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Hina Sagami ' s

沙神 妃梛の赤裸々プライベート日記(*^ч^*)   

皇帝ペンギン

2005-07-31 23:14:39 | 映画・芝居
南極の大自然に生きる皇帝ペンギンの愛と奇跡の感動映画。
監督は動物学者でもある、仏・リュック・ジャケ監督。
「ディープブルー」「WATARIDORI」に続く、動物たちの美しくも壮絶な生き様を描いたドキュメンタリー映画の第3作目だ。

ペンギンの愛らしさだけを求めて映画館に行った人には、残酷に映るシーンもあると思う。けど、人間が作り上げたファンタジーではなく、リアリティーがあるこの映画は、是非をとも多くの人に観て欲しいと思った。

毎日暑い日が続くこのごろ、スクリーンの中の氷の世界を眺めて涼むのもお勧め!

<ストーリーが書いてあります。ご覧になる予定のある方は要注意>

マイナス40度という極寒の地に皇帝ペンギンたちは住んでいる。
彼らは2つの拠点をもち、一年の間、その二つの場所を短い足でヨチヨチと行ったりきたりするのだ。
一つは、食料の魚がいっぱい泳いでいる青い海。
そしてもうひとつは、海から雪山を超えた先にある氷の郷国「オアモック」と呼ばれる場所だ。
短い夏の間に魚をいっぱい食べて、子育ての時期がくると、群れになったキャラバンと呼ばれるペンギンたちの行進が始まり、みんな一斉に「オアモック」を目指す。
しかし、その長い長い旅も決してピクニック気分でウキウキと楽しげな行進ではない。
いく手には、氷山が道をふさいでいて、途方もない遠回りをしなければいけない時もある。
体を左右に振りながら、ヨチヨチと歩くペンギンたちが氷の世界に長い長い列を作っている。
あちこちからキャラバンが到着して、「オアモック」はペンギンたちで埋め尽くされていく。そして、オスたちの求愛ダンスが始まり、カップルが成立していった。
息のあったカップル同士の愛の囁きは、お互い首を大きくしだらせ、くちばしとくちばしを寄せ合い、その姿は二匹で大きなハートを描いているようだ。
ペンギンは一年に一度結婚して、卵をもうけ、2羽で力をあわせて子育てをしていくのだ。
「2匹の息が合わないと、可愛いヒナが成長することはない。」という。
どういうことだろう???
その答えが、この映画の大きなテーマの一つだ。

愛の儀式から3週間もすると、一カップルに一つずつ大きな卵が産まれる。
お腹の下の羽毛に包み込まれた可愛い卵がそこにあった。
これから厳しい子育ての戦いが始まるのだ。
最初の試練とは!
オアモックについてから母ペンギンたちは食事をしていない。
卵を産んだら、すぐに卵を父ペンギンに渡し、魚のいる海を目指さなければならない。
足の上にある卵を寒さにさらされないように、父ペンギンの足の上に移さなければならないのだ。
子育てに慣れていない若いカップルがクローズアップされた。
ぎこちない足つきで卵の受け渡しをしている。
上手にいかない・・・。
くちばしでフォローしながら、なんとか父ペンギンに受け取ってもらおうと必死になっているが、思うように息があわないようだ。
そして・・・、卵はコロコロと氷の上を転がってしまった。
卵が寒さに耐えられる時間は数秒だ。無残にも卵はひび割れみるみるうちに凍ってしまった。・・・

受け渡しに成功し、卵を父ペンギンに託した母ペンギンたちは、お腹を満たしてくれる海を目指すために2度目の行進をする。
またあの長い道のりを旅しなければならないのだ。
今度母ペンギンがオアモックに戻ってくるときには、ヒナが産まれているだろう。
父ペンギンが言う。
「必ず無事に帰ってきておくれ!お腹を空かしたヒナが待っているよ」と。

20日ほどかけて、ようやく海にたどり着く。
小さな氷の穴めがけて、次々と母ペンギンたちは海に飛び込んでいく。
2匹で同時に、その小さな穴に飛び込むものだから、お尻がつかえて空中で4本の短い足がバタバタとしてしまっている。
大自然の脅威にも負けず、敢然と立ち向かっているペンギンの姿を描いている映画なのに、「くすっ」と笑ってしまえるそんなシーンもふんだんに織り込まれている。
ペンギンたちの愛らしい姿が余すところなく描かれているような気がした。
陸の上ではおぼつかない足取りで、ぎこちない動きをしているペンギンたちも、海の中では精悍な鳥へと代わる。スイスイというよりビュンビュンと海の中を飛んでいた。

海の中は「気持ちイイ!」「美味しそうな魚たちもいっぱい!お腹いっぱい食べて早くかえらなくちゃ!!」と海の中を飛び回っているペンギンたちの前に天敵アザラシが現れた。
急いで陸にあがるペンギン、逃げ惑うペンギン、そしてアザラシの牙に命を奪われてしまうペンギン。
アザラシが食べたペンギンには、オアモックで待っているヒナがいる。
辛い現実だが、母ペンギンが餌を持って帰ってこなければ、間違いなく産まれたばかりのヒナは飢えて死んでしまうことになるだろう。
アザラシは2羽の母ペンギンと仔ペンギンの命を奪ってしまったのだ。
ペンギン側から見れば、アザラシは凶暴で残忍な生き物だ。
スクリーンの中のアザラシは大きな口をいっぱいに広げて、ペンギンたちに襲い掛かる海獣だった。
しかし、これがアザラシ側からみた映画だったら??
きっとお腹を空かした子供のために獲物を捕ろうと必死になっている母親の姿だったかもしれない。そのときのペンギンは美味しそうな獲物に見えるだろう。
「可哀想・・・」と思うだけでなく、生態系の仕組みを否応無く感じさせるシーンだった。みんな必死に一生懸命生きているのだ。

一方、オアモックに残って卵を温めている父ペンギンたちは!?
ここにも自然の猛威が牙をむいていた。
毎日毎日吹き荒れるブリザードだ!!
マイナス40度の寒さをしのぐために、ペンギンたちは体を亀の甲羅のように寄せ合って固まっている。
卵を抱いているペンギンを真ん中に集め、それ以外のペンギンたちは、風の直撃を受ける外側と仲間の体温で温かい内側とを順番に入れ替わるらしい。
ここにも、群れで暮している動物の賢さがあった。

