華宵の趣味の部屋

読書・美術…その他諸々の趣味を片寄った視点で♪

覚書

2009-07-04 00:08:57 | 読書
『役人は何を残すことができますか?
農民は食べ物を与え、商人は生活を豊かにする品を与えるというのに、役人は物を生み出すことができません。
役人は道を示すことでしか残れないのです。
名誉など道の前では塵にすぎません』
『私は王朝五百年の歴史の中で見ればひとりの役人にすぎません。
しかし私は今まで王朝を支えてきた、たくさんの役人たちの道の上にいます。
(略)
次の世代の役人たちが途方に暮れないためにも、私が道を示すのです。
たとえ討たれて王宮を去ることがあっても、道だけは残します。
それが役人の務めです』


テンペスト 上 若夏(うりずん)の巻
池上永一/著
P292 下段



東京都議選が告示され、街頭演説が盛んですが・・・
どれだけの人が将来のことについて考えているでしょうか。
自分の事よりも国のことを考えられる、そんな聖人になれとは言いませんが、
自分の事ばかりで、相手を罵るのは見苦しいとこの本を読み感じました。
後世に失笑をもたらすでしょうね。

問題が起きたら自ら考える能力は素晴らしいもの。
今おかれている世界を覆そうとも、未来のために独自の論理を持っている姿に、物語の登場人物ですが圧倒されました。

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