幼少期に親に棄てられ薄幸な子供時代を経て、結婚して22年で夫が急逝。
その後の癌罹患。
子供時代、何で自分には親がいないのだろう、親がいればもう少し違った人生だったかもしれない、と思っていた。
夫が亡くなった時、世の中には沢山の人が生きているのに、何で夫だけいないのだろう…と思ったりした。
そんなこんなもすべて受け入れ、時が経って、自分の家族以外は親も親戚もいない身(姉がひとり)はとても気楽だ。
夫には生きていて欲しかったし、存命であれば75歳なので、まだまだ二人で暮らしていけただろうと思う。
望まずして“おひとりさま”になったけれど、夫が生きていたとして、病気や介護が必要なことになったら、それはそれなりに大変だったろうと思う。
逆もまた……。
そう思うと私の人生はこれで良かったのだと思う。
色々しみじみ考える晩秋の朝。
もうすぐ夫が亡くなって28年である。
夫が写した28年前の秋。
