すごく面白いってそこかしこで聞いていたのですが、やっと読むことができました。すごく面白くて一気読みでした。今まで読まなかったのは、有名すぎてノーマークだったのと、そのタイトルから、勝手に想像して凄いマッチョでダーティーな主人公の話だと思っていたからなんです。でも、違ってました。正義を貫き、いろんなものと闘う、熱い男の話でした。面白すぎて、全館読破決定いたしました。それにしても、新宿鮫、これが他の地名だとどうなるでしょう。京都鮫、長野鮫は、鮫いなさそうだし、北海道鮫、沖縄鮫、本物の鮫はいそうですが、シリーズ化するには、敵が限定されそうです。広島鮫もしかり。舞台はやはり、人がうじゃうじゃいる大阪か東京でしょうか。大阪も、すごく、いい感じですが、作者が東京なので先に進みます。吉祥寺鮫、シモキタ鮫、渋谷鮫は全然ダメ、場末感が希薄です。秋葉原鮫、中野鮫、八王子鮫、サメ感全然なし。浅草鮫だと人情ありすぎてホンワカしそう。ギロッポン鮫、池袋鮫、この二か所はけっこうよさそうですが、やっぱり鮫は新宿が一番。いろんな国の人がたくさんいるのもそうですが、やっぱり全国的に有名な歌舞伎町の存在がでかい。ロフトやユニオンしか新宿に用事はなかったし（ハイチはカレー食いたくて行きました）、飲むときはしょんべん横丁だったので、歌舞伎町にいったのは数回しかありませんが、まさに、日本のメルティング・ポット、新宿なら鮫はいます。
映画の中の音楽にハッとする
ちょっと前に見た映画ですが、この映画を見て以降、映画と音楽の関係について気になるようになったので、書いておきます。映画と音楽って、記憶の中の香りと一緒で、そのサントラを聞くと、映画のことが思い出されます。ロッキーとテーマ音楽がセットのように。でも、この映画を見て以来、劇中で音楽が流れると違和感を感じるようになりました。盛り上げるために音楽が起用されるのでしょうが、日常生活で、音楽は流れません。ライブに行ったり、ステレオの電源を入れたりしなければ、音楽は生活の中にはありません。恋が成就したり、ヒーロが敵をやっつけたり、犯人がわかったりしたとき、音楽は流れないのです。この、映画の中では、音楽は、主人公のいる場面で、実際のバンドが突然出てきて、音楽を奏でます。ヘンテコですが、音楽が場面の一部で流れるって、こういうことだと気づきました。だから、音楽が流れるはずのない場面で音楽を使う映画に遭遇すると、あっ、この監督、盛り上げるために、安易に音楽使ってる？って思うようになっちゃいました。
J.J.cale チェリー
クラシック音楽をいいなって思いたくて、通勤途上、10年以上聴いているのですが、未だにその瞬間がきません。たぶん、私の想像力が足りないんだと思いますが、演者による違いにも気づけません。クラシックにはまる人は、ワインや日本酒みたいに、その違いを味わって聴いているんだろうなと思うと羨ましいです。ただ、そんな私でも、映像と合わさると、凄くいいなって思う時があります。この映画の中でも、時系列を表すのに、クラシック音楽の演奏シーンが随所に出てくるのですが、みんなとてもいいんです。ラモー、ドビュッシー、ラベル、メシアン、シェーンベルクやリゲティも弾かれます。エジソンによって音楽の録音ができるようになって、現在のように音楽を感じる手段として、聴くことが前提になった世界では、演奏家は特別な職業になってしまいましたが、バッハ以降、ピアノが発明された頃は、スコアを手に入れ、弾くことが音楽に触れる喜びだったのでしょうか。家族に不幸が起こり、やり直すことができない過去のきっかけを背負ったまま、主人公は現実世界を彷徨います。映画を見た後、わからなかったことが多かった時、ネットで他の人の感想を見たりしますが、みんな、いろいろわかっててすごいなと思います。すごく単純な映画も好きですが、多くを語らない映画も好きなので、わりと見ますが、これもそんな感じです。家族と乗っていた古い車に乗って、主人公が歌う音楽はJ.J.cale。とてもいい歌です。
