京都・左司馬の河童さん日記

真夏日が続く毎日。
ギャラリーの前も田植も終わり、カラスやおしどりや、サギの
水遊びが、河童さんの目を楽しませてくれる。
いよいよ深夜から、東京へ出発。荷物もやっと完了や。
先日高村さんご夫妻から、下鴨神社の道中お守りと手作りチーズケーキをいただいた。



ぐったり疲れた準備作業に、ピカイチのケーキ美味しかった！
京都の河童さんを応援してくれる方達のおかげで、感謝、感謝、元気に行ってきます！
ぽつんと、お留守番の子。寂しそうやね。

東京での展示会が一週間を切った。
最後の窯焼きも、終了。
河童さんと器と、墨彩画の作品制作も大詰めや。
ぎりぎりまで、準備に追われるけど、
河童母さんもほっと一息。
26日の深夜、今回は、父さん運転の大きなバンのレンタカーで出発や。
アトリエの雑草の中から、かわいいアザミが咲き出した。
今日は、やっと山椒の実がアトリエでできた。
先日から「ちりめん山椒」挑戦中。
デザインでお世話になっている愛媛の玉井さんから、
送って頂いたちりめんを炊いて，味付けしたものと合わせて、
新鮮な山椒の実のピリット効いた自家製ちりめん山椒の完成や。
京都では、はれまやら、やよいやら、しののめやら、
それぞれの伝統のこだわりの老舗の味が、いっぱいあるけど、
左司馬の逸品は、いかがですかな？
見た目は、いいけど、さて味は？

昨日の深夜、窯に火入れ。雨も止んですっきりした天気になった。
アトリエの河童さん達もマーガレットに囲まれて、いい気分。
にょきにょきと、今年もドクダミが，庭を覆い尽くす。
枝豆や，野菜の苗達も，しっかり根付いて、ひと安心。





ステンレスの郵便受けのすきまの同じ場所に、一年ぶりに，モリアオガエルを発見。「おかえり！モリちゃん」
なんで、ここなんやろ？居心地がいいのかな？
近づくと、ケロロ、ケロロと鳴き出して、「やっぱりこのアトリエが快適や！」と話してるようや。
泡状の卵、メダカの水鉢に落とさんように，何とか考えんと、また、オタマジャクシで、たいへんになるなあ。

岩倉のギャラリーの前は、今年も
田植え前の水が張られた。
風で水面がさざ波を描いて、心地いい。
水を張った田を代田（しろた）と言うらしい。
住宅でどんどん埋まっていく宝ケ池周辺のこの地も、
この景色が、二十年間、ギャラリーの前で見られるのはありがたい。
カエルさんも大声で鳴き出した。
もうすぐ田植えが始まり、緑のウエーブも楽しみや。
朝、アトリエは、アイリスやシラン、アザミ、桔梗など、紫の花が咲きはじめた。
毎年、大輪の紫鉄線も，ご近所の方が届けてくれる。
五月にかけては紫の色の花が競うように咲く季節、
京都では宇治の平等院の藤、大田神社の杜若、上賀茂神社の参道の桐の花など
雅の彩りが、楽しませてくれる。
河童さんのギャラリーは、そんな色っぽい話で、今は盛り上がる。

夏のような天気が続いて、アトリエには、
赤いポピーから、マーガレットの白がゆれている。
その後は、アザミたちが紫のつぼみで待っている。
日中のアトリエは、今が一番気持ちがいい。
こんな日の今日やったなあ。真っ白い亡犬ハルとの出会いを思い出す。
早々に、台風が来てるらしい。
朝晩は、まだぐっと冷え込んで、キュウリやオクラの苗も一本，二本弱って植え直し。
しっかり、ふんばって、根付いてや！



昨日のギャラリーは、行楽日和で来客も少なくて、
ご近所の方にゆっくりと、濃茶をたてていただきながら、閑談。
抹茶のエスプレッソ。とろっとしていて、苦味の中に甘み」と「香り」がいいねえ。
展示会の準備の合間のひと時の時間。自然の流れのままの楽しい空間。
二人の「ギャラリーあってよかったね・・・」「アトリエあってよかったね・・・」。

いよいよ、連休も終わって、東京浅草橋のルーサイトギャラリーでの
河童さん展も近づいて来た。
隅田川のほとり、スカイツリーが見える旧芸者市丸邸の趣の有るギャラリーで初めての展示。
今までの銀座文藝春秋画廊と違って、河童さんもお皿がしっとり濡れて、気持良さそうな場所や。
こんかいのテーマは、『寄り添って・・・。」
東京の友人の母娘の多肉植物と創作鉢は、さすが親子の息がピッタリ寄り添って素敵な作品。
河童さんや動物達も自然の風に寄り添って、昔の素朴な浅草風情を満喫したいなあ。
どちらの作品も，長年共に寄り添って，自然と向き合って来た作品です。是非、足を運んで下さいね。

河童母さんが、書き留めて、置いていた色紙の言葉が、気になる。
「誰の句やろ？」斎藤茂吉？
今年も又、5月６日の二人の日が来た。
ひたぶるに、この道を来た43年。
今年は、特別な思いで、30年前のこの日に手に入れたアトリエで
しずかに、迷いがとれて、美味しい壱岐の麦焼酎で乾杯や。

昨日のポピーたちは、せっかく咲いたのに、雨で、「うなだれポピー」。
晴れの日の、ひらひらと風に揺れて楽しそうなポピーたちと違って、ちょっと不運な命や。
同じく一日だけの運命のシャガの胡蝶花も、びしょ濡れの命や。



ここ数日、河童さんたちも、仕切り直しの事が多い。
今日は，雨もやんで晴れの予報。
前に向かって、元気でリトライや！
最近、ギャラリーに来てくれていた何人かの方達が、京都を離れて、新しい地へ。
寂しくなったど、みんなしきりなおして、またあいましょう！

今日も夏のような日差し。
ギャラリーの外階段の隅で、『暑い！」と
お皿で日差しを遮ってる河童のおっさんに、たっぷり水を掛けてやった。

もう今日から５月。
世間は、ビッグホリデイが始まってるけど、
比叡山中腹のボロアトリエでの心地よいこの季節の暮らしが、何よりも有難い。
二十年前の５月にやって来たハルもこのアトリエに眠ってる。
河童さん家の家族にとって，やっぱり大事なアトリエの五月や。
あの頃の想いが甦ってくる。みんないい顔やったなあ。