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マリア・ワルトルタの著作について

2022-12-05 21:20:16 | 日記
マリア・ワルトルタ(1897~1961)の著作について

「今信者にどんな本を一番薦めたいか」と聞かれれば、わたしなら、
「マリア・ワルトルタの著作」と答える。

 クリーム色の表紙で、あかし書房から出ている。『マグダラのマリア』
『聖母マリアの詩』『キリストと出会った人々』など全10巻だ。
最近は天使館からも刊行されている。そのひとつを手に取れば良いと思う。

 ある信者さんが、「まるで週刊誌でも読むように」感じたと言っていた。
わかりやすすぎて逆に困惑したようだ。
教会の読みものといえば難しいもの、という観念があったのかもしれない。

 わかりやすく、しかもカトリック教義がしっかりと教えられる。
聖書からは読み取れないキリストや聖母の優しさや愛が語られる。
信者はキリストや聖母への思いが変わることだろう。
慰めと喜びに満ちた著作だ。 

 この著作は聖書学者でも何でもない女性によって書かれた書物だ。
しかし聖書学者でさえ、「聖書解釈、歴史、考古学、地形学の分野に
注意を払って読んだ。聖書解釈に関しては、検討した限り、
特に際立つ間違いは見つけられなかった。間違いは見つけられなかった
どころか、考古学上の、また地形学上の記述の著しい的確さには舌を
巻いた。」と述べている。

 著者は病人だ。病床の上でこの書物を書いている。この書物はいわゆる
私的啓示の本だ。聖書の風景が著者の心に示され、2000年前の映像を
見せられ、これを記録してゆく。キリストや聖母がそれぞれの場面に
教訓的なコメントをしてくださる。

 学者と言われる人々はこの書に注目しないだろう。私的啓示を軽視して
いるから。しかし受け入れることのできる人々はこの書物から
数え切れない光を受けることだろう。実際わたしの周りにも影響を
受けた人が多く、効果は小さくないようだ。

 教皇庁諮問委員もしている神学者はこう述べる。「中等以下の教育を受けた女性である著者が、不可思議な力の影響をこうむらずに、これほど
とてつもない課題と内容をもつ書物を書くことなど絶対に不可能だと、
私は考える。・・・この全集には、思索にしても、文体にしても、
光彩を放つ見事な頁が散在している。」

 この書を知らないことはもったいない。カトリック信者ならなおさらだ。
信仰の枯れかかった時代に生きる現代の信者への、神からの特別な
プレゼントだと、ためらわずに言う。私的啓示を軽視している人々は、
神からの大変な賜物を無駄にしている。

ローマ大学医学部教授であったニコラ・ペンデ氏は語る。
「医者である私が驚きと賛嘆を禁じえないのは、十字架上の臨終者
キリストの場面の叙述である。それは,経験豊かな、ほんの一握りの
老巧な医者のみが語ることができる現象学である・・・」

マリア学の権威者で神学者が言っている。「彼女のマリア論は、
私にとってまことにひとつの啓示であった、と率直に
告白しなければならないと感じている。
マリア関係の書物全体をもってさえも、“神の傑作”(マリア)
についてのかくも明快な、かくも強烈な、かくも完成された、
かくも生き生きと輝きを放つ、かくも心を魅了する、
単純素朴だが同時に崇高なひとつの思想を、私に与えることは
できなかった。」

 神学の専門家ではないが、わたしも同感だ。
                           
ブログ「神父の放言」より