目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

「あかんべえ(上・下)」 宮部みゆき

2007年03月01日 | 読書
あまり読んだことのない宮部みゆきさんの本ですが
私の大好きな「しゃばけ」(畠中恵)に関連して
オススメしてもらっていたので、文庫で読みました。

「あかんべえ」 (上・下)(宮部みゆき・新潮文庫)

江戸の深川に開店した料理屋”ふね屋”。
その最初の宴席で、抜き身の刀が空中に泳ぎまわり大暴れする、
という大騒動が起こる。
しかし、まだ幼い一人娘の”おりん”ただ1人は
刀を振り回すおどろ髪の幽霊や、男前の若侍、
色っぽいお姐さん、按摩の坊主に、
”あかんべえ”をする少女の幽霊が見えていたのだ。

徐々に解き明かされる 30年前の出来事。
そこに絡み合う生きた人間、死んだ人間のさまざまな思い。

オカルトチックでもあり、ファンタジーでもあり、
サスペンスでもあり・・・
上下巻という長さを全く感じさせない面白いお話でした。

はじめに書いた”しゃばけ”シリーズは、
病弱なお坊ちゃまが、物の怪や妖たちに囲まれて
彼らと仲良く付き合いながら、この世の不可解な事件を
解き明かしていく、というお江戸ファンタジー。
ほんわかした中に、切なさのある、子供でも楽しめるような
物語風です。

それに比べると、サスペンス・ミステリー作家として
定評のある宮部みゆきさん、長編も飽きずに読ませます。
上手い作家の作品って、読んでいると
その世界に自分が入り込んでしまうような感覚を
味あわせてくれますね。この物語もまさにそんな感じ。
生き生きと描かれる下町や人物描写に、
しばし江戸時代にタイムスリップ。

幽霊たちが彷徨い続ける理由が明らかになる
クライマックスには ページをめくる手がとまらない!
そして、苦く哀しい想いに泣けてしまいました。
やっぱり幽霊より怖いのは 生きている人間なのかも・・・。

ちょっと登場人物が多くて、もっとじっくり描いて欲しかった!
と思うようなところもありましたが、
とっても面白かったです。
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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お久し振り~♪ (あもーれ)
2007-03-01 23:26:07
宮部みゆき氏の作品は10冊ほど読みました。
私のおすすめは『蒲生邸事件』です☆
彼女の作品には東京下町の風景や
子どもとおじいちゃんの交流など
心温まる情景が丁寧に描かれていますよね(^^)
返信する
宮部さん好きですーっ。 (チェブ)
2007-03-02 20:17:24
が、自分では買ったことなかったりします。

でもいただいたり、お借りしたりと
なにかとご縁のある作家さんです。

 ↑↑↑
あもーれさんもオススメされてますけど
『蒲生邸事件』もおもしろかったですよ。
こちらもタイムスリップもので
サスペンスなんだかファンタジーなんだか・・

とりあえず宮部さんの本はハズレがないですよね~。

ちなみに今は『陽気なギャングが地球を回す』の
伊坂幸太郎氏にハマってます。
返信する
下町、良いですよね~ (sasaya)
2007-03-04 12:19:34
すでに記憶の彼方かもしれませんが、たいへんお久しぶりです(笑)。

いつもはこっそり(?)お邪魔していたのですが、この本、知人に「近所の地名ばかり出てくるの」という理由で勧められ読んだばかり。
あまりにもタイムリーな話題に素通り出来ませんでした。

全ての登場人物に味があるので、もう少し語って欲しいなぁと私も思います。
ええ、特に玄之介さまあたりを!!(笑)
(相変わらず男前に弱い^^;)
返信する
こんにちは^^ (ボッサン)
2007-03-04 16:23:22
私はずっと、「宮部みゆき=ミステリー」というイメージを持っていました。だから今まで宮部さんの作品は『龍は眠る』しか読んだ事がありませんでした。『龍は眠る』はとても夢中になって読んだんですが、当時中学生だった私には“難しい”という印象が強くて、その後は全然読んでいませんでした・・・^^;)
今家の本棚を見たら『レベル7』あったので(以前読もうと思って買っていたみたいです)、今度読んでみようかな、と思いました。

