『氷ノ山のモンスターが見たい!』
という俺の突然の要望に、かーじーさんにご一緒していただきました。
しかもハチ北側ではなく、鳥取側から登りたい!
というさらに面倒くさい希望で一番自分が困ってましたが(笑)
まずそのアクセス。
普通に行けば2時間足らずなのに、裏側となると5時間コース。
中国道から攻めるか、鳥取側から攻めるか、考えることが山ほどあります。
運転手をやってる友達なんかに冬の道路事情の話を聞きながらドタバタの中で計画たててみました。
前日はかーじーさんに私の家に泊まっていただきました。
で、おすすめのお蕎麦屋へ今回は夜に伺いました。
鴨の野菜すき鍋。
鍋用の蕎麦は、なんとうどんのごとく太い!
噛みごたえ満点です。
しかし蕎麦の風味は抜群!
そのままお塩で食べたり、鍋すきで食べたり、つゆで食べたりいろいろできます。
昼もメニューにしてくれたら嬉しい、夜だけの限定の一品でした。
当日4時出発。
ちらほら雪が降ってます。
道中心配された雪も、さすが雪国水がシャーシャー出まくってとくに心配もなく、持って行ったチェーンも使わずに済みました。
かえって車がキレイになってラッキー!
4時間半くらいでわかさ氷ノ山スキー場到着。
まあまあ雪が降っておりましたが、思案するもなく行くということに。
スキー場のパトロール隊のところで登山届を記入していると、
おじさま「登山届はどうしたらエエんかな」
おじさま2人、どうやらわれわれ以外に氷ノ山に登られるようです。
トレラン「今日はどちらまで?」
おじさま「三ノ丸まで行って考えます。われわれスノーシュー初めてなんです。いろいろと教えて下さい。ではお先に!」
初めてで氷ノ山?
とビビりましたがご一緒できる方がいて良かったです。
リフトを2回乗り継ぐので、回数券を2枚購入。
人はまだちらほら。
1本目のリフトを乗っている途中でとんでもないことに気付きました。
トレラン「シもたー!さっき買ったご飯全部車の中に忘れたー!」
山飯・命のわたくしにとって大打撃。
もう一度下に戻るも、下りのリフトは乗せてもらえないので自力で下山になります。
下るだけでも大仕事、下ったはいいけどもう辞めてしまうかも・・・
しかしかーじーさんが余分をお持ちでしたので分けてもらうことに。
良かった、よかった。
1本目を下り、2本目の乗り場へ向かうとリフト前には行列が。
どうやらゲレンデチェックのためのようです。
15分ほどしてリフトが動き出しリフトトップへ。
リフトトップはとても狭いスペースでした。
みなさん急な斜面を勢いよくドロップして行きます。
われわれはここでスノーシューを準備。
左側斜面へとつづくトレースがあります。
スノーシューとスキーの方のようです。
なんのトレースもなければいきなりどこに向かうのか一瞬迷いますね。
最初の急斜面を登って行きます。
先日の新雪が膝くらいまであって、トレースがないと相当つらいラッセルになりそう。
まっさらの雪できれいに木々が雪化粧していました。
しばらく登って先ほどのおじさん達の後ろ姿発見。
かーじーさんがゆっくり後から登って来るので追い抜くことはありませんが。
スノーシューが初めてとおっしゃってましたが、山は相当慣れていらっしゃると思いました。
40分ほど登ると雪原が広がっておりました。
右からの尾根と合流する緩やかなエリアです。
気持ちイイ!天気も少しましになってきました。
前にはおじさま2人の姿が見えます。
三ノ丸手前で追いつき
おじさん「いつでも抜かして下さいよ」
トレラン「いえいえボチボチ行きますんで」
かーじーさんを待っては進みます。
この雪原はボードとか気持ち良さそうだけど斜面が緩やかなので途中で止まりそうです。
三ノ丸到着。
おじさんたちが休憩中です。
本日のスノーシューはレンタルのもので、横滑りして大変とのこと。
天気も良くなってきて、せっかくここまで来たのだから氷ノ山を目指されることに。
おじさん「会社経営と一緒や!勇気ある撤退が必要や!」
トレラン「一度潰すくらいとこまで行くのも必要かもしれませんよ(笑)
そういう人たちは2回目で大成功しておられる人もいますし」
おじさん「なるほど!勉強になったわー(笑)」
ま、ここは山。
間違いなく勇気ある撤退が必要ですね(笑)
おじさん「いつでも抜かして下さい」
と言って行かれました。
エー、がんばれかーじーさん。
われわれも氷ノ山山頂を目指します。
出たーモンスター!
まだまだ雪付きはこぶりですが素晴らしい!
天気はコロコロ変わるのですが、時折見れる晴れ空が素晴らしいこと。
トレラン「来てヨカッター!最高ー!」
この大雪原が鳥取側からわざわざのぼる見どころですね。
間違いありませんでした。
途中で燃料切れというおじさん達を追い越します。
モンスターの森
さらに先にはお二人の姿が見えます。
どうやらラッセルしてらっしゃるようです。
視界も悪くなってきましたがトレースがあるので進むことができます。
山頂も視界に入ってきたころ先頭の方に追い付きました。
トレラン「ラッセルありがとうございました。本当に助かりました!」
ラッセルしていただいていたのはご夫婦でした。
Kさん「楽やったでしょ~。二人で50歩ずつ交代でやってたんやけど。しんどい」
ということでここからは初・ラッセルさせていただくことに。
なんと言うえらさ!
