Cutting Edge on My Life

社会心理学者の筆者が切り取った日常[Academic Life/Social Life/IT Life]を書き溜めます.

マスコミと動画投稿サイトのつきあい方

2007-10-17 17:02:01 | IT Life
物議を醸した「プロボクシングWBC世界フライ級タイトルマッチ 内藤大助×亀田大毅戦」ですが,ボクシングの問題とマスコミの問題はきちんと分けて取り扱うべきでしょう.

ボクシングの問題は一応の決着がついたわけですが,これからはマスコミの問題だと思います.

反則教唆にかかわる「問題映像」は,TBSの著作物ですから,動画投稿サイトにアップされた映像を削除して回るのは,まぁ当然といえば当然かと思います.

私も著作権違反の思いがあるため,見に行きませんでした(問題映像は処分の日の「ニュースステーション」で初めて見ました)し,削除されたことに批判的なブログとも距離を置いてきました.

ただ,TBSも動画投稿サイトを利用するような大人の対応があっても良かったんじゃないかと思います.
投稿された動画を削除して回りつつ,自サイトで公開し,投稿サイトから誘導する.
こうすれば,ページビューが稼げて広告収入が上がるのではないかと思います.

視聴者の興味を引くスポット映像などをまとめたページを作るというのは,結構有効なサービスなのではないかと思います.

実際,問題映像のシーンなんて,後日試合の内容をDVDソフト化する際には,削除してしまうでしょう.捨てるゴミから経済的価値が生まれるのであれば,それを利用するに越したことはないと思うのですが.

著作権については,小寺信良氏や津田大介氏が言っていますが,「経済的価値を生むなら,まあ許す」みたいなスタンスは必要だと思うのです.

特に放送局は,視聴者から映像もらってスクープ映像的に流したりする(その著作権は自分のものにして)わけですから,今回の件でもある程度大目に見てもらえるような制度上の枠組みなり,上位機関(例えば,BPOなど)からのお墨付きなどがあればよいと思います.特に,今回は,著作権者にとって都合の悪い映像だったのでなおさらです.特に,放送局の都合として,視聴率を稼ぐためには倫理的にも少々グレーならやってしまうという,いわゆる「ヤリ得」の構図があるわけ(今回はまさにそう.TBSは内心ホクホクでしょう)で,クリティカルな言説を保護するためにも,何らかの配慮がどこからか与えられた方がいいように思います.

偏向報道の件については,TBSも十分反省してもらいたいと思います.今後の取り組みを十分注視していきたいですね.


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