ギャラリー貴祥庵 ―《貴志 理の 日々の思いついたままのイメージ絵画、心に残る言葉、歳時の記録を綴る》―
表現の可能性を模索しつつ美術家貴志理の日々のイメージ絵日記。柔らかな調和の取れた色調と奥深く記憶された感性との対話。
晨15
本来量としてとらえられないものが、量として考えられて、そのために、そのものの価値がまるごとうばわれる。
人間の生のすべては、経済システムに結びついています。私たちの思考、私たちの世界像、人間像のすべてが、経済システムと分かちがたい関連をもっています。つまり自然界での淘汰の理論を、経済生活での弱肉強食のあり方に通用させて、それを正当化している。
しばしば現代では、力は自己破壊としてしかあらわれない。ほかの形の表現を知らないし、見つけられないからだ。
人間から時間が疎外されていくのは、いちのが疎外されていくことであり、そう仕向けていくおそろしい力が世界にある。
そう、弱まっています。そしてますます弱められる方向に向かっています。ありとあらゆる現代の諸要素が、そうさせる。人間が人間になろうとするほんとうの成長の力、それが現代社会によって罰を受けているようにみえます。 ― エンデ ―
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