
コロナ禍で、すっかりつけないことを習慣にしてしまった腕時計、どれも電池切れのまま放置してあった。新しい時計を買う気持ちは微塵もなく、手持ちの時計4人衆を手入れしつつ使っていきたいと思っている。とはいえ、エルメスとは約10年前に喧嘩別れしている(笑)
主人にもらった時計をはじめ、いつまでもしまっておかないできちんとオーバーホールして使おう、父の形見の時計を修理してもらったところに持ち込もう、と思いつつ1年くらい経ってしまった。
先日思い立ってそのお店のホームページにアクセスして、持っている腕時計4点の電池交換、必要であれば分解掃除をお願いしたいと申し込んだ。記入事項の中に任意だけれど「どこでうちを知ったか?」という欄があった。そこに父の柱時計のことを書いて送ったところ、今回もご用命いただきありがとうございますというメールが届いて、手続きに入った。
その返事に、上の写真を送って「遅れ気味だけど元気です」とお知らせした。
そしたら
掛け時計のお写真もありがとうございます。
時計の時針が少しずれているようなので、正時(4時ちょうど) のタイミングで短針だけ動かして合わせて頂いても大丈夫ですので お試しください。
また、遅れ気味ということで御座いましたので、 時間調整の方法をご案内いたします。
振り子の下についていますネジを右に回して頂くと振り子の重りが 少し上にあがり進みに調整できますのでお試しくださいませ。
回しすぎると大きく進みますので1/4回転ずつお試しください。
この度もどうぞよろしくお願いいたします。
店舗に行かなくてもいいように時計を送り返すボックスをお送りします、というお返事のメールに、上のようなアドバイスが書かれていた。写真を見ただけで、時針がずれているようなので調整してみたらというアドバイス。遅れ気味と伝えたら、調整のアドバイス。驚くしかない。プロとしての知識だけじゃなくて、顧客に対する親切な姿勢、そして何より時計に対する愛情。
いいお店に修理をお願いしたんだなぁと、父が作ってくれたご縁に感謝した。翌日にはヤマトで時計を送り返すためのボックス(梱包材入り)が届き、その日のうちに時計1個あたり1枚の修理申込書を書いて、クロネコに持たせた。

どれも持ち主同様年季が入っている(笑)
到着後、早速内部状態を診断してくださって、対策の提案をいただいた。
左から:クリッパーは電池切れ、油漏れなし。内部に2016年に修理したという記録があったらしい。ロードスターは電池切れ、油漏れなし。よってこの二つに関しては、分解掃除と電池交換をお願いした。黒いフェースのクロノはパペチュュアルカレンダーという珍しい機構のクオーツ時計で、分解掃除するようにはできておらず、ムーブメントごと交換が必要。修理担当者の見立てでは液漏れもないので電池だけ交換して様子を見て、実際に不具合が生じてからムーブメントを交換されてはいかがか?ということだったので、修理をお願いした2点が引き渡し可能になるまで、電池交換して様子を見ていただくようにお願いした。チャーム付きの1番右の時計は、部品はすでに製造中止。液漏れがあり、歯車の油切れと内部湿気入りがみられたとのことで、仮に分解掃除をするなら本体価格よりも高くなり、交換部品が必要となっても対応ができないので何もせず無償返却となる、とのこと。涙を飲んで何もしないことにした。
お気に入り時計四人衆から三人衆になるのは残念だけど、その分1個あたりの登場頻度は高くなる。この修理屋さんが、三人衆の電池交換をふつ〜にやってくださることがわかったし(=エルメスに行かなくてもいい;笑)、これで修理の履歴が残るだろうから、今後も何かあれば持ち込めばいいので、一安心だ。6月上旬にはお店にお迎えに行くつもり。これでまた腕時計をする暮らしが再開、コロナの影響とも完全決別だ。
ちなみに父の形見の柱時計、言われた通り重りを微調整したら、魔法にかけられたかのように遅れなくなった。大量生産品なのに70年経っても、ちょっとしたケアで正確に時を刻んでくれる。すごいよね〜。これからも何かあったら相談しようと思ってる。
先日うっかりお風呂に同行😨💦
大丈夫か心配です
当時はチョツビリ高かった…
良い職人さんに出会いましたね
僕も現役時代にカッコつけてブルガリの時計を2個使ってましたが、今は箱の中で止まったまま。
毎日の散歩にはSEIKOのソーラー電子時計を着けてます。
奴らを復活させる気はせんな~。
プロよね〜
そういえば富山で昭和レトロ館にいったときに、人の時計の修理はしないと館長さんがおっしゃってました。
修理したら我が子のような気がして返したくなくなるんですって。
プロは涙をのんでかえすけど、返した先でも健康に気遣うんだ〜って思いました。
https://blog.goo.ne.jp/kebaneco/e/397b8c73d23392a96a648e9fd16b8826
ロンジンのデザイン好きです。
今回退役が決まったオブレイ(一番右の)に似たデザインの時計もありますね。
四角いフェースの時計はあたしの初めて持った腕時計のデザインでもあり、
ドルチェヴィータ(甘い生活)というタイトルも
お気楽kebaにぴったりで(笑)ちょっと心惹かれます。
時計の修理、もしも相談したいということであれば、こちらの記事の下の方にちょっと情報がありますのでご参考まで。
https://blog.goo.ne.jp/kebaneco/e/9d2d088720deeb9ce0a3b18f9e3fdd33
修理したら使ってくださるようなお知り合いはいらっしゃらないんですか?
デザインにもよるけど、玄関近くに置いておけば、小さい置き時計的に使えたりしないのかなぁ?
などと第二の時計生を妄想するkebaです。
どんどん買い換えないといけない時代になってしまいました。
昭和の時代までは こうして丁寧にメンテナンスをしては使い続けていました。
今は時計屋さんも減りました。
商店街やデパートでは 販売のプロの方の対応や購入後のサービスに
満足を得たものですが いまは大型の店舗に 入れかわり立ちかわり
テナントが出たり入ったり 通るひとの目を引く商品を並べて
同じような声かけをして なんだかなあ~とおもいます。
そうなんですよ、修理するより買う方が安い、という「殺し文句」が横行して久しいですよね。
この修理店は、ホームページで方針を明確にしています。
傷も時計との歴史のうちなので、無駄に削って表面を綺麗にしたりしない、
部品も簡単には交換せず使えるものは使う、です。
それが、父の時計を修理するときの決め手でした。
それってでも技術があって初めて成立することですよね。
修理しなくなった日本の製造業、大丈夫かな?