田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

33年前の中国訪問記(5)

2024年01月18日 | 遠い日の記憶

 10月8日(月) 黄山遊覧

 朝6時過ぎ、外はまだ薄暗い。若者が二人、観光客に山登り用の杖を売りに来ている。

 ロープウエー駅に行く途中で見た看板。国勢調査に協力することは国民の義務だ、といった内容のようである。こんな山中にとも思うが。

 発着所には長い列が出来ていた。通訳が別の窓口で切符を買い、早く早くと我々を急かす。少し気が引けたが、行列を尻目に別のゲートから乗り場に向かう。

 ロープウェイの乗車券。全長2,800m、高低差770mを8分で上る。三菱製で、毎年日本から技術者が点検に来ると聞いた。ロープウェイを降りてしばらく歩き、北海賓館に至る。この地区には主なサービス施設があり、黄山観光の中心である。黄山は入山料が必要だが、ロープウェイは別経営らしい。

 黄山は安徽省の南部にあり、中国随一の山岳景勝地である。風景区と呼ばれる地区には、海抜1,600mを超える70あまりの峰がある。「怪石、奇松、雲海、温泉」が黄山の四絶といわれ、中国画の故郷とも呼ばれている。世界遺産に指定されている。

 この日は快晴だった。通訳が、こんなに天気が良い黄山は珍しいと言う。山登りなら絶好の日和だが、水墨画の世界を期待していたので少し残念でもある。代わりに、下山するときロープウェイ駅近くの露店で黄山の写真集を買い求めた。

 下の方に雲海があり、岩肌の緑は松である。黄山らしい風景。

 台湾から撮影隊が来ていた。

 ポケットカメラで綺麗な写真ではないが、絶景である。雲の中ならば深山幽谷といった趣の風景。黄山には、松は「石を母とし、雲を乳とする」という言葉がある。傘をさしたような独特の樹形をしている。

 北海賓館を出て幾つかの峰に登り、名勝を見て回った。夢筆生花(絶壁峰の頂に筆のような松が一本ある)、猴子観海(猿が雲海を眺めている)、飛来石、排雲亭など見どころが多い。西海飯店で休憩。出がらしの豆で淹れたような不味いコーヒーを飲む。

 黄山の峰々は頂きまで石段が続いている。全山で6万段以上の石段があるそうだ。黄山観光は登山というよりも階段の上り下りである。却って足が疲れる。需要があるようで、駕籠かきの商売人がいた。

 北海賓館で昼食を摂った後、光明頂に登る。一人が途中で脱落し、帰り路で合流することになった。光明頂は海抜1,860m。気象台と売店があった。玉屛楼へ行く道だろうか、眼下に、馬の背のような稜線の細道を歩く人々が見える。左右は断崖絶壁である。道は石段のようにも見えるが、高所恐怖症の私には無理だ。

 黄山は気軽に高山の雰囲気を味わうことが出来る景勝地だった。いまは空路のほか、上海から高速鉄道が通じているらしい。

 私の写真では、素晴らしい景観をよく伝えられないので、紹介動画を貼り付けます。

 夕方早く下山して、ロープウェイ駅近くの雲谷山荘に泊まる。黄山市外事弁公室の女性主任が来訪。黄山市の概要について説明を受ける。疲れた一日だった。

 

 

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