Parc d'X

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3月12日(土)のつぶやき

2016-03-13 05:13:30 | 日記

The Economist | After Moore’s law: Double, double, toil and trouble
economist.com/technology-qua… via @TheEconomist


スティーブ・エリクソン『Xのアーチ』文庫版で三度目の読了。我がオールタイムベストは読むごとに真っ直ぐな激情に打ち抜かれる。愛と自由の相克こそが最も取り返しのつかないことで、どちらか一方がひれ伏す時、歴史はねじれ歪み多元化する。本当にそうだと思う。その誠実さがアメリカと世界を創る。


ある言葉は、それを深く深く考えた人間によって支えられているのだと思うが、スティーブ・エリクソンが幻視するアメリカは、人種や民族や宗教の混交の果てに映画ですら表現できないアメリカとして立ち上がってくる。言うまでもなくそのアメリカは、これからの世界そのものだ。


見てきたような強靭さは、見てきたものに鍛えられながら、見たかどうかもわからぬような夢、あるいは悪夢によって支えられている。アメリカンドリームを体現する一攫千金のすぐ裏側の現実は、支配と被支配の血腥い抗争だ。エリクソンのまっすぐな視線は、その矛盾を貫き、善悪の彼方をむき出しにする。


人間誰しも奴隷を一人は持っているものだと、エリクソンは言う。愛は所有を内包する。自由は孤独の別名だ。新自由主義が浸透するアメリカの魂はどう震えていくのか、憲法を起草した人々を上回る魂は現れるのか、歴史を書き換えるのは、立ち上げるよりもはるかに難しい。


言葉を残すのは一生の仕事、言葉を書き換えるのは一生かかってもできるかどうかわからない仕事。


リフォームほど難しいものはない。



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