しかし寒さに耐えられず、息絶えてしまうペンギンも少ない。
そして、卵も・・・。
嵐が去った後のオアモックには、あちこちに孵ることのない卵が転がっていた。

そして、寒さに勝った卵からヒナが孵った。
父ペンギンの足元から顔を出したヒナは、グレーの産毛に包まれた可愛らしい姿をしている。生命の喜びを歌うようにピヨピヨと鳴いている。
そしてピヨピヨピヨと餌をねだる。
でもまだ母ペンギンは帰ってこない・・・。
空腹もそろそろ限界に近い。
あと数時間の内に母ペンギンが帰ってこなければ、餌場の海へ出発しなければ・・・。ヒナを見捨てて・・・。
次々と生きるための難関が待ち受けているのだ。
胃袋に残った微量の餌をヒナに与える。
「今夜中に帰ってこなければ出発しなければ・・・」
さて、母ペンギンたちのほうは!?
もう何日も前に海を出発し、オアモックへ急いでいる。
急いでいる・・・・んだけど・・・。
相変わらずヨチヨチと歩いている。
お腹で氷の上を滑って先を急いでいるようだけど、海の中のようにビュンビュンと進む事はできない。
「早く!早く!!!」
私はスクリーンの中のペンギンたちに心の中そう叫んでいた。
「急いで!早く急いで!!!」

そして母ペンギンたちはようやくオアモックに辿り着いた。
たくさんいるペンギンの中から自分の夫と子供をみつけなければ!!
私たちから見るとペンギンは個体差が殆どなく、みんな同じ姿、同じ顔をしている。
(ー'‘ー;) ウーン、ここにもまた難関があるのか!?
イヤイヤ、私の心配は余計なお世話でだった。
カップルたちは難なくパートナーを見つけることができ、またお互いの首を寄せ合い、二匹でハートの柄を宙に描く。

親愛を深めるいとまもなく、今度は父ペンギンが母ペンギンにヒナを託し、急いで餌場の海へ出発した。
この行進もまた、過酷な道のりだ。
空腹の限界を超えたペンギンの中には、飢えと寒さに耐えられず、氷の上で息絶えてしまうペンギンもいるらしい・・・。
一難去ってまた一難。。。
ペンギンたちの運命は耐えることが必至のようだ。

2週間もすると、ヒナたちは自分の足でソロソロと氷の上に立ち、ヨタヨタと遊び始める。ヒナ同士で身体を寄せ合って温まったり、氷の割れ目に入り込んで無邪気に戯れたりしている。
o(〃^▽^〃)oあははっ♪かわいいいいいいいいいいいいいい!!!
ちょっとママから離れて冒険してみよう!
すると、空から大きな翼をもったヘンな顔の鳥がやってきた。
ぎゃあぎゃあと叫びながらヒナに襲い掛かってくる。
逃げ惑うヒナたち・・・。そして、一匹がその鳥の餌食になってしまった。
「可哀想・・・」
しかし、やっぱりここにも自然の営みの成り立ちがあるのだ。
その変な顔をした鳥にも、ヒナがいて家族がいて子育てをしなければいけないのだろう・・・。
その変な顔をした鳥(名前がわからないけど、顔はあほう鳥に似ているような気がした)も大自然の中で強く生きているのだ。

春の訪れる前の最後のブリザードがやってきた。
ヒナたちを必死で守り通そうとする母ペンギンたち。
黒と白の毛皮が真っ白に染まり、仲間たちと身体を寄せ合っている。
無事にブリザードが去ったかと思われたが、あとには残念ながらヒナの亡骸がいくつかあった・・・。
「命と寒さの戦い」だ。
南極は強いものだけが生き残れる氷の世界だった。

ヒナを失った母ペンギンの中には、他人(ペンギン)の子供を奪おうとするものもいた。
悲しさの余り、正気を失ってしまっているのだという。
ここで思うのは、ペンギンの子育ては、あくまでも個人個人の試練なのだということだ。
例えば、同じように群れで暮している動物の中にゾウがいる。
ゾウは、他人の子供も自分の子供のように、群れ全体で育てていく習性がある。
母ゾウを失った小象のために、若いメス象が乳を与えることがあるらしい。
象の妊娠期間は3年近いと言われ、地球上の生物の中でも最も妊娠期間が長い。
一年に一度、子供をもうけられるペンギンと同じというわけにはいかないと思うけど、子育ての厳しさを痛感してしまった。
そして、どの種族でも「子供」は大事に大事に育てれる愛すべき宝なのだ。

半年に及ぶ厳しい子育ても、夏が近づきブリザードが吹き荒れる冬が終わるのと同時に終わりがやってくる。
先祖たちに受け継がれた、氷の道のりをまた行進し始める。
餌場の海へと向かうのだ。
そして仔ペンギンたちもあとに続き、初めての海へ飛び込んでいく。
誰にも泳ぎを教えてもらうことも、餌の捕りかたを教えてもらう事も無い。
産まれて半年足らずで、親離れをして独立しなければいけないのだ。
過酷なように見えるが、皇帝ペンギンたちは氷河期がくるもっと前から、ずっとそうして子孫を繁栄してきたのだ。

ペンギンは強い。とてつもなく強いと思った。
マイナス40度の極寒の地でしか生きていけないというわけではなく、自分たちの選んだその土地で過酷な運命と向き合って生きているのだ。

ま、っと言っても今更どこに行けというんだ!?
と問われてしまっても、私には答えようがないのだけど・・・。Σ( ̄口 ̄*)とほほ

ペンギンの子育ては、二人で息を合わせ協力しあわなければ成功しない。
卵の受け渡しから始まって、餌場へと交互で出掛けていく。
その道のりにも、また海にも危険はいっぱいだ。
仲良く肩を寄せ合っているカップルではないけど、ヒナを育てたいというその信念がお互いを一心同体にしていくのかもしれない・・・。

子育てが終わって、カップルはまたそれぞれの道を歩き始める。
また、来年もあなたに逢えますように、と囁きあいながら・・・・。


ヒトラー~最期の12日間~

2005-07-23 22:43:06 | 映画・芝居
史上最大の独裁者、呪われた男「アドルフ・ヒトラー」。
敗戦前の3年間をヒトラーの個人秘書として彼と共に過ごした一人の女性、トラウデゥル・ユンゲが明かした実録映画だ。

戦後60年余りが過ぎた今でも、「ヒトラー」の名前は悪名を轟かせている。
ナチスドイツ、独裁者、ナチ収容所、ユダヤ人虐殺などなど。
様々な映画やドラマ、小説などで「ドイツ軍」をテーマにした作品は多い。
しかし、ある意味「タブー視」されていたヒトラーの実像を描ききったこの作品にはおおいに興味が湧いた。
この映画で明かされたヒトラーは、血も涙もない冷血漢で極悪非道な一面もあったけど想像していたよりもずっと穏やかで、紳士的な男性だった。

