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煉獄(れんごく)とはなんですか?

2022-09-04 15:34:58 | 日記
【煉獄(れんごく)とはなんですか】

煉獄とは、神との親しさの中に死ぬ一方で、永遠の救いは確実であるものの、天国の至福に入る前に、清めを必要としている人びとの存在する霊魂の場所または状態。これらの霊魂は、この世において恩恵の助けによって行われた愛徳による痛悔(注1)の祈りによって小罪(注2が浄化されるのと同じように、煉獄において小罪が浄化される。

しかし、罪に対する悲しみは罰に影響は及ぼさない。というのは来世では功績を積むことができないからである。煉獄の霊魂は、神から与えられた苦しみを喜んで受けることによって罪に対する有限の罪の償いをすることで確かに浄化される。煉獄での苦しみはすべての人にとって同じものではなく、各人の罪に応じたものである。

 さらに、煉獄での苦しみの期間と厳しさは、地上の信者(生者)の祈りと善業とによって短縮・軽減される。(注3)煉獄の霊魂は、神を心から愛していて、天国に到達できるのが確実であるため、苦しみは心の平安と喜びを乱すものではない。『苦しむ教会』の一員として、煉獄の霊魂は地上の人びとのために(神に祈りを)取り次ぐことができる。(注4)そのため、地上の信者は煉獄の霊魂の取り次ぎを祈り求めるように勧められている。浄化が終わると霊魂はすぐに、天国に引き上げられる。(「煉獄」の語源はラテン語purgatio(清めること、浄化))(コンペンディウム、現代カトリック事典)

 ー 注 ー

(1)痛悔(つうかい)とは自分の犯した罪を悲しむ徳の行為。痛悔の行為は、犯した罪を忌み嫌い、これを悲しむと同時に、罪を再び犯さないという決心を含む自由意志の決定である。

(2)小罪(しょうざい):罪には、大罪と小罪の二つがある。大罪とは、重大な事がらについて、はっきり意識し、完全に同意して神のおきてにそむくことである。そして小罪とは、小さな事がらについて、あるいは重大な事がらであってもはっきり意識せず、あるいは完全に同意しないで神のおきてにそむくことである。

大罪は、神に対するはなはだしい忘恩と侮辱となり、成聖の恩恵を失わせ、天国のためのすべての権利を奪い、地獄の終りのない罰を招く。これに対して小罪は、成聖の恩恵は失わせないが、神に対する愛を冷やし、徳の進歩を妨げ、この世または煉獄の罰を招く。(成聖の恩恵→神により、人間の永遠の救いのために人間に、超自然的に与えられる恩恵)

(この理由により自分の罪が大罪であると思ったら教会に行き神父に「ゆるしの秘跡(告解)」をお願いしなければなりません。また大罪がなく、小罪だけならば「聖体拝領」によって小罪を消すことができます。(カテキズム1394))

(3)煉獄の霊魂は、神の恩恵の状態でこの世を去ったが、小罪と赦された罪に対する罰を十分に償っていないため、一時的に煉獄にとどめられている。この人びとの霊魂は信者の祈り、とくに煉獄の霊魂のために捧げられるミサ聖祭の対象である。11月2日の「死者の日」と11月いっぱいは死者を記憶する月と教会から指定されている。この世に生きる信者は煉獄の霊魂のために祈るよう典礼の中で注意をうながされている。

 (4)『苦しむ教会』は、煉獄で清めを受けている人びとの教会をあらわし、『地上の教会』と『天上の教会』と交わりをもっている。(第2バチカン公会議、教会憲章第49項)➡参照ブログ3.煉獄の霊魂の解放者である聖母マリアについて(付:煉獄援助修道会について)



◎煉獄に関する関連ブログ

1.煉獄(れんごく)についての聖ドン・ボスコの教え
2.煉獄(れんごく)について(カトリック教理対話)
3.聖ヨハネ・ボスコ(ドン・ボスコ)の煉獄の霊魂のための祈り

4.煉獄の霊魂の解放者である聖母マリアについて(付:煉獄援助修道会について)
5.免償について 

6.免償のある祈り

【7.死者の月の動画】https://www.youtube.com/watch?v=RlvbFUXsVC4&feature=share
 長崎大司教区の家庭委員会では、毎月さまざまなコンテンツの動画をアップしています。今月は「死者の月」がイラストを使ってとても分かりやすく説明されています。

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第1部 信経

第2部 秘跡

         -以上ー


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