くまがい桂子 の  エッセイ  「木もれ日あびて」

「民報ゆうばり」に隔週で掲載している
エッセイ「木もれ日あびて」です。

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イラク開戦から一年 3・20国際行動

2004年03月23日 | Weblog
「イラク撤兵を」世界巡る…
数百万人が「米英侵略ノー」という見出しに米、マディソン街を埋め尽くすデモ参加者の写真。(二二日付日刊赤旗)ローマに約200万人、政権交代後のスペインではバルセロナで二十万人、マドリードで6万人、ロンドンでは10万人、ニューヨーク、ロサンゼルスなど全米三百ヶ所で数十万人、ほかにはエジプトなどの中東諸国、ベネズエラ、エルサルバドルなどの中南米諸国、インドなどなど世界各地で反戦行動が取り組まれました。
 
東京では三万人、札幌、旭川、函館、釧路、室蘭、帯広、苫小牧、岩見沢など日本全国で約40万人の人たちが「戦争と占領に反対する地球的行動の日、3・20共同行動」に参加しました。
数百万人が目的を一つにした、この地球規模での行動に対して、日本のマスメディアはどう報道したでしょうか。

道新・朝日とも一応は載せてはいたものの、この規模に見合う記事とは言いがたい。
NHKでは二十日、夜7時のニュースで東京の様子をほんの一瞬だけ(私のみた限りでは)。

 二三日日になって、朝日の『ポリティカにっぽん』という欄で「スペインはテロに屈した、日本は屈するなという政治家や新聞の議論について、スペイン国民の大多数が反対していたのにブッシュ支援にしゃしゃりでた政権への怒りに火がついたということではないのか。「テロ、ノー」のプラカードを掲げて、スペイン全土で一千万人の人々。

あれは「テロとの戦い」がテロを生み出す不条理な戦争はもうやめようという怒りではなかったか。日本の反戦デモって三十人か五十人くらい?って僕に聞く人もいるけれど、1万人も2万人も歩いたよ。

しかし報じないテレビや新聞もあるからね。みんな普通の人々。おや、薬害エイズの川田悦子さん、龍平君の母子も。生ぬるいと笑う人もいるけれどいつ何時、スペインのように爆発しないとも限らない。」(朝日新聞 早川透)

黄色いハンカチから平和憲法へ

2004年03月08日 | Weblog
前回、香山リカさん(精神科医)の「イラク派兵を感情問題にすりかえて、追認していることが問題。」というコラムと、山田洋次さん(映画監督)の「黄色いハンカチが派手でイベントのようになる中で、イラク派兵が憲法違反ではないかという重要な論点が消えてしまうのが不安」というコメントを紹介しました。

その黄色いハンカチ運動が、ある自衛官の一言から端を発し、自衛隊OBを通じて経済人有志が触発される形で始めたこと、そして旭川のみならず、東京では「海外派遣自衛隊員を支援する国会議員の会」が発足。

案内書には旭川同様に「派遣の是非を論ずるのではなく、自衛隊員が無事に帰国することのみを切望し・・・」と。イラク派遣反対を主張した民主党の三十一人を含む超党派の国会議員で、現在約二〇〇人を超える。

山口二郎教授(北大大学院)は、石破防衛庁長官までも名を連ねる会について、「ブッシュの戦争に加担したという批判を封じ込めるため(派遣の是非論から隊員の無事を祈る心情論に)問題をすりかえた」そして「自衛隊員たちは(国会議員に対する批判の)弾よけに利用されている」と運動の政治利用を批判。

吉田裕教授(一橋大大学院)によると、開戦後戦争追認の流れが強まるのは、日本に限らない現象だが、「常に本質的な問題を考え直さなければいけない。無事に帰ってきてほしいという心情論だけに流されてはいけない。」(三月八日付道新より)

・・・「人類進化の歴史がDNAに刻まれているとすれば、人類の英知の歴史は憲法にこそ刻まれていると言うべきでしょう。」これは一九九五年九月の第四回憲法国際学会世界大会でのある挨拶の一節です。

いま、憲法がとても軽く扱われています。 (中略)日本国憲法には、この国の過去を踏まえながら未来を見通した様々なメッセージが包み込まれています。それを再発見し、読み解くことは、この国の将来のためにとても大切なこと。複雑な国際環境のもとで、この国が誤ることなく歩んでいくために(後略)・・・水島朝穂教授(早稲田大学)HPから。