<ネタばれありありなので、ご覧になる予定のある方は要注意>

舞台は首都ベルリン。
ソ連の砲撃を逃れるためにヒトラーがごく近しい人間だけを連れて逃げ込んだ、首相官邸の地下にある堅牢な要塞内。
第二次世界大戦のヨーロッパ戦線も大詰めを迎えていた。
戦況は明らかに連合軍側が優勢で、配下の将校兵たちも敗戦を確信していた。
しかし、ヒトラーは冷静な判断が出来ずに、形勢逆転を狙う作戦を熱く語るが、それは彼の妄想でしかなく、現実は攻撃する余力さえドイツ軍には残されていなかったのだ。
そんなヒトラーの作戦を聞くたびに将校兵たちは困惑していく。
ナチスナンバースリーの警察長官、ヒムラーでさえ退却を要請していた。
街中では、子供たちを含めた民兵たちが大した武器も持たされずに攻防戦を展開していた。
中には敗戦を覚悟し、相手側に寝返った市民もいる。
そんな彼らは、味方のドイツ兵に容赦なく射殺されていくことになる。
・・・・・。
無駄な血が流れて、なんの意味があるんだろう・・・。

この映画のもう一つの大きなテーマは、組織の崩壊に直面した人々の心理的葛藤だ。
逃亡する将校がいるなか、狂信的な崇拝心をみせる者もいる。
また、要塞内で酒盛りをする兵士たちの酒の量は日増しに増えていった。
長年、ヒトラーの愛人だったエヴァは敗戦確信のあと、ヒトラーと質素は結婚式を挙げるという忠誠心を表している。彼女は何故結婚したのか・・・?
最後まで運命を共にする、つまり一緒に自決することを選んだのだ。
また、狂信的崇拝者ゲッペルズ夫人の行動もすごい。
6人の可愛い子供たちに睡眠薬を飲ませ、寝ている間に毒薬をかませ殺してしまうのだ。
敗戦国の子供たちには未来は無いということなのだろうか・・・。
それも母親の愛情の一つなのだろう。
しかし、子供を持たない私には到底理解しがたい心境だ。

ヒトラーとエヴァが自室でピストルで頭を貫き自決する。
遺体は側近らにかかえられ、要塞の外に掘ってあった大きな穴の中に入れられ、
ガソリンで燃やされてしまう。
これが、あの「ヒトラー」の最期だったのだ。
ドイツ軍は負けた。
投降をよぎなくされた一般兵士たちの中には、ヒトラーの後を追う者も多数いた。
戦争が終われば助かる命なのに、自ら死を選ぶのだ。

武装解除され、ソ連軍に包囲されたドイツ軍の中に本作の目撃者、ユンゲの姿がある。
ズタズタに傷つき、敗北を確信し後の末路を覚悟したドイツ軍。
目の前には、ライフルを片手に迫ってくるソ連軍。
1人の将校がユンゲに囁く。
「奴らの中を抜けていくんだ。」
「・・・・」
「大丈夫逃げられる。奴らの狙いは軍人だ。生きろ生き抜くんだ」
負けた側と勝った側には、見えない大きな壁があった。
彼女は意を決し、怒涛の如く押し寄せてくるソ連軍の中を震える足取りでゆっくりと抜けていく。

ソ連の軍人たちは、彼女を横目で見ながらも捕らえようとはしなかった。

見えない大きな壁を抜けた先には、勝利に酔いしれコサックダンスを踊っているソ連兵たちがいた。
負けた側と勝った側、明暗の差がそこには大きく描かれているような気がした。

映画が終わったあとに、主要人物たちのその後をテロップで流していた。
意外なことに、戦犯で処刑された軍人は少なかった。
収容は長い人で10年ほどだが、殆どの人がその後社会復帰し、寿命をまっとうしている。
大物は、殆ど自決しているということなのだろうか。

色々な意味ですごい映画だと思った。
戦争とは・・・・、偉そうに語ることなんか出来ないけど、
「悲惨」という言葉だけが私の胸中に刻み込まれた気がする。

公開間もない、ということもあって劇場はかなり混んでいた。
最近は、予約システムのある劇場でばかり映画を観ていたので、並んで待つというのを久々にした。
そう考えると、どこの劇場も予約制にしてくれたらイイのにな、と思う。
若いカップルもいたけど、30代~50代の男性、女性同士のお客さんが目についた。
「ヒトラー」という、悪魔のような魅力を持ち、秘められた部分の多い歴史的人物に興味があるのだろう!?

バス174

2005-07-10 01:39:15 | 映画・芝居
渋谷スペイン坂の上にある「シネマライズ」という単館劇場でこの映画を観てきた。
観終った後の感想は・・・、語るべき言葉も見つからず、心にずっしりと重い石を乗せられてしまったような感覚に襲われた。なんともテーマ深く、また私なんかでは到底解決の糸口すら見出すこともできない(当たり前か・・・)後進国の貧富の差、それによって生じる歪みという社会の暗い闇がそこにはあった。

映画は完全ドキュメンタリー。
2002年6月12日、ブラジルのリオデジャネイロで起こったバスジャック事件を取り上げたものだ。
事件はブラジル中の、いや世界各国のTVで生中継され世界を震撼させた。
人質となった乗客、新聞記者、TVクルー、元路上生活者(犯人の友人)、犯人の叔母、刑務所の看守、ソーシャルワーカーなど事件関係者の証言インタビューを中心に、犯人が犯行に及ぶことになった原因、彼が強いられた辛い人生、ブラジルの現状を交差させながら描かれている。
犯人の名前はサンドロ・ド・ナシメント。母親を目の前で惨殺され、その後ストリート・チルドレンとして育った青年だった。

<このあとはストーリーが書いてあります。要注意>

若い男がバス強盗に失敗した。
犯人はピストルを持ち、乗客11人を人質にバスに立てこもった。
瞬く間に多くのメディアが駆けつけ、テレビでの生中継が始まる。
これがこの事件の始まりだった。

犯人サンドロは「見えない子供たち」と称されるストリートチルドレンの1人だった。
リオデジャネイロという、観光客で溢れている華やかな都市の片隅に彼らは「生き抜く」為にだけ生きていた。
空腹を満たすため、まずはレストランの裏口で物乞いをする。しかし汚いものでも見るように蔑んだ態度で追い返されるのが関の山だ。そのうち飢えに耐えかね盗みを働く。楽しみの一つも見出せずシンナー、コカインに手を出す。強盗団の一味に加わる。そして世間から犯罪者のレッテルを張られ、刑務所と娑婆を行ったりきたりの人生が始まる。。。
「見えない子供たち」、それは貧困の差、福祉制度の遅れ、警察の横暴などブラジル社会が生んだ「世間がみようとしない子供たち」だった。
彼らは叫んでいた。「僕らを見て!」「僕らは生きてる!」「僕らも人間なんだ!」と。
彼らの望みは「認めてもらうこと」だった。
そして皮肉にもサンドロは、この「バスジャック」事件でTV中継を通し、わが身を世間にしらしめ、存在を認めてもらうことになったのだ。

