奇面のPの気分日記

16進数表記ならば、まだ30代な、奇面のPの不定期日記です。。。

ボナンザという将棋ソフト

2006-05-15 23:48:17 | 趣味について
今日は断りきれない飲み会があり、やむなく参加してきました。お酒が全く飲めないうえに、仕事もまだ残っている&カゼもひいている私には何ともキツイものでしたが、まあこういうときもあります。

帰りに駅のKioskで「週刊将棋」なるものを買いました。それに少し「ボナンザ」という将棋ソフトの記事が載っていました。

「ボナンザ」というのは将棋界では話題のフリーソフトで、タダで入手できるにもかかわらず非常に強いです。私は将棋の力はアマチュア四段くらいはあると思うのですが、この「ボナンザ」様は、そんな私を一手5秒くらいの早差し(ボナンザは一手5秒、私は無制限(^^;;))で簡単にやっつけてくれちゃいます。その昔ファミコンで出た、セタの「本将棋」なんかと比べたら月とスッポン、いや、ドラ○ンクエストとスペラ○カーくらいの大差があります。そのボナンザの強さは将棋のプロ棋士たちも恐怖を感じていて、「あと何年したらプロがコンピュータに負けるんだろう」くらいの空気が流れ始めています。

しかし、今日読んだ記事で驚いたのは、そんな強いソフトを作った開発者は、実は将棋はまったくのシロウトの外国在住日本人だったということです。

将棋の指し手は、チェスと違い「持ち駒を好きなところに打てる」ため、すべての変化をしらみつぶしに検索していては処理量が膨大になりすぎて現在のコンピュータでは到底計算しきれなくなります。それが今まで将棋でコンピュータが人間に勝てない理由になっていました。そこで今までの将棋ソフト開発者は「いかに有効な手を絞り込んで先を読むか」言い換えると「いかに無駄な手を読まないようにするか」という方向性で改良していって、実際ボナンザにも劣らない強さに到達しました。しかしボナンザはちょっと違って、「すべての手を検索している」のだそうです(これは私が指していても感じたことですが、ボナンザの指し手には、単純な損得勘定では思いつかないような好手が混じっています)。当然このままだと処理が追いつかないことになるので、駄目な手を切り捨てていくための、指し手の善悪を評価するための“基準”が必要になります。その“基準”が、ボナンザの場合には非常に優秀、ということになりますが、私が凄いと思ったのは、その基準を「将棋はまったくのシロウト」という開発者が作成した、という点です。

ではどうやってシロウトが優秀な基準をつくったか?ですが、これがまた驚きでした。すなわち、プロの対局の棋譜を代表とする「強い人間の指し手の詰まった棋譜」を多数集め、そのデータをもとにして、指し手の善悪の基準を「コンピュータに自動生成させた」つまり「コンピュータに勝手に学習させて作らせた」のだそうです。なるほど、これなら確かに「将棋のシロウト」でも(「プロのプログラマー」であれば)できそうですね。

現在のボナンザは上記のとおり「全部の手を検索している」状態ですが、ここをもう少し改良して、指し手を絞り込めるようになれば、もっと強くなれそうです。さらに、他の優秀な将棋ソフトが、ボナンザの優秀な“基準”の良い面を吸収できれば、やはりもっと強くなれるでしょう。これはかなり近い将来、将棋においてもコンピュータが人間を追い越すかもしれませんね・・・
コメント (2)
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