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免償のある祈り(免償の詳しい解説付き)

2022-09-04 15:26:43 | 日記
【免償のある祈り】

免償とは、赦された罪に対する現世での罰が神から赦されることです。正しい心構えと定められた条件を満たすキリスト信者はこの赦しを教会の取り次ぎによって得られます。教会は救いの奉仕者として、キリストと聖人たちが得た償いの宝庫から権威をもって分配し適用します。(教皇パウロ6世、免償についての制定法より)

免償をもし適用しようと望む死者が、まだ煉獄(死後の清めの状態)にいるのであれば苦しみの赦しを神に願うことによって、常に代願という形で死者に適用する(ゆずる)ことができます。(現代カトリック事典)

清めの状態(煉獄)にある死者も同じ聖徒の交わりの中にある人びとですから、わたしたちは彼らの手助けをするができます。罪のために受けなければならない有限の苦しみから解放されることを願って死者のために免償を得る、という方法がとくに勧められます。(カトリック教会のカテキズム第1479項)

 免償には「全免償」と「部分免償」があります。有限の罰の一部を免除するのが部分免償、その全部を免除するのが全免償です。どちらもその恵みを煉獄の霊魂のために譲るができます。全免償は一日一回のみ、部分免償は一日に何度でも受けるができます。

【解説】

罪というものは、どんな罪であれ、その人に影響を及ぼさずにはおきません。たとえば、ある人が人を傷つけたとします。その怪我のため、傷つけられた人は入院しなければなりません。この場合、「人を傷つけた」という罪はゆるしの秘跡を受けることによってゆるされますが、怪我を負わせた人への償いと同時に、裁判の結果により、刑に服さなければなりません。それが有限の罰といっていいでしょう。

私たちが罪をおかすとき、ゆるしの秘跡によって罪はゆるされたとしても、罪自体が必然的にもたらす悪の結果は残ります。それを罰といっています。

私たちがゆるしの秘跡を受ける時、司祭から「償いとして~」と言われます。今はほとんど、償いとして祈ることが命じられることが多いようですが、昔、教会では、長期にわたる償いも命じられていました。それを免除したり、期間を短くしたりすることが、免償の始まりだったのです。


いずれの免償を受けるにも、次の三つの条件を満たす必要があります。

(1)大罪のない心
(2)免償を受けたいという意志
(3)免償を受けるために教会が定めた事柄を果たすこと。(以降参照)

それに加えて、全免償のためには、次の四つの条件が必要です。

(1)小罪さえもない心
(2)ゆるしの秘跡を受ける。(ゆるしの秘跡を受けた前後一週間ほどの間に、全免償 
   を受けるができる)
(3)聖体拝領。一回の拝領につき、全免償を一回受けられる。全免償を受ける当日の
   拝領が勧められる。
(4)教皇の意向のために祈る。「主の祈り」「アヴェ・マリアの祈り」を一回ずつで
   十分であるが、他の祈りを自由に選んで祈ることもできる。

【注意点】

●まず、免償は本人に与えられます。まだ生きている他者に自分の得た免償を与えることはできません。
●全免償も部分免償も死者(煉獄の霊魂)のためにはいつでも与えることができます。

*祈りには、免償が与えられると教会によって規定されているものがあります。

A.部分免償が与えられる主な祈りと信心業

(1)B.全免償の項目にあげられた祈り(十字架の道行き、ロザリオを含む)を、全免償の
   条件を満たさずに祈る場合。
(2)自分の務めを果たし、生活上の苦しみを耐えながら、謙遜で信頼に満ちた心を保ち、
   心を神に向けて、「射祷」をひとつでも唱えます。射祷は、心の中で唱えるだけでも
    よい。➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/b0d548090f6930ec55653c28f26ab508
(3)困っている人びとのために、信仰と思いやりの心をもって、行いや自分の持ちもの
   を捧げる。
(4)償いの心をもって、自分に倫理的にも許されている好きな物事を控えて捧げる。
 (5)聖体訪問 ➡「素晴らしい聖体訪問」https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/8052cd0c5bd430aa81f5a2af66658d1d
(6)聖書奉読
(7)墓参り、または、死者のために祈る(十一月一日から八日を除く日に)。但し、
   この免償は、煉獄の霊魂に譲るためのものとなる。
(8)「死者の聖務」(朝の祈りと、晩の祈り)を唱える。
(9) 祝別された信心用具(十字架、ロザリオ、スカプラリオ、メダイ等)を用いる。
(10)「詩篇五十一(Miserere)」や「詩篇百三十(De profundis)」を唱える。
 ➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/5a38e3d4c9bc9004cb603ef3949cb03b
(11)
 イエスのみ名の連祷➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/01b75e1c1717114261f893f316d3abdd
 イエスの聖心の連祷 ➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/38f279b63d86dfa6341a9ad960a2feaa
 イエスの御血の連祷➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/47a8cc71f4ec3323ab27e62c865283b8
聖マリアの連祷
 ➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/1a42ec5e2285c8ca8ea2d57ad36e39db
聖ヨセフの連祷
 ➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/ffacc9f7716dee3a49d9fe4f34e3dedf
諸聖人の連祷
 ➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/7ad92a6e98819f358fe178ac28ab6d41