サンドロは犯行2ヶ月前まで、彼が「ママ」と呼び本当の親子のように暮していた女性のもとに一本の電話をかけている。
「ママ、見てて!僕はいつかTVに出るよ。有名になるんだ」
「そう!あなたの晴れ姿を楽しみにしているわ」
・・・・・・・。

この事件が起こってしまった大きなきっかけのひとつに悲劇的な虐殺事件がある。
カンデラレリアという場所にある教会の前で、ストリートチルドレンが警察により大虐殺に遭ったのだ。
ある日、警察とストレートチルドレンたちの間で軽い抗争があった。
その日の真夜中に2台の車でやってきた警察官たちは、武器も持たず無防備な状態のストリートチルドレンたちを拳銃で撃ち殺しまくった。頭が吹っ飛び、血まみれで倒れた彼らの数は30人を超えた。
「見えない子供たち」は本当の意味で「見えない子供たち」になってしまったのだ。
サンドロはそのときの生き残りの1人だった。
バスジャックをしたときに窓から顔をだし、しきりと「オレはあの場所にいたんだ!カンデラレリアにいたんだぞ!!!!」と何度も叫んでいた。
彼の警察への恨み、社会への鬱憤は、どんな暮らしの中でも癒えることなく増幅されていたのだ。

信じられない・・・・・・。
警察が・・・、一般市民を!?
そんな無秩序なことが行われても、警察や政府が社会から咎められることはない。。。
本当に信じられない・・・・・。
酷い現実だ。

サンドロは何度も何度も強盗や窃盗などで逮捕されている。
しかし、いずれも刑期は満了していない。
脱走しているからだ。

刑務所の現状もフィルムの中で明かされていた。
「更正施設」とは名ばかりの酷い場所だ。
看守が受刑者に殴る蹴るの暴行を働くのは日常茶飯事。
5~6人部屋に30人近く収容されている。
当然のことながら1人ずつのスペースもなく、身体を横たえる時は重なりあうか、順番に立ったり座ったり寝たりするのだ。
気温は50度を超えているという。どんな暑さだろう?想像もつかない・・・。
サンドロの友人は言う。
「あそこでは何も学ぶことはない。覚えたことは人を憎み、人を蹴落とすことだけだ」と。

事件は5時間にも及ぶ膠着状態が続いた。
その間、TVのカメラは回りっぱなしでブラジル中の人々が画面に釘付けになった。
警備の規制に失敗した現場は群集で溢れかえっている。
「殺せ!奴を殺せ!」と群集はいきり立っていた。

狙撃班が犯人を射殺して終わるというのが、事件の顛末だと誰もが思っていたに違いない。
しかし、警察上層部の命令は「犯人を生かして捕獲せよ」というものだった。
何故なら、あまりにも事件が大きくなりすぎてメディアなど衆人環視の中では射殺できない。というのが警察側の判断だったからだ。
警察は何度も交渉を試みた。
「運転手は必要ないか?」
「人質を解放してほしい」
「何が欲しいんだ?」
彼が訴えていたものは、ライフルと手榴弾だった。
若い女性を羽交い絞めにし、彼女の頭に拳銃を突きつけながらサンドロは外に叫び続ける。
「午後6時になったらこいつを殺すぞ!」
「本当に撃つからな!」
興奮状態が頂点に達しているように見えた。
しかし、バスの中では実は違う会話が交わされていたという。
「大丈夫、本当に撃ちはしない」
「もっと叫んで恐怖をあおりたてるんだ!」

インタビューに答えた人質の女性は、こんな風に証言している。
「本当に撃ちはしないと思ったわ」
「撃つとしたら、もっと最初に撃っているもの」
「私は彼と友達のように話したわ」
「そして『この事件の一番の被害者は誰だと思う?』と訊いたの」
「彼はうつむいて、じっと床を見つめていたわ」
「だから私はこう言ったの、『あなたよ』って」

交渉も成立しない、狙撃もできないでは、もう強行突破しか道がないと緊迫状態が続いていたとき、サンドロは人質の女性の頭に拳銃をつきつけたまま、バスを降りてきた。
狙撃班の1人が後ろからサンドロに近づいた。
しかし、弾が装填さていない。
サンドロの頭30cmのところに銃口を突き出し、ガチャンと弾を装填する。
サンドロがその音に気がつき、振り返った瞬間にライフルから弾が発射された。
バッキュウウン!!!!!!
サンドロと女性は地面に倒れ、警察官たちが彼を押さえにかかる。
あたりは騒然となった。
サンドロが射殺されたのかと思った。
しかし警察官の放った弾は、人質の女性の頭を貫いていた。
のちに分ったことだが、女性は合計4発の弾をあびていた。
一発は警察官。
そして倒れた拍子に、引き金に手のかかっていたサンドロの拳銃から背中に3発放たれていたのだ。
・・・・・。

サンドロは3~4人の警察官に拘束され、パトカーに押し込められる。
連行中、フロントガラスを蹴ったり、すさまじい力で抵抗する彼をおとなしくさせようと警察官の1人が彼の首を絞めた。
サンドロはパトカーの中で警察官に絞殺されてしまったのだ。
・・・・・・。
この警察官は、陪審員の判断で無罪となっている。

・・・・。言葉がない・・・・。

監督はテレビ中継のVTRを入手するために各局を口説き、口を重く閉ざす警察関係者に働きかけるなどしながら、サンドロの人生の足跡を辿るために2年間も奔走したという。
起こった事件の背景にある、ブラジルの暗黒面を渾身の思いで映画に託したかったんだろう。

日本も戦後は貧富の差が激しく、すさんだ生活を強いられていた人も少なくないという。
しかし、今では殆どの人が飢える事を知らず、教育を受けることができる民主主義の中でぬくぬくと暮しているのだ。
夢も希望もないと言ってプチ家出を繰り返す若者が連日ニュースで放送されている。引きこもり?パラサイト?職を持たずにニートと呼ばれる人たち?そんな社会人を抱え込んでいる日本にとって、この事件は果たして「対岸の火事」とよべるのだろうか?!
本当に改善しなくてはいけない問題はどこにあるんだろう?!

