2008年7月13日のブログ記事一覧-ギャラリー貴祥庵 ―《貴志 理の 日々の思いついたままのイメージ絵画、心に残る言葉、歳時の記録を綴る》―


天翔る2

 


夜ふけの空

 

人と、草木のねむるとき、
空はほんとにいそがしい。

星のひかりはひとつずつ、
きれいなゆめを背(せな)に負い、
みんなのお床(とこ)へとどけよと、
ちらちらお空をとび交うし、
つゆひめさまは明けぬまに、
町の露台(ろだい)のお花にも、
お山のおくの下葉にも、
のこらずつゆをくばろうと、
銀のお馬車をいそがせる。

花と、子どものねむるとき、
空はほんとにいそがしい。

―金子みすず―

 

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