排除し、各国が相互依存し結びつきを深め他国や国際社会の動向を無視できない現象や活動の事です。「国際化」は国家や国境を前提にして連携すること。「グローバリズム」は極端な自由競争を推進する新自由主義(ネオリベラリズム)を広げる言葉です。
グローバル化の理念や大前提は国際間の「相互理解、扶助、地球の持続、地球人の最大幸福の追求」です。軍縮、核拡散、戦争防止や温暖化や気候変動、資源、食糧、人口問題、貧困、格差撲滅、感染症対策などです。現況では貿易や情報通信の新技術や交通移動手段などグローバル化が進化していますが理念や大前提が脆弱(ぜいじゃく)です。
経済、社会的側面でグローバル化を見ればメリットは1.国際問題の解決2.新技術の開発や安価な製品の購入3.商圏が広がる4.発展途上国も先進国も潤うなどです。デメリットは1.価格競争の激化2.労働者賃金の低下、失業者の増加3.産業の空洞化4.治安の悪化5.文化の衝突と消滅6.貧富の格差拡大7.他国の経済状況の影響8.伝染病や感染症の拡大9.外来種の拡大10.規制の拡大などです。
他方で反グローバルリズムは英国のEU離脱やトランプ大統領の「アメリカファースト宣言」、各国の移民排斥などの様相も活発化しています。同志社大学の浜矩子氏は百鬼夜行(ひやっきやぎょう)深夜に徘徊する鬼や妖怪の群れと習近平主席やプーチン大統領など含めて世界の指導者を比喩しています。国際政治学者P.ハンティントンは「世界がグローバル化するとイデオロギーの対立はなくなるが東洋文明と西洋文明の対立が浮き彫りになる」と・。
現況の日本ではグローバル化の教育、企業経営、インバウンド、スポーツ大会など言葉が躍っています。過度なグローバル化より穏やかな日本文化、文明と堅実な国民幸福度を重視した国際化がベターと考えますが・。
写真は無料イラストと世界の自由貿易地域(Free Trade Areas)