時を同じくして、佐賀で起きた西鉄バスジャック事件。
真相を闇の中に閉ざしたまま未だにその真相は明かされていない。
それに対して、この映画「バス174」はこれでもかというくらいに事件そのもの、またその背景にあるものを余すことなく訴えかけている。

今更ながらだが・・・、被害者の冥福をお祈りいたします。


宇宙戦争

2005-07-05 19:12:07 | 映画・芝居
わははっははは!!早速観てきましたよお!
封切り最初の土曜日ということで、劇場は大入り大満員で大賑わい!
私はチケットを前売りで購入していたので、長蛇の列に並ぶことなくサービスカウンターですぐに予約を取る事が出来た。
しかし、16時からの回を観るために14時にサービスカウンターへ行けば結構イイ席がとれるかな・・・、なんて思っていたのだけど、甘かった!!((((o ̄. ̄)o
上映2時間前だというのにすでに満席に近い状況で、前席のブロックしか空きがなく、それもはじっこの方以外は埋まってしまっていると言う。。。(ー'‘ー;) ウーン。。。どしよ・・・。
あの映像を間近で観るのはなぁぁ~~っと、かなり悩んだのだけど、話題の作品をいち早く観たいという思いのほうが先に立ち、結局、前から8列目の席を予約することにした。
以前、何かの映画を前から3列目の席で観たことがあって、スクリーンを見上げる格好で2時間近く座っていたので、腰は痛いわ、首は疲れるわ、画面は視界に入りきらないわで、結局途中で寝てしまったことがあった。そんな散々な経験をしたことがあったので、今回のこの席にはかなり不安があった。
あったのだけど!!!

いやいや!つっこみどこ満載で寝ている暇なんかありませんでした!!(大爆笑)
<★これ以降はネタばれありあり!!なので要注意★>

ストーリーはとっても簡単!
人類よりはるかに優れた知能をもつ異星人が100万年前から地球征服を企んでいて調査をし続けていたらしい。「時満ちたり」といよいよこの時代に野望を遂げるべく、彼らは稲妻に乗ってやってきた。
そして彼らは、地底深く埋めてあった「トライポット」というマシンに乗り込み地球征服を始めるのだった。主人公のトムクルーズ扮するレイと娘のレイチェル(ダコタ・ファニング)と息子のロビーは、家族の愛を取り戻しながらこの地球最大の危機を乗り越えることができるのか!?
ってとこ。

「宇宙戦争」とは名ばかりで、状況は一方的な殺戮と破壊と侵略。軍隊の攻撃にもびくともしない。たた2日間で世界最強の国は壊滅的な被害を被ることになった。トライポットから発する光線ビームは人を焼くでも血まみれにするでもなく一瞬にして消滅させてしまう恐ろしいぃぃぃ~~ビームだ。
レイの住む町も彼らの攻撃で一瞬にして瓦礫へと化していく。
その映像は、壮絶で迫力満点!燃え上がる炎を背に娘を抱いて逃げ惑うレイの姿は、CMでも流れていたと思うけど、確かに印象深いシーンだった。
スピルバーグ映画史上最高額の製作費1億3300万ドル(約138億円)をかけた豪華エンターテインメント。というだけのことはある!さすが!!!

映像はすごい!!さすが!!!さすが。。。なんだけど・・・・。(*^ч^*)ぷぷっ。。
内容はといえば、とにかくあっちこっちにつっこみどこがあって、とにかく、あははは。
うん!感動とか感涙とか手に汗握る興奮とかというよりも、とにかく面白い!

車を手に入れ、ボストンへと向かうレイたちを襲う道行く群集には、人間のあさましさを痛感して悲しい気持ちになった。けど、仕方がない。誰でも自分の命が一番大事で暴徒と化してしまう人間の性には嫌気が差す思いがした。一番怖いのは異星人や妖怪や怪物じゃなくて、人間なのかもしれない・・・。
車を奪われたレイたちが逃げ込んだのは、1人の男性が身を潜めていた地下倉庫のような場所だった。
親切にしてくれたその男性を「意見が違うようだ」というだけで、なんと、レイはその男性を殺してしまう。エイリアンたちに立ち向かおうとしているその男性の意見と、逃げて身を隠すことを考えているレイとの意見の差だ!
そ、そおおんなあああ!!
確かにちょっと怪しげな目でレイチェルを見たり、(ロリコンか?)エイリアンに見つかってしまうかもしれないのに、ぎゃーぎゃーと騒ぎ立てていて邪魔っぽい存在ではあったけど。
だからと言って、殺してイイのかしら??
そおそお、この男性はこんなことを言っていた。
「戦おう!大阪では奴らの一匹を倒すことに成功したらしい」(みたいな台詞)
Σ('◇'*)エェッ!?お・お・さ・か?!!
すごい!世界で一番強いのは大阪人ということだ!
。゜(゜ノ∀`゜)゜。アヒャヒャ☆☆'・;'アヒャヒャ

逃げる途中で軍隊に遭遇する。
息子のロビーは「オレも戦う!」といって、軍隊を追いかけレイたちと離れ離れになってしまうシーンがある。しかし!なんの訓練も受けていない民間人を果たして軍隊は受け入れてくれるのだろうか?
その後の展開は物語の中では描かれていないけど、ラストシーンで再会できたところを見ると、けんもほろろに追い返されたのに違いない。。。
どうしてそんなことがわからないんだろう!?
あははは、(ー'‘ー;) ウーン面白いほど疑問だ。
それにしても、いくら非常事態だからといっても、地球最後の日かもしれないのに軍隊の人たちは働いていた。みんなそれぞれ家族や大事な人がいるだろうに、最後まで任務をまっとうしようというのだろう。素晴らしい愛国精神だ。
ロビーの無謀な行動も愛国心からなんだろうな、きっと。

地下倉庫に隠れていたレイとレイチェルは、とうとうエイリアンに捕まってしまう。
母船の下の部分に、サルの惑星で人間が捕まっていたような大きな籠の中に大勢の人間が捕らえられている。(かなり原始的な檻だなぁ。)
母船から食肉植物のおしべのような突起物が現れ、1人の男性がその餌食となり突起物に飲みこまれてしまった。ぎゃあああ~~!気持ち悪い・・・。
その突起物は次の獲物にレイを選び、レイも難なくその突起物に飲み込まれてしまう。。。
しまいそうになる・・・。
しかし、手榴弾を片手に持っているのに気がついたほかの虜囚たちは、レイが手榴弾を中においてきたあと、レイの足を引っ張り出しレイは救出されることになる。
そして、手榴弾は母船で大爆発し彼らは籠ごと地面に落ち、助かる事になる。
あ~~、よかった。
でもさ、軍隊の攻撃にもびくともしなかったエイリアンたちの母船が、手榴弾一発で粉々に砕け散ろうとは!?脆すぎないか??

