『守護天使』 上村佑

心の病を持つキューピーは

時たま、現実と空想の世界を隔てる壁に

風穴があくことがある。

すると、心の中に巣食う魑魅魍魎が大暴れして、

おどろおどろしい世界に現実を変容させてしまう。

こんな僕がミステリー小説を読むことは不健康極まりないことで、

世の中のためにも、控えておいてしかるべきものなのです。

（え？すでに病気が入ってる？まあ、付き合ってよ。）


前回の入院の前には、宮部みゆきの『模倣犯』を読んでいて、

入院してから１ヶ月は、地獄の苦しみを味わった。

だって、心の中で起こった殺人事件が一つ一つ

現実世界に出現するんだもん。


ですから、僕の好みはラブコメ。

テーマは"LOVE & PEACE"。


この本を購入したのも、日本ラブストーリー大賞受賞作という

ふれこみがあったから。

ところがどっこい、十分に怖い思いをさせていただいた。



主人公は、50才のハゲサングラスデブ男。

この男が身の程知らずで、毎朝通勤電車で同じ車両に乗り合わせる

Ｆ女学院高等学校の女の子に恋をする。

そして、彼女の守護天使になることを決意する。


一方、彼女は「誰か私を見つけてください-----ある女子高校生の日記」

なるブログを書いていた。

このブログは、「誰か私を殺して！」なんて書いてあるものだから、

掲示板○ちゃんねるの［荒らし板］で標的にされ、

彼女は変質者から命を狙われることになる。

やがて彼女に襲いかかる魔の手。

果たして、自称「守護天使」は少女を救うことができるのか？



ブログも怖いね。

キューピーなんてあっというまに身元が割れちゃう。

どんな人が読んでるかも分らないのに、

僕はなんて呑気に大事なことを書き連ねてきたんだろう。

ちょっとは、考えを改めよう。

「誰も私を殺さないでね」