私の町 吉備津

私の町 吉備津

細谷川のせせらぎの中に宮内の昔話が聞こえてくるだけです

2013-07-16 09:51:52 | 吉備津神社の神領「宮内」
 この宮内芝居に、ここの遊女たちによって招待された客はそれ相当の出費が必要だったのです。見物の場は遊女たちによって確保されていたのですが、その席での酒肴はもちろんご祝儀などその席での遊興の為の出費が相当必要だったと云われます。それにも拘らず、15日間その席は常に満席であったと当地の故老は話しています。そのような盛況が、今では想像もつかないような、遊女200人という数字にも表れているのです。これも故老の話ですが、一人の遊女が招待した客数で一番多かったのが五十数人を数えたと云う話も、まことしやかに、当地に伝わっております。それが、又、この宮内芝居の宣伝効果となり、岡山城下は、勿論のこと、遠く播磨、讃岐、安芸からも多くの客が芝居見物に来ていたのだと云われております。それらの影の功労者が岡田屋熊次郎でもあったのです。

 その面影を残すものは、この宮内にも何一つ残ってはいません、完全に歴史の中に溶け込んでしまっています。ただ、そんな昔噺だけが細谷川のせせらぎの中に聞こえてくるだけです