さて、そんなこともあったけど、2日間にかけて地球はめっためったにやられてしまった。
もう、勝ち目はなさそうだ。どうなるんだ??どうやって倒すんだ??
っと思っていたら、夜が明けてみるとトライポットは停止している。
人間の血を吸って繁殖していた気味の悪い植物も枯れている。。。
ん?!何が起こったの??
え?なになに??
地球の空気や食べ物にあたり、破壊してしまったというのだ!
食アタリ???
Σ('◇'*)エェッ!?んなばかな!
100万年も調査していたのではなかったの?
何を調査していたの??
それじゃ、侵略しても住めないじゃん!!
知的生物じゃなかったの??とんだおまぬけさんたちだ!!
んで?これが結末なの???
わははははは!!!大爆笑だ!

つまり、この映画の教訓は、
「拾い食いしちゃいけません。」というのと
「世界最強は大阪人だ」ということなのかな??
(*^ч^*)ぷぷっ。。(*^ч^*)
めでたしめでたし!!

映画を観た後、銀座インズに入っている「遊食菜彩いちにいさん」で黒豚シャブシャブを食べた。
家に着いたのは夜の9時過ぎ。
空を見上げると、南東の空がだいだい色に染まっている。
ん??なんで??
も、もしかして!?
や、やばい・・・。とうとう来たか??
地球征服を企む知的生物の侵略がはじまるのか??
でも、大丈夫!!
彼らがやってきたら、とりあえず夕食に招待して私の手作り料理をご馳走しちゃおう!
そしたら、お腹を壊して彼らは退散していくはずだから!
(って、私の料理がまずいって意味じゃないわよ!)

でも、だいだい色の空の真相は地球侵略ではなかった。
日本経済新聞、2005・7月2日夕刊より。
「硫黄島沖で海底火山が噴火か!?水蒸気の柱1000メートル立ち上がる。」
2日午後4時15分ころ、小笠原諸島、南硫黄島の北東約5キロの太平洋上で水蒸気が柱1000メートルも立ち上がった。硫黄島沖で海底火山が噴火したとみられている。

っということでした。
海底火山噴火で、空がだいだい色に染まっていたというわけ!
o(〃^▽^〃)oあははっ♪
ちょっと残念?

疑問はたくさん残るけど、エンターテイメント性はかなり高いし、なんと言ってもダコタがめちゃくちゃ可愛かったので、よしとしましょう!!
あ~~、今日も一日楽しかったです。


戦国自衛隊1549

2005-06-29 16:24:13 | 映画・芝居
460年の時を超え、西暦1549年の戦国時代に、自衛隊がタイムスリップした!!
敵は「織田信長」 消滅するのは===歴史か?俺たちか?!

<ストーリー>
陸上自衛隊で秘密裏に行われた人工磁場発生器の実験中に、神崎怜2尉(鈴木京香)の判断ミスによる大規模な暴走事故が発生。的場1佐(鹿賀丈史)率いる精鋭部隊が、460年前の戦国時代にタイムスリップしてしまった。やがて、過去への過干渉が原因と思われる虚数空間ホールが日本各地に次々と出現、一般市民に知らされぬまま、徐々に現代を侵蝕し始めていた──。
かつて的場が創設した特殊部隊のNO.2だった鹿島勇祐(江口洋介)は、時空の彼方に消えた仲間たちと日本を救うため、怜とともに救出部隊ロメオ隊に参加。命を賭して2度目のタイムスリップを敢行する。制限時間は74時間26分――それを過ぎると時空の揺り戻しに取り残され、二度と現代に戻ることはできない。しかし戦国の世で鹿島たちを待っていたのは――正史の織田信長に成り代わり、強大な軍事力で戦国時代に君臨する的場だった――。

劇場の予告版を観たときからかなり興味はあった。
しかし、福井晴敏原作の「ローレライ」のとき、原作を読んで気合を入れて観に行ったにも関わらず、ちょい期待外れで劇場を後にしたので、実は、いまいち気が進まなかった・・・。
でも、最近よく一緒に映画を観に行く友達が「戦国自衛隊観たぁい!」と言う。
私の好きな映画ばかり付き合ってもらっても悪いしな。。。っという思いで、チケットをゲットし、池袋の映画館で観てきたというわけ。

劇場は、公開後2週間以上経っていたというのにかなり混んでいた。
さすが話題の作品だけはある!ここ数年、邦画もハリウッド映画に負けず劣らずエンターテイメント性の高い映画を作るようになった気がする。(がっくし・・・っていうのもあるけど・・・)
総額費用も以前に比べたら比じゃない。
今回舞台になった「天母城」の総工費も22億円が投じられているという。
「風雲たけし城」のような外観のそのお城は、画面いっぱいに存在感を露わにし、荒々しくボリューム感のあるお城になっていた。

冒頭からクライマックスかと思われるようなド派手な戦闘シーンからはじまる。
ダラダラと前置きの長い映画より、ずっと溶け込みやすく、映画全体のテンポもかなりイイ!
しかしその分、状況説明にも時間をあまりかけないため、信憑性も低くどこかチープな感じがするのは否めない。
平成の人間がいきなり「タイムスリップしました!」と言われて、「は~、そうですか!」っと何の疑いもなく納得してしまうそのこと自体が???疑問というか、不満というか、感情移入がしづらかったのが残念・・・。《>_<》》
いっそのこと、実写ではなくアニメでやったほうがイイのにな、っと思うのは、アニメ好きな私だからだろうか??

ま、それでもあまり期待しないで行った私としては、★3つ!!といったところかな??
お城が燃え上がってしまったり、崩れてしまうところはCGだと思うけど、自衛隊と戦国時代の武将の戦闘シーンはリアルに作ってある気(もちろんCGも使っているとおもうけど)がして、迫力満点で楽しめました。
斉藤道三や蜂須賀小六、濃姫さん、木下藤吉郎少年など、戦国時代を彩る登場人物もいっぱいでてきて、馴染みやすかったし!!
(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪、やっぱりかなり楽しかったかも!

戦国時代から現代にタイムスリップしてしまった1人の武将、北村一輝扮する飯沼七兵衛の言った台詞。
「平成の世は皆の望みなり」。。。(みたいな台詞)
つまり戦国時代の人々の大半は、誰も自分の望みどおりには生きられない。
好きな人に思いを告げることも許されないし、君主に忠誠を誓って自分の命までも捧げなければいけない・・・そんな時代なのだ。
七兵衛が見た平成のこの世は、戦国時代に生きる人々にとっては希望の時代なのだ。
SFアクションムービーのこの映画の中には、そんな感慨を伝えるテーマが隠れていたんではないかな・・・??なんて思ってしまった。

この映画の前作、「戦国自衛隊」が名画座 倉敷東映で7/31から上映されるそうです!。観たいけど倉敷は遠いな(^_^;)。
ま、チャンスがあったら行ってみようと思います。
o(〃^▽^〃)oあははっ♪

追伸>>ちなみに画像は、「南の牧場」で会ったアルパカです。
d( ̄ ̄ー ̄ ̄)ねっ、ヘンな顔でしょ??