以上のいずれかの連祷を唱える。

(12)各種小聖務日課を唱える。
(13) マリアの賛歌(マグニィフィカト)を唱える。
 ➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/a4406731f47021d6c9d55cc13143a809
(14) その日のミサの集会祈願を唱える。
(15) 使徒信条または、二ケア・コンスタンティノープル信条
 ➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/115cae559f5aa3b7229717b3761aaba2
(16)「お告げの祈り」
 ➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/00eb27887fe9bc7dae9aeccbb05111a2
 (17)「アレルヤの祈り」➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/dff3b3e728f2be3a7d0404ef0df5cac8
 (18)「キリストに向かう祈り(Anima Christi)」➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/110f84534567a1a16a33ccc92c622a69
(19)「聖体に対する聖トマスの祈り(Adoro te devote)」
 ➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/5ec91ad3343ead7ab1be1286bd8867e9
 (20)「教会の保護者なる聖ヨセフに向かう祈り」➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/03100a4b6ee591eae5ee1c3849df4087
(21)「元后、あわれみの母(サルヴェ・レジナSalve Regina)」
 ➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/7bd0f1d1ec67c51d48ad1b27412238a0
 (22)「聖母のご保護を求める祈り(聖ベルナルドの祈り)」➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/be3136aa3c894fb1475c658cd4ec05f8
 (23)「司祭・修道生活への召命を求める祈り」➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/470655856432a15664ed01b5ed87f6f1
 (24)「教皇のための祈り」➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/87c6134f0a78ab230e1ac70b83225c60
 (25)「教会一致のための祈り」➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/f42e15d10dc23abc26c2515517f5fc39
(26) 十字架の印(「父と子と聖霊のみ名によって」と唱えながら十字架の印をする)
 ➡https://www.youtube.com/watch?v=7eli6VGE5m8
 (27)「聖霊の御降臨を望む祈り」➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/e9009b7df3dfc173a61badd677a43528
(28) 霊的聖体拝領
 ➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/5564248ade895e984571cd0c9d60ae7e
(29)「神を信じる人の祈り」、「神に希望をおく人の祈り」、「神を愛する人の祈り」
     (信・望・愛の祈り)➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/57c109136154dc6f6ebe5ad6158b34bd
 (30)「悔い改めの祈り」➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/45c7075c0e897cf54c6f74d48675250b
 (31)「守護の天使に向かう祈り」➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/b7b8192fa503e35d875d14faf14886b0
(32) 念祷をする。(沈黙して心の中で思いめぐらす祈りです。)
(33) 説教を聞く。
(34) 黙想に与る
(35) 要理の勉強をする。(教える者、受ける者双方とも)
①「尾崎明夫神父のカトリック要理詳説」
 ➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/f47b8adaf6af026d34ecc33fa79ea200
②心のともしび「カトリック要理の友」
 ➡https://tomoshibi.or.jp/catechism/
(36)イエスの御肩(おんかた)の御傷(おんきず)への聖ベルナルドの信心の祈り
     ➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/5e38c4089b8ca9fd0a28dfbd670241d5
(37)「十字架の道行きの祈り」
 ➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/1c1a2718d8b9ab86b588cac6addbca59



