
コープをグループ購入しているので近所のおうちのガレージに取りに行くおつかいをやっくんとした。やっくんを昔ながらのベビーカーに乗せ、家の敷地を出たところで、小学生の男の子が2人で真っ黒になって遊んでいた。小さい方は靴を脱ぎ捨てている。興味を持って近づいてきてやっくんを見る。汚い手でやっくんの頬をツンツン…。小さい方がベビーカーを押したがる。というか潜り込んできて無理矢理押す。完全に悪ガキに絡まれた。
近くの公園まで行くという。私は目の前のおうちに用事なのに…。ま、人のうちの敷地内に知らない子供と入ってコープの品物を取っている間に騒いだり、厄介なことになるよりは、公園まで行ってすぐに帰ってくればいいかと思って公園まで付き合うことにする。
小さい方が押していると、やりたい放題好き放題。大きい方も押したがり取り合い。聞けば小学1年と2年生の兄弟だという。じゃあ、お兄ちゃんは帰りに押してもらえるかな。となだめる。兄は聞き分けがいいし、ある程度、敬語など話し方にも常識が備わっているようだ。まぁ、毎日のことではないし、赤ちゃんに興味を持つことは当たり前で悪いことではないから、危なっかしいけど、この子達に少しだけ付き合ってあげることにした。
いくら路地だからといっても車が通るので、端を促せば、スレスレを行き過ぎて電柱や長く伸びた草に当たる。ちょっと道をそれて駐車場に入ってみる。段差も持ち上げで乗り越える。公園では舗装がされていないガタガタの場所に行く。見ながら手を出しながら、やっくんの危険は避ける。
公園は、早々に切り上げ、帰途に。
兄に押してもらう。これでスムーズに帰れるかと思いきや、手持ち無沙汰になった弟がベビーカーの下の荷物を入れる部分に潜り込み乗る。きっと義母が見ていたら、怒っていただろう。しかし私は、怒らず、この兄弟の兄がどう出るか、子供の言動に任せてみることにした。怒ってさっさと帰ってきてしまっても良かったのだけど、ま、怒ってもその場を凌ぐだけで、勝てそうになかったし。私の堪忍袋は意外と大きいようだ。やっくんもやっくんで、ガタガタするし、うるさいのに泣かないで静かに乗っている。
すると、兄は弟を注意する。それでも聞かない弟。ちゃんと乗れていなくストップと声がかかっても危なくない程度に少し押してみる兄。それで痛いとかわーわー言っている弟に「じゃあ、降りろよ」と言っていた。賢い。それでも中々言うことを聞かない弟に兄がどう出るか…「じゃあ、降りて押せよ」ほう、聞かない弟に。譲った。
また不安定な走行が始まった。兄に色々話を聞くと、この兄弟の家にもベビーカーがあって、2人乗りのベビーカーらしい。双子でもいるのか?いや、年子だと2人同時にベビーカーの時期があるのか!ほうほう。そんな所から、気づかされた。2シートのベビーカーが必ずしも双子用とは限らないわけだ。そうだ、そうだよね。なるほど~。1人で納得。そして、何とか2人と出会ったところまで戻ってきた。
このままコープの商品を取りに行っても出会った時と同じことが予想されたので、一端自宅に引き返すことにした。「おうち、ここだからありがとう」と。弟の脱ぐ捨てた靴を拾いに行く兄。するとベビーカーを押していた弟も「オレもかーえろっと!」と言って最後の一押しを勢い良く押し、離れて行った。
ふぅ。とんだ冒険だった。
私は義母にやっくんを預けて、改めてコープの商品を取りに行きました。もうその頃には兄弟の姿はありませんでした。
兄との会話で、「お昼ご飯をまだ食べていない」と言っていたりとか、「学校は?」の問いかけに「土曜日が行事で登校したから、代休」と言っていたけど、うちの近所の子は夕方の下校時間にならないと出て来なかったし、本当なのか信憑性がないなと思った。
私が小さな頃にも公園に行くと悪ガキに絡まれて、意地悪され嫌な思いをした記憶があるけど、どの時代にも、どこにでも、こういう子はいるんだなと思った。どう育てたら、どう育てられたら、こういう子供になるのか私には想像がつかなかった。親戚の5歳児が小学生になった頃、こういうふうになる想像もできなかった。そう考えると、家庭環境で物の見方や捉え方、価値観が大きく変わるんだなと思った。
ちょっとドキドキしたけど、家の外から出ると思わぬことが起こるんだと学習した。気づかされたこともあった。次回、あの2人に出くわしたら、どうしようかな。怒ってみようかな。