名探偵コナン水平線上の陰謀(ストラテジー) Part1

2005-05-25 16:52:01 | 映画・芝居
<注>ストーリーが書いてあります。まだご覧じゃない方は要注意!

観てきました!観てきました!!!
私のGW恒例行事の劇場版「名探偵コナン」鑑賞会。(会・・・ッと言っても1人か二人なんだけど。。。)
今回でシリーズもなんと9作目!!
9作目ともなるとマンネリが危惧されるのか、今回は公開ガイドブックなどが発売されるなどスタッフ側の意気込みが感じられる。映画の中でもマンネリにならないように様々なところで工夫・苦労しているのが感じられた。ファンとしては、マンネリ??おおいに結構じゃありませんか!!っと思うところなのだが、作り手としては、プライドがあるのでしょうね。いくつか突っ込みを入れたくなってしまう所もありましたが、それは毎度のこと。いやいや今回も素晴らい作品になっていたと思います。

6作目までは、友達の子供を借りて劇場に足を運んでいたのだけど、(その間、友達はショッピングを楽ししみ、私は1人で寂しく映画をみることがないので一石二鳥というわけだ)その子供も大きくなり、私の相手をしてくれなくなってしまった。
それからは私と同じように、映画好きでコナン好きでアニメ好きな友達を探さなければいけなくなってしまい、これまた大変。
今回は、まずメールでお誘いをしてみた。最近良く一緒に映画を観る友達だ。
「今週末、映画みよ!チケット購入済み」
「了解!」
簡単なレスポンスが返ってきた。
しめしめ・・・、きっと「交渉人・真下正義」だと思っているわ!
予告を観たときから「これ観たいね」なんて話をしていたからきっとそう思っているに違いない。
そう、あえて映画のタイトルは伝えていないのだ。
当日、有楽町マリオン時計下で待ち合わせをした。待ち合わせ時間を3分回ったところで友達が現れる。
私に何も尋ねずにマリオンを背に「有楽町座」に向かってトコトコトコトコ・・・。
私「あれ?何を観るか分ってるの?」
友「うん。コナンでしょ?」
私「え~?!真下くんだと思って即OKしたのかと思っていたよ?」
友「メールに題名が書いてなかったからね!」
私「・・・」
友「名探偵だから!」だって!!
緻密に計算した私の作戦もバレバレだったわけだ。o(〃^▽^〃)oあははっ♪

映画館は終映間近の土曜日だからガラガラかと思っていたけど、意外とお客さんの数は多い。予告が始まってからの入場だったので空いている席へすぐに腰掛けた。んが!後には子供連れのお客さんが3組も・・・。一瞬席を移ろうかと思ったけど・・・ま、今までの経験上、コナンを観に来ている子供たちは結構静かに観ているので、ま、いいか!と思い直し、その席へ落ち着くことにした。

今回の舞台は豪華客船「アフロディーテ号」
船が舞台になっているは、2作目の『14番目の標的(ターゲット)』以来だ。
CM,予告で水中に沈んでいく蘭に向かって「ラアアアン!!」と叫ぶコナン(新一)を思うと、きっとこの船は沈むんでしょう。(ま、当たり前っちゃああ、当たり前の展開だが。)
「必ずオレが助けてやる!」と叫ぶ新一(コナン)と沈んでいく蘭ちゃん・・・。
タイタニック号を思わせる豪華客船「アフロディーテ号」で起こるラブロマンスは、またまた私の胸をときめかせてくれるわああ!!劇場版での見所の一つは、TVではなかなか描かれない新一と蘭ちゃんのラブストーリーだ。それにしても、映画のたんびに危険な目に遭っている蘭ちゃんには同情してしまう。

ストーリーは、15年前に北大西洋上で八代グループの貨物船「第一八代丸」の沈没事故から始まります。
冒頭からタイタニックのごとく「沈みますよ!」っという気配が漂っている。案の定、船は氷山にぶつかって大変なことになってしまった。船長を呼びに行った船員が船長室で目にしたのは、眠らされている船長。その後ろで不適な笑みを浮かべている副船長。う~~ん、いかにも犯罪の匂いがします。この事故にはなにか裏がある気配が・・・・。

また半月前、八代造船の設計技師が運転する車が崖から転落し炎上してしまう。
15年前と半月前、続けて展開したこの事件は、もちろん!なにかの形で繋がっているのだ。
推理オタクでなくても、これくらいはすぐにわかる!!いいぞいいぞ。今回の事件は意外と簡単かも・・・。 ( ̄∀ ̄) フフフ
火曜サスペンスを見ていても、犯人が当たった試しのない私は、一度でいいから、犯人当てのシーンより早く「わかった!犯人はこいつだ!」っと言ってみたいのだ・・・。

そして現在へ。
豪華客船に乗り込んでいるお客の中にコナンご一行が!
またまた鈴木財閥のコネで招待客としてやってきていたのだ。
園子は、たくさんいるコナンキャラの中でも私のお気に入りの1人。
なんてたって、財閥のお嬢様なのにお嬢様らしいところがひとつもない。強いて言えば、「世間知らず」ということだけだろうか。「世間知らず」なら私も負けてはいない。「お嬢様」に縁の無い私としては、彼女の存在は親しみの中に憧れもあったりしていつも目が離せない。また蘭との友情物語にもいつも心癒されているのだ。ま、毎度毎度、新一とのノロケ話を聞かされている損な役割も親近感を覚えたりしてるのだけど。

コナンたちが船に乗り込んで、ここでようやくいつものアレ!!
♪ジャジャジャンジャアアアア~~ン♪
『オレは、高校生探偵工藤新一。同級生の毛利蘭と遊園地へ遊びにいき、そこで黒づくめの男たちの妖しげな取引現場を目撃してしまった。なんたらかんたら~~~。毒薬を飲ませされ、気がついたときには、身体が縮んでしまっていた。~~~~』
っと、お決まりの状況説明。
これって、もういいんじゃない??という意見もあったりするけど、私はコレがないとコナンを観た気がしないし、テーマソングを聞くと意味も無くわくわくどきどきしてくる。
しかし、今回はいつもと若干変っていてなかなか面白かった。

さてさて、再度本編へ。
乗り込んですぐに、シナリオライターだと名乗る「日下ひろなり」なる人物が現れた。その後ろには、アフロディーテ号の設計者のひとりであるという「秋吉美波子」という女性の姿もある。
この「秋吉美波子」、小五郎の別居中の妻、妃英理に良く似ているので、おっちゃんは美人だというのに、いつもの調子で鼻の下をダラダラと伸ばしたりしない。。。
その二人は小五郎のファンだと言って、ディナーで同席をさせて欲しいと言う。
いくらファンだと言っても、知らない人との食事は私だったらゴメンだ。。。
図々しい男だなああ、っと思うのと同時に「あ!!こいつが犯人だ!」などと、まだ事件も始まっていないのに、勝手な推理をしてしまったりした。。。。(苦笑)
食事も中版を過ぎた頃、気分が悪いと言って日下が席を立ってしまう。何かの伏線かと思いきや、いかにも犯行に及びそうな行動を・・・。
あ~~、やっぱりこいつが犯人に違いない!あれあれ??こんなに犯人が早くわかってしまったら物語が進まないじゃないかああ。。。
なるほどなるほど、今回は「コロンボ風」に犯人を追い詰めていくのかな??

