くまがい桂子 の  エッセイ  「木もれ日あびて」

「民報ゆうばり」に隔週で掲載している
エッセイ「木もれ日あびて」です。

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情報の渦の中で

2005年07月26日 | Weblog
 私のHPのブログにネット右翼の大襲来を受けました。
 今回は扶桑社の「新しい歴史教科書」と従軍慰安婦問題にかかわっての記事でした。
ブログには読んだ人が自分の感想を記入できる機能や、自分のブログをリンクできる機能があり、それを利用したものです。
 誹謗中傷の記事をネット上の掲示板などにも書き込まれ、右翼系の人、こちらの応援団、一般の方たちを含めて、のべ八千人が、また、一週間を過ぎた現在でも、一日三~四百人の方々が来訪されています。
昨年の春から「平和・暮らし・自由を守りたい」との思いでインターネットでの情報発信を始め、今年の春からは応援団の方たちのアドバイスで、HPをオープンすることができました。
その中で特に平和情報には力を入れてきました。
今の日本のマスコミは、報道しないことが多すぎる、それをインターネットで発信する人間が増えていけば、必ず誰の目にも真実が見えてくるはず…。そんな考えからです。
 この地球上で起きた、さまざまな事件や事象が、自分たちの暮らしにどんな影響を与えているのか。
現在のままでは数十年先にはエネルギーも食料も足りなくなるという科学者の予測に対して、子どもや孫たちの世代に向けて今、私たちがしなければならないことは?
私はその視点で、今後も情報を発信していくつもりです。
 現代の日本は新聞・テレビ・雑誌・インターネットと情報の渦の中での暮らしです。
 一人一人が気になることを調べ、信頼できる情報か否かを判断し、個人の責任でどんな意思表示をし、どんな行動を起こすのか(当然、法と良識の範囲で)、起こさないのか。
 その一人一人の考え方、意思表示、行動が、今後の日本を創っていくのだと思います。
 国民は主権者なのですから。

生と死の画家たち

2005年07月06日 | Weblog
七月二日、札幌で開かれた北海道母親大会に参加してきました。
 記念講演「信州の二つの美術館からー生と死の画家」と題して「信濃デッサン館」「無言館」館主の窪島誠一郎さんのお話を、お伝えします。
 窪島さんはご自身の半生を語りながら、無言館への思い、反戦・平和への思いを語ります。
 戦争中、大学を繰り上げ卒業というかたちで召集された画家の卵たち。
出征の直前まで愛する家族や恋人を描きつつ、「生きて帰って必ずこの続きを描く」とキャンバスの裏に書き残し、約束しながら、戦場で息絶えた大勢の若者たちの無念。
この戦死した一人一人が、家族の元に残していった一枚一枚の絵が一堂に会せば、妻・恋人・妹・父母たちに支えられている命の喜び、生きている証が、戦争の不条理さが、誰の心にも自然にわいてくるのではないか。
残された一枚一枚の絵を集める作業、その絵に託された六十年前の若者の思い、手元に残った絵を六十年間大切に抱いてきた家族の思い。
戦後六〇年、高度経済成長が終わってみれば、親が子を殺し、子が親を殺す。「人を信じる力」「心と心でする握手」など、どれだけかけがえのないものを失ってきたか。
「生命」と書く「いのち」は、個々の人間が心して生きないかぎり、獲得できない。
人間という生き物は、感動の物語を伝えていく生き物。
人に伝える義務があり、またそれが生きている証でもあり、そのネックレスが社会をつくっている。
人間は誰でも「小さなスケッチ帳」を持って生まれてくる。そのスケッチ帳に、すばらしい絵を残そうではありませんか。        
(以上、講演の概要です)

…さて、あなたはスケッチ帳にどんな絵を残しますか?