切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

安楽寺~常念寺・・・意外にも   京都市伏見区   2024.5.11 訪問

2024-06-01 22:43:19 | 撮影
安楽寺



 淀競馬場の北西にあり、さらに西側に桂川が流れている。付近は住宅密集地となっており、その中に紛れ込んだような地域となる。浄土真宗本願寺のお寺で本尊は阿弥陀如来像。
 京都に限らないかもしれないが、京都市内には「安楽寺」という名のお寺が随分多くある。特に鹿ヶ谷にある安楽寺は名所としても有名であり、多くの人が訪れまた観光案内書やネット上でも様々に紹介されている。こちらの安楽寺はそういった点では、情報も全くと言っていいほどなく、詳細については一切不明となる。

 

 山門と内部の本堂はなかなか立派な造りで本格的な寺院であることを示している。境内は緑豊かでやはり本願寺派を名乗っているだけのことはあると言える。立派な本堂に対して境内の端にある鐘楼には梵鐘が吊るされていない。どこへ行ったんだろうか。またそのすぐ近くには、おそらく旅姿の親鸞であろう銅像が立っている。

 やはり鎌倉仏教と言われる新興勢力の新たな仏教の力は、庶民誰しもが納得できるような 念仏により往生できるという、その教えがあっという間に全国に広がり、各地に浄土宗および浄土真宗のお寺が次々に創建された。鎌倉時代初期に建てられたものもあるかもしれないが、かなり多くのお寺はやはり、江戸時代直前あたりの創建というのが多いようだ。安楽寺という名前はその名の通り、安らかに極楽へ行けるとの意味を込めた名前となっているんだろうと思われる。
  


常念寺

 

 淀競馬場から桂川を渡り、堤防上を少し北上した新しい住宅地の中にある。従ってお寺 そのものも同時に移築されたようで、真新しい輝きを放っていた。
 山門から境内に入る。山門も正面の本堂も境内も何もかもが新しく綺麗だ。少し広めの境内には適度に緑が配置され、背景の桂川と相まって結構いい景色が望める。

 撮影していると住職の奥様らしき人がやってきて、声をかけていただいた。そこで少し お話をしていただき、以下のようなお寺の由緒やニュース等を聞かせていただく。

 

 浄土宗のお寺で本尊は阿弥陀如来。江戸初期( 慶長10年 1605年)の創建ということで 、本来はこの場所のすぐ近くの桂川の川底にあったという。 無論当時は巨椋池の西端にあたりその場は地上であったが、その後の巨椋池の干拓など、 いくつかの変遷を経て、近くではあるが、新たに造成された今の地に移ったという。 秘仏の釈迦如来は普段、非公開で、 2024年の4月に初公開され、全国から人がやってきたという。これは定朝様の作品で 、定朝本人かどうかわからないが、少なくともその弟子の作になるという。来年春にも公開予定だという。新聞社の取材も来ていたそうだ。

 

 ざっと言うと以上のようなお話を聞かせていただいた。秘仏の釈迦如来像は来年の春にまた公開を予定しているという。本尊の阿弥陀如来を拝観させてもらおうと思ったが、ちょうどお客様があって残念ながら話はここまでとなった。取材で新聞社まで訪れるというのは、 やはり私たちが思っている以上の貴重なものがあるということになる。また全国から拝観に訪れたというのも考えてみればすごいことだ。改めてこのお寺の存在感を知ることとなった。

 
コメント
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