食事の終わったコナン一行はデッキへと場所を移し、ティータイムを楽しんでいる。
そこで、またまた定番の阿笠博士のなぞなぞ大会。いち早く答えをだしたのは、歩ちゃんだった。
子供向けのなぞなぞにしてはいつも難しい。劇場にきている子供たちで解けた子はいるのだろうか??
・・・・、私だって解けないのに・・・・。
ま、それはさて置いといて、子供たちは空手の関東大会で優勝したという蘭ちゃんたちの為に、貝殻で金メダルをつくることにした。そのプレゼントをそのまま渡せばいいものを、驚かせようっという作戦で蘭ちゃんのウインドパーカーに貝殻金メダルを忍ばせてしまった。これがのちのち、蘭ちゃんを危険へと誘う道具になってしまうのだ。
その一方、犯人日下が動き出した。「15年前の秘密を知っています。」というメモで呼び出されたのは、八代グループの会長、八代延太郎。
アリバイトリックはありふれたものだった。
秋吉女史に電話をし、テープにあらかじめ吹き込んだ声(ドラマのストーリ)を聞かせ、その間に犯行に及ぶというものだ。
これに良く似たトリックを「古畑任三郎」で見かけたことがある。主演は確か、真田弘之だったと思う。
この場合はテープではなく、携帯電話で話しをしながら拳銃で相手を撃ち殺してしまうというものだ。電話の相手は、きちんと応答もしているし、自分と話をしている間にそんなことしているとは夢にも思わないわけだから、アリバイを証言してくれるというわけ。
それに比べ、日下のアリバイトリックは、ちょっと無理があるように思う。もし、万が一、相手が話しを中断し、話し掛けてきたらこのアリバイトリックはいとも簡単に失敗していまうのだから。

その頃、コナンたちはかくれんぼに興じていた。
オニは園子と灰原哀ちゃんで制限時間は30分。
何箇所か禁止区域を設けはしたが、船内全域とはまたえらく広い!
それに、蘭ちゃんは忍者並にかくれんぼの名人らしい。
小さい頃のかくれんぼの思い出を聞くと、水中に潜ったり、天井にはりついていたらしい。。。そ、そんな小学生って、ルール違反じゃないのか??o(〃^▽^〃)o
そんな思い出話の一端に、新一と蘭ちゃんのかくれんぼのエピソードがある。
体育館の舞台下に隠れた蘭ちゃんを誰も探し出すことができず、挙句の果てに出られなくなってしまった。その蘭ちゃんを助け出したのが、言わずと知れた新一君だったというわけだ!
あ~~!羨ましいわああ。小さなヒントで迷わず蘭ちゃんを探しだしちゃうなんて、相手の事を良く知っていて、愛がなければできないものねえ。( ̄▽ ̄)。o0○ ポアン

蘭ちゃんが出てきてかくれんぼが終わり、一件落着かと思いきや今度は園子が見つからない。
探偵バッジで探し当てると、園子は「遺体安置所」に閉じ込められていた。その後、大した証言も出来ずに出番の少ない彼女は、何のためにこんな辛い思いをしたのだろうかと、ちょっと可哀想になったりした。

さあ、いよいよ事件発生!八代延太郎の娘、貴江の死体が発見されたのだ。
ヘリコプターに乗って、捜査に駆けつけたのはまたまたいつものメンバー。
警視庁捜査一課の目暮警部ご一行。あはは、来た来た!!
他に事件はないのかしら!?ま、オッちゃんに負けず劣らず、目暮警部もかなりへっぽこだから、コナンがいないところでの事件解決は難しいと思うので、ココに来たほうが、市民や本人の為になるんだけどね。
捜査を始めてみると会長の延太郎も行方がわからない。捜査は難航を期してきた。
コナンは最初から怪しいと思っていた日下へ接近。部屋にまで上がりこむがすぐに追い出されてしまう。あ~~ん、そんな短時間じゃ、証拠は掴めないんじゃない??っと心配していたけど、流石はコナン。
抜け目なくPCを覗き込み、証拠を捏造してしまう。
歓迎パーティーの場で、いよいよ推理ショーのはじまりはじまり。
そしてまた、おっちゃんが「犯人はあなたです!」と指差したのは、「秋吉美波子」
おっちゃんはすごい!!大した根拠もないくせに「犯人はあなたです!」と言い切ってしまうのだから!!
下手をすれば、名誉毀損で訴えられかねない・・・。ヒヤヒヤものだ。

しかああし!!今回はいつもと違う???
そのあと、阿笠博士がコナンの声に合わせて犯人を日下と言い当ててしまう。
最後の決め手になったのは、髪についた少量の血だという。
オイオイ、日下くん!パーティーに出るんだからシャワーくらい浴びてきなさいよ!と突っ込みたくなってしまった。
そこで、園子の証言が最後の最後の決め手。
「私を襲ったのは、この人です!」と日下を指差すのだ。
言い逃れできないとわかった日下は、「爆弾をしかけた!」っと爆弾発言!!!
ちょっとした格闘シーンのあと、日下はボートに乗って逃亡を謀る。
もちろんそれをコナンが追いかけるわけだが、少年探偵団の子供たちも同乗している。
なんの武器も作戦もない小学生たちが(それも一年生)凶悪犯人をモーターボートで追いかけるというのだ!無謀だ!無謀すぎるう!!
他の大人たちは一体なにをしているのだ!!!
(_≧Д≦)ノ彡☆ばんばん

海上で日下を追い詰め、海上警備隊に拾ってもらったコナンたちの後ろで、アフロディーテ号に仕掛けられていた爆弾が次々と爆発し始める。胸騒ぎを覚えたコナンは、ひとりアフロディーテ号へと向かった。

っと、ここまで書いたら時間がなくなってしまった・・・・。Σ( ̄口 ̄*)とほほ・・・
この続きはまた今度!!