まずは食料自給率の算出方法から。
日本はカロリーベースで計算しているが、ほとんどの国は生産額ベースらしい。
ちなみに、
カロリーベース 39%(米を除くと 27%)
生産額ベース 68%
重量ベース 60% となる。
「日本の食料自給率まったく問題ない派」は、この算出方法などを引き合いに出し、問題ないのでは、と言っている。
などと調べていたら、こんなブログを発見。
http://ameblo.jp/takapon-jp/entry-10323112093.html
さすが、「六本木で働いていた元社長」!
(他にも同様の意見がたくさんあり、検索すると、「問題ない派」のHPが上位にくる。)
穀物自給率だとこんな感じ。
アメリカ 279%
北朝鮮 53%
日本 27%
算出方法がどうであれ、日本の食料自給率は100%ではない。
では、食料自給率が低いことの問題点は何だろう。
1.輸入がストップしたらどうする?
食料を輸入に依存していれば、当然、戦争や異常気象、世界恐慌などで輸出がストップする恐れがある。それ以前に、食料が脅しの材料になるのである。軍事力、石油がなくても我々は生きることができるが、食べるものがなければ餓死するしかない。
2.農薬などの安全性の問題
農薬やBSE問題などのチェックができないということ。また、収穫後のポストハーベストの問題もある。人間、他人のことはあまり考えないからね。金儲けが絡めば尚更。
3.日本の農業が潰されるかもしれない
外国からの安い食料が入ってきた場合、日本の農業が成り立たなくなってしまう。これは過去に、小麦・大豆、牛肉・オレンジとやられ、次は米が狙われている。今だって、農業やってるのはじいちゃんばあちゃんばっか。後継者がいない。
4.農業と日本文化の密接な関係
日本の文化は、稲作と密接な関係がある。日本の稲作農家が潰れて水田がなくなったら、日本文化の根幹を失うことになる。自称「日本大好き派」はだいたい「問題ない派」なんだけど、それでいいの?「日本大好き」じゃないことがばれちゃうよ。
食の問題は原発問題と一緒で、様々な要因が絡んでくるために、ある意味どういう結論も持ってくることができる。(複雑にして、訳わからなくするのも作戦)
しかし、シンプルに考えれば簡単である。
食べ物は、人間が生きるために絶対に必要なものであるということ。
資源や工業製品がなくたって、人間は生きていける。
今の生活を維持することが前提なのか、人間の根本的な生活が大事なのか。
(あるいは、今しか見ないか、未来を見つめるか)
今の生活を維持しようとすれば、経済も環境も崩壊するだろう。
いかに安全に、ゆっくりと山を下るかである。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/4ef2ba2d5def229bfaad58f6ac53fd98
TPPの問題は、農業への打撃に留まらないのだが、そもそも、農業と工業を同じ天秤にかけること自体に無理がある。
(さらに、商業=サービスをも天秤にかけようとしているのだから)
農業を潰すのは、国際金融資本の第一の目的である。「世界をベネチアにする」
なぜならば、農村の自給自足では紙幣は使われないから。
農村部の過疎化、都市への人口集中は、彼等にとって都合のいいことである。
(だからといって、彼等が陰謀の正体と言うつもりはない)
今都会では、米がどうやってできるか知らない子もいるらしい。水田や稲を見たことがないのである。
これからの時期、山に登って平野を見下ろしてみてほしい。
眼下にきらきらと銀色に輝く水田が広がり、その中を太い川が、まさに龍のようにゆっくりと流れている。
商店街や住宅地がいかにちっぽけなことか。いわんや人間をや。
この川と水田に生かされている