くまがい桂子 の  エッセイ  「木もれ日あびて」

「民報ゆうばり」に隔週で掲載している
エッセイ「木もれ日あびて」です。

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「日本、米式から脱却し、アジアの自立先導して」マハティール・モハマド(前マレーシア首相)

2004年09月13日 | Weblog
 ~(日本経済が)「失われた十年」と言われるほど低迷したのは?
「日本が米国の政策をコピーしようとしたからではないか。日本の文化は米国と同様ではない。リストラに対する社会の受け止め方が違うのに、企業が収益のために米国を見習ってリストラを進めたのがこの十年だ。」

 ~経済のグローバル化を批判なさっていますが?
「情報や資本が国境を越えてゆくグローバル化そのものを拒んでいるのではない。いまのグローバル化は米国主導で進んでおり、米国には利益を与える。」「米国は他国が自国産業に補助金を与えていることを非難しているが、米国も農産物を保護し、多額の補助金を与えている。

米国は炭酸ガス(CO2)の削減計画を定めた京都議定書に従わず、われわれは従っている。そこでもマレーシアの産業は米国に比べコスト面で不利になっている。米国は包括的核実験禁止条約にも批准せず、核実験を進めている。米国は国際法などに縛られずに自分自身のやり方でやりたいのだ。米国のやり方には従えない。」

 ~日本がアジアでリーダーシップを示すべきだと?
「日本は第二次世界大戦では失敗したが、今は近隣諸国といい関係にあると思う。フランスとドイツは過去に百年間も戦争した経験があるが、もう平和を維持しようと決めた。欧州と同じようなことがアジアで起きないとは言えない。日本の活躍する場はある。」

 ~日米の理想的な関係はどうあるべきだと思いますか?
「友人であるべきだ。日本は、『イラクを攻撃すべきではない』と助言すべきだった。一緒に戦った英国でさえ、米国に助言しようとした。

英国と日本が同じ意見で、さらにフランスとドイツも同じ意見だったら、米国は聞く耳を持ったかもしれない。米国の決めたことを支援するという関係は一方通行の関係だ。それでは友人の関係とは言えない。」

朝日新聞  九月十二日「同盟経済」より