軽井沢高校 校長日記 『つれづれ軽井沢だより~乞う「ちょうどええ」』

学校の様子を校長の視点から伝えたいと思い、校長日記を書くことにしました。授業日毎日更新を目指します。ご愛読ください。

12月 7日(火) ホルモー焼き 173

2010-12-07 20:27:28 | 日記

 今日は作・編曲家 周防義和さんの最終講義がありました。

 昨日の職員朝会で教務係から告知があったこともあり、授業の空いている先生が何人も見に来ていました。
 今の音楽業界の最前線の話を直接聞くのも、講義を見て自分の授業の参考にするのも、どちらも教員にとっては大事な研修です。
 こういう、普通ではあり得ない貴重な研修の機会が校内にあって、それに自主的かつ貪欲に参加する先生がたくさんいるって、すばらしいことではないでしょうか。

 「映像と音楽」の3回目、今日のテーマは「映画と音楽」でした。
 題材は、この日のために授業中に数回に分けて観てきた『鴨川ホルモー』(万城目学原作、本木克英監督、山田孝之・栗山千明主演)。
 さすが大学や専門学校で教壇に立っているだけあって、映像を使ったり、キーボードやギターを弾いたりして、テンポよく授業は進みます。
 この映画に使われている音楽は、クラシック調からロック調、サンバ調まで、本当に幅広く、さらには、石橋蓮司さんが病床で台詞を言うシーンでは三味線の音楽が登場、これもご自身で演奏・録音したものなんだそうです。
 昨日は周防さんの音楽に対する博識ぶりに驚きましたが、今日は、扱う音楽のジャンルの幅広さや演奏できる楽器の種類の多さに脱帽でした。

 今年8月に行われた「第35回湯布院映画祭」では2つの特集が組まれ、「石橋蓮司&緑魔子」と並んで「周防義和」さんが取り上げられたそうです。
 そのパンフレットを見ると、周防さんを称して、「監督が作ろうとする作品世界を理解して、映画に寄り添うようにして音楽を作ってくれる」(監督 周防正行氏)、「今の日本では稀有な、本当の意味で映画の力となる音楽を書ける作曲・編曲家」(実行委員長 幸重善爾氏)、「監督、スタッフ、そして演者が作り上げた作品世界に、周防義和さんの音楽が血を巡らし、作品に魔法がかけられていた」(女優 清水美沙さん)といった賛辞が述べられていました。

 そういう周防さんが、音楽科の吉澤先生のたっての希望もあって、来年も軽井沢高校に授業をしに来てくれる、と今日約束していただけました。
 「こういうことは継続することが大事ですよね」って、本当にありがたく、嬉しい話です。

 お礼の宣伝というわけではありませんが(でも、宣伝は宣伝ですが)、写真は、12月21日(火)NHK総合テレビで22:00~22:48に放映される『続遠野物語』(田畑智子主演、周防義和音楽)の、周防さんのサイン入りポスターです。
 来年公開予定の小泉今日子・永瀬正敏主演『毎日かあさん』の音楽制作と時期が重なり、1か月くらいは朝早くから夜遅くまで軽井沢の自宅に缶詰になって、合わせて数十曲を書き上げたとおっしゃっていました。
 ポスターは、周防さんと軽高との関係を書き加えて、廊下の目立つところに掲示しました。
 『続遠野物語』も『毎日かあさん』もぜひご覧いただき、「周防さんの人柄が出ている」と言われる音楽を聴いていただければと思います。

 午後には、軽井沢中学校の小川先生が校長室に寄ってくれました。
 小川先生は、ドイツ語が話せることもあって、定期的に留学生ナタリーの日本語の指導をしてもらっているのですが、今日は指導の前に昨日の中学生との交流のお礼を言いに来てくれたのだそうです。
 むしろ、ナタリーに日本語の力を付けてくれながら、交流の機会を設けてくれた小川先生と軽井沢中学校の皆さんに、こちらからお礼を申し上げました。 

 今日のタイトルは、『鴨川ホルモー』の原作本に、確か、ホルモーはホルモンではない、というようなことが書かれていたので、それ以外で何かないか考えてみたのですが、残念ながら思いつきませんでした。

 昼過ぎから降り出した雨が、この時間には雪に変わっています。
 冷え込んできているので、明日の朝が心配です。