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毎日更新!中谷比佐子のきもの365日 Part2

きものの話題を毎日書きます。

100年前の江戸褄

2013年04月27日 | 日記
つれづれのお仲間の一人Tさんが
「ひいおばあちゃんの黒留め袖が出てきました」
とお持ちになりました
「生きていらしたらおいくつくらい?」
「130歳は過ぎていると思います。母の母その祖母のお母さん」

風呂敷から取り出した江戸褄(明治・大正・昭和の初期はこう呼んでいた)は
松だけが中心に描かれていて
松の中にいろんな小さな柄が描かれていました
小紋調子や刺繍やーー
「こう言う可愛い柄が気に入って何かに生かせないかトーー」
「色々と方法はあると思うのね」
・何処までもきものにこだわる
・帯とか羽織にする
・インテリアにしてしまう
・洋服や室内着にする

「できたらきものにこだわりたい」
まず解き洗い
きもの地が余り痛んでないことが分かりました
黒地のいろは少し焼けているけれどそのままつかえそうです
刺繍の糸が外れているけどそれは直せます
手描きの家紋は蝶の家紋
其れはこのままいかして上半身をこの蝶を増やして手描き
更に松の中にある可愛い小紋を上半身にちらばせて
訪問着として生まれ変わらせたらどうかしら

「やったやった!」Tさん大満足
さっそく上田染め工房に入院女医の環江っさんの手術を待ちます

若冲のきもの

2013年04月26日 | 日記
伊藤若冲という画家がいます
大胆でのびのびとした画風が大好きで
画集を良く眺めているのですが
ある日
「きものの柄にしたい」
という欲望がわいてきました
きものの柄になるような構図はありません

それで米原さんに相談したところ
若冲の花だけを取り上げようと言うことになりました
しかも花は白胡粉と白地を残すという方法です
二人で「やったー」と大騒ぎしながら
この菊の花、この桐の葉、このつた
とピックアップして博物館に本物を覧に出かけました

本物は圧倒される力強さがあります
其れをきものにどう生かすかですが
極端に色をセイブし奥行きを出すためにわずかな金こま刺繍をする
ということで意見が一致

後は彼にお任せ
透き通るような青、大人ピンク、くぐもった黄色、藤色、銀鼠
大輪の菊やツタ、百合、
若冲の力強さもありながら品のよい訪問着に染め上がりました

160センチ以上の方がお召しになりとそれはそれはスバラシイ
私は160センチに足りないので私だけは柄を小ぶりにしました
其のきものの初降ろしはパリの「オペラ座」
私ごとですがもう注目の的
一緒だったサチコさん我がことのように大いばりでした

七曜風水

2013年04月25日 | 日記
もう何十年も昔「七曜風水」というのを勉強したことがあります
其れをすっかり忘れていました
七曜ですから日・月・火・水・木・金・土
其れを太陽・月・火、火星・水、水星・木、木星・金、金星・土、土星
のそれぞれのエネルギーとあわせ其れがまた七つのチャクラと同会し
更に七色が生じるということで

すぐに凝る私はきものに無地の七色をそめ
その人の生まれた曜日を探し当てて無地のきものを身につけるということをしました
何となく怪しげ
これがまた人気でしたね

いつの間にかすっかり忘れていたら
そのときの無地のきものを持った方が
「昔のチャコちゃん先生と同じようなことを仰って居る方の本がありましたので」
と送って下さった

とてもとても若い方の本で
この七曜のエネルギーにあった生活をするといっぺんに強運の人になるというものです
軽やかな感じですのできっと若い方に人気が出るでしょうねえ

そうかもう一度きもののいろ決めを
この七曜風水にのとっても良いかしらと
そして今日は木曜日木のエネルギーを意識して
今の季節の木の色をどこかに身につけるときっと良いことがあるかもしれないですね

まとめてみましょう

きものくりまわし

2013年04月24日 | 日記
ご迷惑をおかけしました
今日からこちらに投稿できることになりました
昨日までのは「チャコちゃん日記」の方に投稿しておりますので
ご面倒でしょうがそちらをご覧下さいませ


今日はきものの繰り回しのこと
昨日伝統工芸士の上田環江さんがいらしていて
Mさんのお父様の羽織ときもの繰り回しについてご相談がありました
昔の男物の紬はほれぼれするほどいいですね
しかもそのきものを着ていらした父親の思いでもあり
そのまま箪笥にしまっておくのも可愛そう

それで
きものと羽織を解き洗いして
「さてドウしよう」
きものにはタバコの火を落とした後も有
それを手持ちの更紗の布で綺麗に伏せてありました
お母様がなさった針仕事ですね

きものを中心に考え羽織を従にしました
つまり「ふたかま」の縞の感じに仕上げると言うことです
渋い縞のきものができます
きものは平織りの唐桟縞でグレイかかった紺いろ
羽織は渋い茶の大島で小さな絣
想像するだけで姿態がすらりとしたMさんに似合いそうです

今はやりの男前のきもの
そうすると帯も甘さがない方が調和できるので
芥子色の地色に濃淡で百寿を片道に手描きした染め帯を合わせました

上田さんはまるで女医さんのようにきものを生きかえらせています
きものも喜んで楽しい時間でした

きものは光と影

2013年04月20日 | 日記
昨日から「やびや」の会を開催しています
この主催は米原新三さん
30年以上のお付き合いになりますが
きもの業界では一番はじめにアルマーニの洋服を着た方
いまはジョージヤマモト
常にフアッショナブル

和のジョージヤマモトのような作務衣を作り大繁盛
いまでもよく愛用している方をよく見かけますが
彼は素材を重要視するのでとても高くなるわけですね
それで安価な素材で作る人が多く
「其れではこの形は生きない」
とパターンを譲ってしまったようです

素材と色を大事にしたきもの帯作りをされているのですが
今回は
「きものは光と影」
レンブランのようなことを言い始めました

「きものを着た人が動くとき色や柄が光と影を演じ合うのが理想」
わかりますか?
「つまり立体的になるということでしょう?」
「マそうなのだが微妙に違う」
ほらこれね
ときものの反物を手にしてその微妙を熱く説明

「わたしきものをきています」
という目立ち方ではなく
きものがその人になじんでいて何だか格好いい
洋服の中にいても
男ばかりの集まりの中にいても
お茶室にいても
その人自身の存在が邪魔にならず格好良い

光と影は其れを見せると