4月23日(土)晴れ
人吉城~青井阿蘇神社~市街(昼食)~錦町・西乗寺
4月24日(日)曇り一時雨
川辺川ダム予定地跡~五木村・子守歌公園~宮園・大銀杏~五木温泉・夢唄(昼食)~旧相良小学校分校跡~相良温泉・茶湯
里~めぐり観音(川辺川)
ぼくが人吉・球磨地方を訪ねるのはこれが3度目だ。妻は学生時代にも来ており4度目になるという。球磨川の畔の城跡が好きなせいもあるが、なんといっても賀明さんや田端さんの故郷であるからだ。
お二人は大島高校の同僚だった。教員として初めて働いた伊豆大島で3年間を共に過ごした。二年目であったか、賀明さんが結婚した。念願かなって故郷から紀子(あきこ)夫人を迎えたのだ。ぼくも3年目の夏に結婚し、同じ教員住宅のお隣さん同志になった。馴染みのない土地で暮らす妻にとって紀子さんは心強いお友達になってくれた。
大げさに言えば24時間生活丸ごとのつきあいだった。
僕らはしょっちゅう集まって大島高校の改革について議論した。そのたびごとに女性二人は料理をつくってくれた。
偏食の強いぼくは餃子も食べられなかった。賀明さんや田端さんが手作りで食べさせてくれた。磯釣りの手ほどきもしてくれたが、ぼくは磯で寝てばかりで身に付かなかった。
あれから40年あまりが経ち、この4日間、故郷に帰った賀明・紀子夫妻を訪ねてゆっくりと過ごさせてもらうことが出来た。
どこがみたいとか、そういうことは格別にない。日常の生活の中にお邪魔してお二人を育んだ人や土地、お二人の人生の一端に触れることが出来ればそれが最高だ。正にそんな3泊4日になった。
賀明さんのブログ「だんだんなー」にこの4日間が紹介されている。
●「だんだんなー」http://blog.goo.ne.jp/fsfc-gamei/e/fcf58e9a60bf43a457d1a4e1048934c2
23日は4人で人吉城をゆっくり散歩した。球磨川の畔に聳える中世以来の相良氏の居城跡。ぼくはここのたたずまいが好きだ。今回初めて本丸跡まで登った。紀子さんはなんと、ここまで登るのは初めてだとか。
午後は紀子さんの実家でもある隣町の西乗寺を訪ねた。弟さんご夫婦は賀明さん宅の夕食会にもつきあってくれた。和洞さんには10年余り前にお寺を訪ねてお目にかかっているが、奥さんの累子さんは初めてだ。大隅の垂水からお嫁さんに来られたという。はきはきして機知に富んだかわいい方だがどっしりと腹の据わった女性ともお見受けした。遅くまで話の輪に加わってもらって焼酎がいっそう進んだ。
24日に連れて行ってもらった賀明さんの育った相良村の小学校の分校跡やめぐり観音付近の川辺川のたたずまいも心に残った。
ここは今も彼の釣りの重要なスポットだが幼い日、カッパとして日がな一日を過ごした場所でもある。どのあたりだったか、学校帰りに近道をするために勉強道具を頭の上に載せて川辺川を泳いで渡ったとも聞いた。
川辺川ダムは中止になって清流は残ったが上流の五木の村の風景は一変していた。旧村は跡形もなくなり、丘の上に新しい村が創られていた。ぼくにはまだしっくりしない感じに見えた。
この村は、この川はこれからどうなっていくのだろう。ぼくにとって「五木」は遠い昔、子守歌を耳にしたときから、日本の秘境であり、「ふるさと」である。今はもう秘境とは言えないが人々の「ゆたかな」生活がある「ふるさと」であり続けて欲しいと思う。