B.全免償が与えられる主な祈りと信心業

(1)少なくとも三十分間の聖体礼拝
(2)少なくとも三十分間の聖書奉読
(3)少なくとも三日間の黙想会への参加
(4)聖金曜日の式に参加し、十字架礼拝の時に十字架に接吻するか、崇敬を捧げる。
(5)死者の日(十一月二日)に聖堂を訪問し、「主の祈り」と「使徒信条」を唱える
(死者の日の前後の日曜日または、諸聖人の祭日に行ってもよい)。但し、この免償は
 煉獄の霊魂に譲るためのものとなる。
(6)初聖体を受ける時。また、初聖体の式に与る時。
(7)初ミサを捧げる時。また、初ミサに与る時。
(8)司祭叙階の銀祝・金祝・ダイヤモンド祝のミサを捧げる時。また、そのミサに
   与る時。
(9)教皇が全世界に与える教皇祝福(ウルビ・エト・オルビ)を受ける時。ラジオ、
   テレビ、インターネットによる生中継を通してであってもよい。
(10)聖ペトロ・聖パウロ使徒の祝日(六月二十九日)に、教皇または司教から祝別
    された信心用具(十字架、ロザリオ、スカプラリオ、メダイ等)を敬虔に
    用いるとともに、「使徒信条」を唱える。
(11)小教区の保護聖人の祝日に、その小教区の聖堂を訪問して、「主の祈り」と
   「使徒信条」を唱える。
(12)聖堂の献堂日または、祭壇の聖別日に、聖堂を訪問する。
(13)修道会の創立者の祝日に、その修道会の聖堂を訪問し、「主の祈り」と
    「二ケア・コンスタンティノープル信条」を唱える。
(14)「十字架の道行」を、聖堂内など正式に設置されているところで、各留に
     移動しながら唱える。大勢で各留に移動するが難しい場合は、
     先唱者のみ移動する。(病気などのため正式に設置されている場所に行けない
     場合は、三十分間キリストの受難と死を黙想すればよい)
(15)「ロザリオ」を、聖堂で一人で唱える。または、家庭や修道院、共同体や信心会
     などの集会において共同で唱える。いずれの場合も、最低一環を、連続で唱える。
(16)「タントゥム・エルゴ」を聖木曜日またはキリストの聖体の祭日に荘厳に唱える。
(17)「十字架上のイエスに対する祈り」を、四旬節中の金曜日または、聖金曜日に、
  聖体拝領をしたのち十字架像の前で唱える。
(18)「洗礼の約束の更新の祈り」を、復活徹夜祭中または、受洗記念日に唱える。
(19)「聖霊に対する賛歌(ヴェニ・クレアトル Veni Creator)」を、元日または
  聖霊降臨の祭日に、公式に唱える。
(20)「人類の忘恩に対する償いの祈り(み心の辱めを償う決心の祈り)」を、
  イエスのみ心の祭日に、公式に唱える。
(21)「イエスのみ心に人類を捧げる祈り」を、王であるキリストの祭日に、公式に
  唱える。
(22)「感謝の歌(テ・デウムTe deum)を、大晦日に公式に唱える。
(23)「教皇祝福」を、司祭が重態の病人に与える場合。
(24)「死に直面している病人のための祈り」を、(司祭が不在で「教皇祝福」が
  与えられない場合に)、信徒が十字架を眺めて心の中でだけでも祈る。
(25)11月1日から8日までに、墓参りするか、心の中で死者のために祈る。
   但し、この免償は、煉獄の霊魂に譲るためのものとなる。
(26)ローマの四大聖堂を、その聖堂の保護の聖人の祝日または、守るべき祝日
または、一年に一度自由に選んだ日に訪れる。
(27)聖体大会の閉会式ミサに与る。
(28)パンデミック下のカトリック信者らに特別免償規定(バチカン・ニュース)
     ➡https://blog.goo.ne.jp/katokeijiban/e/68551f8466a1a0382146d1c16c9a2775


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十 免償 を受けるための祈りかた(煉獄の霊魂のための祈りの例)

わたしの祈りによって得られる免償をお受けいたします。

全能なる御父よ、主イエス・キリストの御名において、自分が受けた
免償をことごとく、煉獄の霊魂の救いの為にお譲りいたします。

とくに家族・親族・恩人・友人にお譲りしたいとおもいます。
(また、誰にも祈ってもらえない霊魂のためにも お譲りしたく、主におまかせ
 いたします。)

 それぞれ各自で選んだ祈りを唱える。

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