トレースを行くのとは次元が違います。
場所を選びながら、足のさし具合など考えないと大変です。
これを最初の登りからしていただいたかと思うと感謝しきれません。
山頂の手前の小屋。
20分ほどで山頂到着!
奥さん「ラッセル、ありがとー!」
山頂小屋に中に入って休憩。
お話を伺っていると、スキーヤーの方が後から追い付いてこられ、途中からドロップインされたとか。
奥さんになんで誰もおらん新雪のところへ来たんだとプチ喧嘩になりつつもここまで来られたようでした(笑)
お二人ともMSRのスノーシューにアークのザック、ピッケルにアイゼンにGPS、完璧です。
ようやくおじさん達と一緒にかーじーさん到着。
かーじーさんに分けていただきお昼ごはんとしました。
ありがとうございました。
先のおじさん達はできたら氷ノ山越に行きたそうです。
ご夫婦にこの後のことを聞かれると、そちらとコースを行かれるそうなのでご一緒されることに。
われわれもトレースがなければ危ないので氷ノ山のピストンと決めていましたが、このチャンスに乗っかることにしました。
おじさまSさん「今日世界中で氷ノ山に居るのは我々6人だけですよ!」
6人の貸し切り!なんと贅沢でしょう。
こんな素晴らしい日にわれわれの他には誰も登って来ていないなんてもったいない。
来た道
これから行く道
出発前にみんなで記念撮影。
この先K先生ご指導よろしくお願いします。
奥さま「ここからのラッセルは若い人にお願いしましょ」
ということで一番若い、かーじーさんお願いします。
が、ここまでで股関節が痛くなったということでいきなりラッセル辞退。
おじさまが先頭で下っていかれます。
下りなので勢いよく進めます。
Kさん「ちょっと待って―!」
どうやらルートが違うようです。
KさんはポイントポイントでGPSで確認されます。
Kさん「そっちじゃなくって、こっち」
ということでいったん登り返して方向転換。
ハチ方面への稜線が見えて後半戦へのテンションが高まります。
やっぱりたくさんの人で行くと楽しいですね。
おじさまSさんは携帯で動画撮影しながた下って来られてます(笑)
この先に見えるのが最大の難所、こしき岩。
夏の登山道は左の鳥取側ですが、積雪期は右の兵庫側を行きます。
固まった雪の上に、この新雪が積もっているので表層雪崩の危険があります。
KさんがGPSでルートを確認しながら慎重に進んでくれます。
オオーッツ、なんとかこしき岩を巻けました。
ハピトレ氷ノ山の時にはこの岩におっちゃんが乗ってました。
さてここから山越えまで、わたくしがラッセル担当させていただきます。
兵庫側に雪庇が出来ているので気をつけながらルートを作っていきます。
先頭を任せていただき責任重大ですが、新雪を一番に歩かせていただくのはほんとうに貴重で幸せな経験です。
途中行き止まり?
というポイントでもKさんにルートを教えていただきました。
幸せを満喫しながら山越避難小屋に到着。
奥さん「あーありがとご苦労さんやったねー」
おじさま「我々とはエンジンが違うねー」
後方に氷ノ山山頂が。
さてここからの下山ルートも先頭を任せていただきました。
わさび谷に下りないように尾根を慎重に行かなければいけません。
しかも最後は登山口以外は崖なのでそこをピンポイントで目指す必要があります。
Kさんに地図で尾根づたいの下り方を教えてもらいました。
本当に今日は生で山の勉強もさせていただき贅沢です。
山越からの下りは、ありえない急坂。
尻セードしか無理です。
奥さんは尻セード命らしく、一気にテンションが上がっておられます。
奥さん「楽しいーー!」
下りは勢いよく走り下って行くととっても楽です。
登りの大変さはなんのその、下りは一気に下りて来てしまいます。
すでに眼下には氷太くんの施設が見えてきました。
森を抜けるとゲレンデのような広さの斜面が。
みなさん尻セード全開です。
わたくしも必殺の尻そりをザックから取り出しましたが、雪が深く断念。
思いっきり掛け下りまくりました。
そして森を抜けて無事下山。
Kさんのおかげでピストン地獄が一転、天国コースになりました。
こしき岩の巻き方や、雪尾根の歩き方、下る時の尾根の見方等たくさんご教授いただきました。
下山後も記念写真。
こういう出会いがあるから山はいいですね。
本当にみなさんありがとうございました。
われわれは本日は鳥取市内に移動です。
鳥取と言えば
『鳥取カレー』
な、なんとカレールー消費量日本一だとか。
週3、4のペース?!
おじゃましたのは駅前のベニ屋さん。
スパイシーというより優しい家庭のルーの味がします。
食後にはこれまた名物インド氷。
ココア味ですが、美味し!
駅前の炉端かばさんに場所を移し、山陰の海鮮に舌打ち。
翌日はふたたびわかさ氷ノ山スキー場へ。
今日はバックカントリーに向かわれる方も大勢いらっしゃります。
本日はスノーボードを楽しみました。
こちら側からの氷ノ山スノーシューは最高でした。
リフトであそこまで上がれるというのも魅力です。
大雪原にモンスター、すでにもう一度見たくなってきました。