かはたれのジエン

イタチの最後っ屁 ・・・なので、コメントにも屁を垂れるしかできませぬ

一千年紀

2013年04月02日 | よしなしごと 

 一昨年、死ぬ前に源氏物語でも読んどくかと思い、読み終えた。
 もちろん、現代語訳、瀬戸内源氏である。sagami

 読む前にいだいていた源氏物語のイメージとはだいぶ違った。
 光源氏という名のプレイボーイが織りなす数々の女遍歴。(同僚は「平安エロ小説」と呼んでいた)

 全然違うのであ~る。
 いきなり、女に逃げられ、しかたなく隣の生娘に手を出す。
 通ってた女が死んで大慌て。
 ロリコン伯爵顔負け小学生に手を出す。
 かと思うと60歳近くの婆ちゃん相手に親友と戯れる。

 まあ、特異な関係だけが物語になるのだろうけれど、それにしても、である。

 何よりも「困ったことで」いう感じで書かれており、女性が「まったく男ったら、いつまでもしょうがない」と言っているかのよう。

 プレイボーイが女をもてあそぶというよりも、女の掌で踊らされているという感じ。
 瀬戸内寂聴さんは、女性差別の視点で解説していたが、ちょっと違う印象を持った。

 「こうしたら、ああなる。ああしたらこうなる。どうしたらいいかわからない」とか「周りの人がどう思うだろうか」など、つくづく「日本だなあ」と感じた。

 宇治十帖の方がおもしろい。
 特に「浮舟」。(2日間やりまくり)

 好みは「朧月夜」。

 1000年前にすでに、天皇の子が実子ではない、と書かれており、それが貴族達のベストセラーになるのだから。

 それにしても、1000年前に女性がこのような小説を残すという日本文化はすごい。(女性が読み書きをできる文化はそうなかったという意味)

 円地源氏がおすすめかな。(瀬戸内源氏は「ですます」調が読みづらい)
 橋本源氏も個性的だが。(彼の「徒然草」はよかった)
 大塚ひかりはエロ過ぎ。(余韻がないね)

 原文にも挑戦してみたい。
 何せ「夕顔」の冒頭、「白き花ぞ、おのれひとり笑みの眉開けたる」なんて、絶対に訳せないよね。

 残念ながら、歌心がないため、おもしろみは半減していると思う。
 ぜひご一読を。

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