Enjoy Football -女子サッカー日記-

サッカーを楽しみたい。より深く。たくさんの子ども達と。たくさんの女の子達と。たくさんの仲間と。

伝えるということ

2005年06月04日 | sports
本日未明に行われたサッカーW杯アジア最終予選、日本vsバーレーン戦は小笠原選手の得点を守りきり、勝ち点3を獲得した。直前のキリンカップの2連敗、そして小野選手の怪我による離脱など、日本代表サポーターにとっては不安要素がたくさんあった中での勝利だったので、ホッと胸をなでおろした人は多かったのではないだろうか。

さて、このバーレーン戦前のテレビニュースを見ていてある興味深いシーンに出くわした。
それは中田英寿選手に対するインタビューシーンである。
私が目にしたのは2人の記者の質問に答えたシーンであったが、その2つの質問に対する中田選手の受け答え方が実に対照的であった。

そのシーンを見てから2.3日が経過してしまっているので、実際の質問と中田選手の返答に関する私の記憶・表現に若干の違いがあるかもしれないが、私の感じたことを書かせていただこうと思う。

質問内容その1
バーレーン戦の目的
中田選手の返答
勝ち点3を獲ること

質問内容その2
イラン戦で負けた後、1vs1の戦いで負けないことが重要だといっていたが、今回のバーレーン戦でもその点は重要なポイントとなるのか?
中田選手の返答
1vs1の戦いで負けなければ試合でも負けないだろう、戦う気持ちが大事 etc

はっきり覚えていなくて恐縮なのだが、以上のようなやりとりがあったと思う。
要は、質問その1にはそっけなく答えていて、質問その2には具体的にそして長々と答えていたのである。


さて、ここで私が感じたこと。
質問する時、相手から自分が意図した内容に対してより細かく具体的に、そして出来れば気持ちも付け加えた答えを引き出したいときは相手が返答しやすいように、質問内容も具体的に、聞きたい事柄が明確に伝わるような質問の仕方をしなければいけないということ。

これは指導者が選手の判断を引き出す、何を考え、何を感じているかを知りたいときに行う『発問の仕方』に繋がることだなと感じた。
ゲーム中におこる様々な状況について、選手から何を考え、感じ、どのように判断をしたかということを引き出す為には、その事柄について答えやすい発問をしなければいけない。どの状況に対する判断を引き出したいのかを明確に伝えなければならない。そのためにはサッカーに関する豊富な知識と理論的な理解、言葉にして表現する(選手に伝える)ボキャブラリーを要していなければならない。そしてその中から選手にとって、もっとも分かりやすい表現を用いて質問しなければならない。
ただ多くの知識、理論、表現を用いれば良いというわけではないからとても難しい。話が長くなりすぎたら、聞きたいポイントが曖昧になってしまうし、具体的でなければ何を答えていいのか分からなくなってしまうだろう。
自分自身の知識・理論・表現(言い回し)に関する『引き出し』を多く持ち、その『引き出し』の中から選手にあった、または選手が分かりやすいものをその場その場に応じて使いわける(選択する)能力が必要である。前者は学んだ量、後者は経験した量がものをいうのではないか。


今回は「質問する」ということから、相手に伝えることの難しさ、そして人とコミュニケーションをとることもひとつの能力であると再認識できた。
指導者は伝えることが仕事である。
今回のインタビューシーンは聞き方ひとつで相手の答えがまったく変わってくるということを痛感させられたシーンであった。


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2 コメント

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こんばんは (アンママ)
2005-06-06 01:32:27
こんなところに監督さんの気持ちがいっぱい!!凄いね~見てるとこが違うね~、って別によいしょしてるわけでは有りません。監督って大変だと思う。うちの旦那もしてるから、よく分かる。でもこれだけのことを考えてる監督さんに見てもらってるかすみFCは羨ましいです。かすみのGKの志保ちゃんはわたしが勤めてる幼稚園の出身なので、敵チームにいてもついつい応援してしまうのでした。

で、日本代表は今度は北朝鮮。タイ?だったっけ。モチベーションあげて頑張って欲しいです
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コメントありがとうございます (監督)
2005-06-06 09:12:10
アンママさん。お久しぶりです。確か県リーグ以来ですね。

さて、当ブログの記念すべき初コメントありがとうございます。自分が感じたことを単純に書き綴っているだけですが、保護者の方やサッカー関係者、選手etc、ご覧になっている方がどのように思われるかを教えていただけると、またそのご意見が自分の肥やしになるようです。

それと、、、詩帆の出身幼稚園にお勤めだとは知らなかったです。世間は広いようで狭いですね。私は『稚園から女子サッカーを広めていきたい』なんて思ってもいるのですが、なかなかうまくはいきません。



さて、以前県リーグにてお伝えした、県トレセン、やっと開始いたします。昨年までとはだいぶ変更点がありますが、また楽しい一年が過ごせるかと私も楽しみにしています。
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