体奏家/新井英夫の予告報告 (DANCE-LABO KARADAKARA)

体奏家/ダンサー新井英夫の舞台活動とワークショップ活動の予告と報告。たまに日々の雑感あれこれなども。

9/9と10 公演初日と2日目 大盛況!!

2010-09-12 00:14:34 | 10夏米国ダンス滞在制作プロジェクト
9/9 いよいよ公演の初日。リアさん、ロコさん、みかさん近所のカフェで昼食後松風荘へ。ランスルー(通し稽古)のあと、あっという間に本番なのだった。開演直前まであれこれ微調整。サイトスペシフィックな(=場に即した)作品だけに、天気(太陽の方向・風・気温)も大いに関係する。幸い晴天にめぐまれる。もともと劇場でない伝統的日本建築・庭園での公演なので、観客は最大80名収容がいいところ。ほぼ満員御礼だった。
公演中の写真は、もちろんぼくは撮れないので、後日アップしますが、冒頭の写真右はじに写っているのが今回特別参加のナラーニちゃん(9歳)。白い衣装でダンス公演中、「背景」をゆっくり歩いて通り過ぎたりしてもらう重要な役を担ってもらった。実はこのアイデア、ぼくが提案した「座敷童=ザシキワラシ」なのだった(笑)。おどろいたのは、ナラーニちゃんのお父上のルーツであるカンボジアにも「座敷童」的子どもの妖怪が家に住んでいる、という民間伝承があるそうだ。子どものおもちゃを供物として、窓先に捧げる風習も残っているのだそう。日本と同じくこの妖怪イタズラもイイコトもするそうだ。ナラーニちゃんの知り合いはこの妖怪に「宝くじのあたり番号を教えてもらった」という!?

公演後は、フィラデルフィアのEAST地区のアジア系レストランで打ち上げお疲れ様会。このEAST地区、ぼくが滞在しているNorthath地区とまったく違うただずまい。ロコさんによると現在は所得の低いアフリカンアメリカンの方達が多く住んでいるところなのだそう。かつてアジア系住民とアフリカンアメリカン系住民の激しく悲しい対立があったのだという。古い立派な建築と最近立ったようなコーポが混在している不思議な風景。古い建物はかつてこの地域が富裕層の住宅街だった名残り。その「未整理」の混在がいまここの活気を生んでいるように感じる。たとえるなら成城と新大久保が混在している感じ!?。


9/10 公演の2日目。早めに松風荘に集合。今回の公演プログラムには「Directer=監督演出」はあっても「choreographer=振り付け」という記載がない。事前のリサーチに基づきリアさんとロコさんが構成の大枠のアイデアを考えておいてくれた。そこにぼくを含めた各ダンサーが各担当箇所を創って、または即興で踊る…というスタイルなのだ。そんな訳でぼくの「担当」の廊下を使った遠近変化の利いた奥行き空間のシーン、ふたつの畳の間がつながって障子やふすまで区切られたの空間のシーン。この2カ所の打ち合わせを本番前に共演ダンサーたちと行う。ラストシーンも微調整、より祝祭的なエンディングに。この日もおかげさまでほほ満員御礼の大盛況であった。

公演後は、リアさん、ロコさん、みかさん、マイクさん(画家ですが今回はビデオ担当)と、East West地区ジャーマンタウンとよばれるあたりのアフリカンアメリカンのレストランで食事。まったく記憶のインデックスにない味の世界。こういうのは美味しいも不味いも判断不能。さて、このあたりリアさんの住まいのご近所地域なのだ。レストランの壁には経営者ご家族の歴代写真があり、このお店の繁盛記になっている。その服装のうつろいだけみても米国の黒人史を生々しく想像してしまう。

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