そうそう、『ハゴロモ』読みました!
優しくて、切なくて、本当に吉本ばななさん“らしい”お話でしたね♪彼女自身は「お話のほうが勝手に天から降ってきた」なんて言っていたけれど、文章の感じから吉本さん特有のテクニックのようなものも感じられました。
私が彼女の作品に飽きてしまったのは、その独特のテクニック(例え話や文章のテンポなど)がクドく感じられたからなのですが、たまに読むとやっぱりいいなぁ、と思いました(*^v^)b*

あら、長文失礼しました。
返信する
幽霊たちが (iruka)
2007-03-05 07:16:53
生き生き(笑)と描かれてましたよね。
宮部みゆきさんはサスペンスだけではなく江戸時代の人情話がとても上手ですね。
長編だけど、結構あっという間に読めますよね!
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読みたいのがいっぱい (☆kino)
2007-03-05 22:38:40
>あもーれさん
オススメとあらば、是非読んでみなければねー!!
今までは宮部さんの江戸もの、読んだことなかったんです。
この「あかんべぇ」も思ったより可愛らしい感じのお話で 
和みましたわ。

>チェブさん
おお チェブさんもオススメの「蒲生邸事件」読まないとなぁ。
チェブさんもたくさん本読まれてますもんね。
今まで読んだことなかった作家さんの本を読むのは
楽しいですね♪

>sasayaさん
わーい お久しぶりです!!お元気ですか??
コメント書いてくださって嬉しいです。
へぇ ご近所ですか。
私なんかからすると、ちゃきちゃき"江戸"って世界でした。
玄之介さま、もっと読みたかったですね♪

>ボッサン
私もそうなんですよ。「火車」を一番最初に読んだし・・。
何事にも先入観はいけませんね。
「ハゴロモ」は昔のばななさんっぽくて良いですよね。
ずーっと続けて読んでいるとボッサンの仰るとおりで、
飽きてしまうのだけど(飽きるというか、もういいや・・・って感じになる)
久しぶりに読むと新鮮な感じもします。

>irukaさん
そう!ホント、生き生きした幽霊達でした。
目に浮かぶようで・・・。
サスペンスものより、人情モノの方に興味ありです。
これから読んでみようっと。
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Unknown (あん)
2007-03-06 12:05:06
あら!私も、つい最近読んだばかりです。途中で止められなくなりましね。
時代物と言えば『ぼんくら』も似た感じで、こちらは頭脳明晰な美少年が主人公だし、お初シリーズは超能力?!というか不思議な力を持っている女の子が主人公で、どれも読みやすくて引き込まれますね。
文庫本なのが嬉しい(新刊は、図書館にリクエストします)
つーわけで、宮部みゆき、大好きです。
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ファンおおし! (☆kino)
2007-03-07 08:22:18
>あんさん
へぇ~他のも面白そうですね!!
読みたい本、見たい映画がいっぱいあるのに 時間がなかなか(泣)
時代物、いってみようかな。ご紹介ありがとうございました!!
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宮部さんスキ (ミミヅク)
2007-03-10 17:35:57
一時期、おもいっきりはまりました。
長編から小品まで幅広いですよね。

お江戸の物の怪ものもスキです。

最近ご無沙汰しているのでまた読もうかな。
彼女の作品は読み出すと止まらなくなる。

(kinoさん、お元気?)
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ミミさんも! (☆kino)
2007-03-13 00:39:35
>ミミヅクさん
宮部みゆき、ハマりましたか。
私も時間ができたらイロイロ他のも読んでみたい・・・
たしかに、ページをめくる手が止まりません!

ちょこっとご無沙汰してますが、元気です!ありがとう~。
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