紅花寒染め

山岸幸一さんが染めた寒染めの紅花の下着が届きまし
今年はことのほか寒いし雪も深い
「染めの見学に行きます」
と言うより早く手順もあったのでしょう
あっという間に染めて送くられてきました

何回かこの寒染めにお付き合いしたことがあります
夜明け前に起きて染め始めます
一回二回三回と回を重ね最後に米酢を入れて色留し
それからが厳寒の外に出て小川に入り水洗い
何回も何回も洗っては空気に当て
また洗っては空気に当てる
此の作業を外でで見ているのも寒く萎えるのですが
ココが見学者の踏ん張り何処

そうして雪をバックに美しい紅花染めの布が翻ります
やけに色っぽい
白肌に紅色の下着ですからね
人が身につけているわけではナイのに色気を感じます

むかし幸一さんの師匠と幸一さんが寒染めをする現場を
取材したことがありますが
そのとき
そのおんな師匠は
「紅花は女よ幸一さんが糸を手でもむと気持ちよさそうに
染料をドンドン吸収するけど、私が糸をもむとちょっと抵抗するのよね」

何とも意味深な言葉を聞いてしまいました
ですから
紅花染めのきものを着るときは
ちゃんとお化粧をしないといけないと思ったものです