京都・左司馬の河童さん日記

八月の長いアトリエ暮らしも、今日で最後の河童母さんも、少し顔もゆるみがち。
ちょっとのお酒で、たまった睡魔がどっとでて、二人とも意識不明。
もうすこし。水かぶってスッキリ準備や。

『吾も亦、紅なり　とひそやかに』高浜虚子
今年も、かわいい赤い花穂をつけて、
アトリエで風に揺れている。
染付けの器に、相方が毎年描いてる吾亦紅。
いつも制作に追われてる時期やなあ。

へびみたいな柄が少し薄くなって、太くなって葉が繁ってきた。
やっぱり薄暗い山中であったら、ちよっと気味悪い。その横に、大根、蕪、水な、ほうれんそう、冬野菜の小さな畝も、合間にできた。秋にむかってる。

『ゲンノショウコの花咲いてるよ』と相方。
アトリエの片隅に赤紫の可愛い花一輪。
『ほんまに胃腸に良く効く証拠』から、名前がついたらしい。
ドクダミ、センブリ、ゲンノショウコ・・・。
効きそうな薬の名前がついてるのがおもしろい。

今年は、ゴーヤがひとつだけしかできない。
東京の息子たちは、マンションのベランダで
たくさんできたらしい。
太陽の黒点がかなり弱くて冷夏やといわれてるけど。
アトリエも深夜は、毛布をかけても寒い。
うちも低温日照不足で何もかも不作や。
いくつかのゴーヤの花、実をつけて！

老犬ハルとのお散歩も、最近は、アトリエのまわりを一回り。
サングラスを手にしただけで、しっぽをふって飛び出していくけど、一周だけでいいらしい。河童さんもたすかります。

今日も眠たいけど、
あんまりでけんかったキュウリのところを
耕して、大根植えとかんと。
今年は、やっぱり冷夏で、ナスもキュウリもゴーヤもさっぱりやった。
畑の世話もあんまりせんかったしなあ。
枝豆とオクラばっかりやったけど、夏野菜も終りやね。

窯焼くのも、陶彫も、
ギリギリになると、
二人のテンポが合ってくる。
物作りのプロセスは、こだわりと気が
どこまで続くかや。
焦っても、できんし、作品に出てしまう。
強気の河童さんと弱気の河童さん二人やから、
むずかしい。

白い毛の上に、黒い小さなごみ粒がうごいてる。
「お！ダニや」
照れくさそうに、こっちをみて、逃げていく。必死のダニ退治。
河童さんは、やぶ蚊にいっぱいかまれながら、みんな体いらいらのアトリエ暮らし。

朝、ギャラリーの前の鉢に水をうって、
メダカたちや、金魚のポニョにえさをやる。
門の横に立っている河童さんにも
いっぱいシャワー。
気持ちよさそう。お皿のなかまでたっぷり水かけて！